種族ガチャ

ミラRISE

新学期⑤

準備運動やその他もろもろで体が火照って、少しの汗っけのある遊矢は高校生男子…いや理性のある男の格好の的になっている。
まさに一言で表すなら「エロい」だ。
少しの汗っけで張り付いている体操服、アップで火照った肌は少し紅みを帯びているのだ。

それが普通でないことは、事態か急変してから気づいた。グループでローテーションしながら試合をしている時、遊矢がシュートをすると同時に全身に力が入らなくりバタンッ!と後ろ向きに倒れた。

急に起きた事で周りではどうすることも出来ずあたふたしていたが、陽の指示で冷静を取り戻した。ある人には先生をよびに行かせ、ある人には保健室の準備をさせる。

陽は遊矢を抱えて保健室へと行く、遊矢は倒れてからそこまで経ってないが体は熱く息が上がっている。それを見て急ぎながらも、丁寧に遊矢を連れて行く。





…人はどんな脅威が有ろうと、それを越えなければ行けないことがある。
目の前の大きな、とても大きなふたつの首を持つ亀を前にしても、死ぬとしても生き残る為に前へと突き進む。
だが、そんな事で簡単に終わるものではない、呆気なく終わっていく。
飛び込んでいく人々は一瞬のうちに消し飛び、居たという証拠として赤い跡を残して消えていく。

それは前衛にいた者達が一斉に、かかった所で揺るぎはしなかった。陽も前へと歩み出すそしてほかの皆と同じ様に…赤い鮮血を撒き散らしながら消えていく。

次は俺たちの番だと言わんばかりに振り向き…事は終わりを告げた。




意識が戻ると、遊矢は勢いよく体を起こす。陽は遊矢が起きたのを目にすると保健医を呼びに扉へと歩き出すが服の裾を強く握られ歩みを止める。

「いくな…」

「ん?どうした?」

まだ起きてすぐのため足が覚束無いにも関わらず、陽の元へと向かう。

「いかないで…もうどこにもどこにも、いかないでくれ!」

遊矢には、陽が1人でどこかへ行ってしまうとゆう事しか考えが付かず。必死に止めようとする。

顔を上げた遊矢の目には、大粒の雫がこぼれ落ちていた。本人は気付いていないが、とても悲しい顔をしていた。

だが遊矢は言い終わると、すぐに経たり込んでしまった。
それを確認した陽は遊矢をベットに戻し、四時限目の授業へと向かう。向かう途中陽の心の中には「遊矢の悲しそうな顔」と「行かないでくれ」とゆう言葉が永遠と流れていた。




目が覚めると、横には椅子に腰掛け本を読んでいる陽がいた。外はもう夕日を通り越し夜へと差し掛かっていた、俺が起きた事に気づいて読書を中断する。

だが遊矢は目が合うと同時に、シートの中に潜っていった。陽は不思議に思い、シーツを剥ぎ取るとそこには…全裸で顔を真っ赤にした遊矢が上目遣いでこちらを見ていた。
遊矢の手には何か書いてあるで有ろう紙が握られていた。



   陽くんへ
  遊矢くんのが苦しそうだったから服は脱がせていました。ついでとして服を洗おうと思ったけど全く乾きそうにないから、家に連れ帰ってあげてね!服は明日返すから。

    追伸
  4時くらいなら、職員室で借りられるよ!



陽は時計を見て絶望する、もう既に7時を回っていたからだ。

「遊お前着替え持ってきてただろ?」

「いや、休み時間に汚してたから今日は1日体操服で過ごす予定だった。だから水で洗って袋に入れてる」

回答を聞いて陽は固まる、なんせ着替えるものがないからだ。俺の体操服は汗かいたからあまり着せたくないし、かと言って濡れた服だと風邪を引いてしまう。

「そう言えば俺の服は?」

「ない、あのドジ保健医がまたやらかした」

「えっ!?俺着るものないじゃん!」

今の現状を理解した遊矢は悲壮な顔をする、まあ無理もないだろう今の現状を理解したら…な。

それから2人で考えたが、遊矢は服ではなく一度口にした言葉のことを考え。陽は遊矢の裸を見ていた、息子が元気になってしょうがない。ちゃっかり写真を取り保存していたのを、遊矢は知らなかった。

結局思いつかず完全下校の時間が来た、そして遊矢が咄嗟に思いつく。陽の学ランを着て帰ればいいではないか!と…

体の大きさが圧倒的に違うため大体の所は隠れたが、帰りは歩きではなく自転車なのだ。それに人気のないところは、あまり道の整備が行き届いていないため凸凹道や段差が多い。
やはり結果的に歩きになるのだが…
遊矢の仕草に心臓の鼓動が高鳴る。やはりノーパンで外を歩くと、股に違和感があるらしい。足をモジモジと動かしながら、ゆっくりと歩いている。

そんな時前から人が6人ほどで歩いてくる。チャラい感じの奴が男6人で歩いてるということは、ナンパなんかをしていたのだろう。
遊矢は陽の後ろに隠れ見つからないように、ぴったりと抱き着くように引っ付く。男達はすれ違う瞬間俺を見てニヤけたが、陽が殺気だった視線で睨み付けて追い払ってくれた。
周りに人が居ないことを確認して歩こうと、足を前にした時。足元がふらつき段差で足をくねって前に倒れた。

案の定陽が支えてくれたのだが…

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