異世界転移で無能の俺 ─眼のチートで成り上がる─

ユウ(ゲーム好き)

第20話 戦争予定

「別にいいが、なぜ知りたい?」


まぁそう言われるだろうな。俺の目的のため、知りたいことを聞くつもりだが戦争はどちらかというと国家機密のレベルのことだ。中途半端な答えなら上手く誤魔化されるだけだろう。


「俺の目的のため。戦争を止めるためだ。」
「……分かった。しかし儂もそれほど知っているわけではない。」


まぁ戦争なんて国家機密なのだから他国の戦争なんて知っていたほうが凄いと思う。まぁ他のところでも聞ける機会はあるだろう。


「知っているかぎりでいい。噂でもな。」
「……うむ分かった。まずは宗教からだな。私達の国はルー教だ。」


ルー教はルーという光の神を信仰しているらしい。人間の国の中ではよく信仰されているポピュラーな宗教の1つだ。


「じゃあ戦争については?」
「儂の国は戦争するつもりはない。戦争の途中で儂が死ぬわけにはいかんからな。」


確かにな、国王が死ぬことは戦争では十分な敗北を意味する。国王の今の状態では戦争なんてことはできないだろう。


「他なら、科学国シェンタと氷国グラキエタが戦争するらしい。時間はあと2週間程度で始まるらしい。」
「どのくらいの距離だ?」
「戦争はその間の土地でやるだろう。それなら、今からなら1週間程度はかかるだろう。」


1週間か。速く出ないと間に合わないかもしれんな。明日ギルドで身分証明書を手に入れたら、馬車などを手に入れてさっさと行くべきか。


「他なら、これは噂だがコイノス王国が勇者召喚に成功したらしく、軍事利用を考えていると聞いたことがある。」
「……」 


俺は何も言えなかった。幸助と優香がどうなってるか、その感情が心を支配した。しかし、今は戦争を止めることが先決だ。科学国シェンタと氷国グラキエタの戦争を止める。これを優先しよう。


「儂が知っているのはこのくらいか。すまんな役に立てず。」
「なら、次来るときには新しい情報をください。」
「ああ、分かった。」


そして、俺達は部屋から立ち去った。俺達は国王に用意された個室に向かった。個室もあの王国より広く掃除もかなり行き届いていた。

窓の外からは夜景が見えた。街灯の優しい明るさに対して眩しすぎるネオンで彩られた元の世界を思い出す。少し物寂しさを感じた。すると、また食事は支給してくれた。

俺は久しぶりのよく調理された食事を平らげ、皿を下げた。

久しぶりのふかふかなベッドに吸い込まれるように俺は眠った。

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