種族ガチャ

ミラRISE

ギルド②

矛先の向けられた遊矢は焦っていた、なにせ対人戦をやって来なかった遊矢は相手に対してどうすればいいか分からなかった。それに自分の出来る戦い方は後方支援や遠距離からの魔法などだからだ、対人戦などやったことが無いど素人だ。

だがそんなに長く焦っていても敵は待ってくれなかった、こちらに向かう3人の男達。1人は軽装を身につけた短剣を持つ盗賊と言われるジョブの男、残りふたりはややガタイのいい男とひょろっとした男2人の魔法使いだ。
遊矢はせめてもの足掻きとして逃げようとしたが思いっきり転んでしまった、そう自分の着ているぶかぶかのややボロっとした黒いローブを踏んでしまったのだ。結局捕まりややガタイのいい男に手を捕まれて捕獲された。

「へっへっへ、怪しいローブの奴捕まえてやったぜ。思ったよりもヒョロっちいな、早速そのフードを外してもらうぜ〜」

男はフードに指をかけ勢いよく遊矢のフードを外した、するとあのボロボロのフードからは予想できないほど綺麗で愛らしい顔が冒険者達に晒された。男達は男二人でパーティーを組んでいるものだと思っていたものだから、遊矢を見た途端フリーズしてしまった。当然といえば当然だろう遊矢はこの国の王女達をも越えるほどの可愛さなのだ、それに女性に対して免疫のないものが多い冒険者には刺激が強かった。
遊矢のフードが外れ皆が注目しているすきに、陽は遊矢を救出していた。

「だから被せてたのに、大抵の冒険者は女に飢えているから遊みたいに超絶可愛い少女は危ないんだだからこれからはちゃんと来ておいてくれよ」

あぁ、分かったよと返事をすると遊矢は周りの観客席にいる冒険者達を見回した。確かに自分に視線が集まっている。

「それに遊の体は俺の物って決めたから誰にも譲らない、取ろうものなら捻り潰してやる」

「それはいいからさ、下ろしてくれないか?流石に恥ずかしくなってきた///」

それはいつもの如く助けた遊矢はお姫様抱っこで陽に抱えられていたからだ、そしてその光景を見た男達はキレだし一気に攻めてきた。

「アイアンスパイクウォール」

だが今回は遊矢が力を出した、とびこんで来る男達の前に高さ3mに横から鋭いトゲのある壁をつくりだし進行を防いだ。

「陽俺授業であった召喚術ってのしたい」

それは3日前から始まった魔法科の召喚と言う内容だ、この国の魔法系の学園生は皆最低1人1匹は召喚生物を持っている。
召喚生物は過去に生きていた生き物、人の想像の中や多次元の生物などがその対象とされている。また人工的に作られた『武具生物』なども召喚生物に分類される。ただ召喚生物は契約を結ばないと行けないので主が召喚生物よりも劣っていた場合召喚生物は契約を破棄し元の場所へと戻っていく、また魔力の量と質によって出てくる召喚生物も異なる為余り召喚生物を出したままの者も少なくない。
だがまだ自分の召喚生物を持っていない遊矢は召喚術に胸踊らせていた。それを分かっている陽は召喚術をするのに反対はしなかった、なんせ学園なんかでしたら失敗しただけで学園の校庭が半分消し飛ぶだろうだからここならと許可した。

「それじゃあ行くぜ!『我、生物を従えるもの、我の囁きの聞こえるものよ、今我の元へ参られよ』」

召喚術の延昌を終え遊矢の目の前に虹色に輝く魔法陣が現れた、だがここで終わる筈の召喚術に変化が出てきた。横に2つの新たな魔法陣ができ元の魔法陣と合わさった、そして出てきたのは見た事のある艶のある紅の鱗に覆われた恐怖の対象とされるはずの者。真紅のドラゴンだ、けれどどこか引っかかる。

「お久し振りですね、お母さん・お父上」

初対面の筈なのに『久しぶり』や『お母さん・お父上』って行ってくる。確かにこのドラゴン、アカブにいた幼獣のフレアと似てるけど…

(「えっと召喚生物は違う次元の生き物も入るので、よく分からない物などが…」)

って2次元も違う次元に入るのか?!流石にないだろそれにゲーム内の時より2回り以上大きくなってやがるよ、まぁ召喚したんだし契約するか。

「その必要はありませんよお母さん、私は既に契約がされていました。そのおかげである力が与えられました、そう!身体変換です!」

「そ、そうか。それより壁の向こうにいる冒険者を死なない程度で蹴散らしてきて」

「りょーかい?しました」

その言葉を言い切るや否や遊矢の作った鉄の壁をいとも容易く破壊していった、遊矢は元気のある奴だと思っていた。その隣で陽はガッツポーズをしていた何せフレアが遊矢をお母さんと呼んだのだから、お父上は俺を指しているそうとしか考えられないだろ。

嬉しくなった陽は、残酷な絵面とかした闘技場を眺めなが人ニヤニヤしていた。その隣では無言で召喚術の準備を進めていた。

「もしアカブの幼獣が出るのならもしかしたらパティシエも出来るかも」

そう言って遊矢は延昌を唱え始めていた。

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