第１０話白熱の戦い

「ッシールド！」

瞳の色をシアンに変える。目の前に青いシールドが現れ、炎を防いだ。やはり声を出すと能力の発動スピードは速い。この能力も便利だ。弱点は気を失うと、シールドがなくなる。要するに寝てる間とかも張りながらはできない。

不死鳥は死んだら火の中に落ちてまた復活するわけかなら、瞳の色をマリンブルーにする。

「呑み込め、大海！」

俺の後ろから大量の水が津波のように現れる。地面の炎は全て消えた。しかし、不死鳥フェニックスは錯乱したかのように炎をあちこちに撃つ。炎は壁に燃え移った。

「くっ立ち上れ水流！」

水流は水を凝縮して龍のように空へと昇る。このままとにかく炎を消す。そして、上から不死鳥フェニックスに攻撃する。

グワァァァァ！

すると、叫び声をあげて炎の輝きは増した。何度も攻撃されるのは屈辱なのだろうか。そんなことを思うと不死鳥フェニックスの体の中が一瞬光ったように見えた。

何だあれは？もう一度攻撃してみよう。水流を不死鳥フェニックスの体目掛けて勢いよく発射する。が、

グギャァァァァ！

「何！」

水流は不死鳥フェニックスの体に当たる前に蒸発した。すると、反撃に炎を大量に放つ。俺はまた瞳の色をシアンにしてシールドで防ぐ。すると、不死鳥フェニックスの体の中がまた一瞬光った。今回は六角形の光だった。

もしかして……。試す価値はあるな。しかしどうやって奴に近づくか。……あれをしてみるか。まずはシールドを纏うように形を変化する。少し集中力がいるが、大したことはない。そして、左眼の瞳の色をラベンダーに変える。能力は浮遊。

右眼と左眼でそれぞれ違う能力を発動する。しかし、それぞれで集中しないといけないため、失敗もする。
そして、俺は浮遊能力で不死鳥フェニックスに突撃する。熱さこそ感じるが、ダメージはシールドのおかげでない。

「あった！」

不死鳥フェニックスの体の中から六角形の石のようなものを見つける。俺はシールドから手を出し掴む。俺は握り、下へと降りる。俺はそれを破壊した。

「正体は魔石ませきか。」

魔石とは、魔物の心臓のことだ。これを破壊すれば魔物は死ぬ。だが、本で読んだ中で、ごく稀に魔石そのものに自我がある魔石があるそうだ。この魔石は自分の意思で炎を纏い、不死鳥フェニックスになったということか。

そして、炎がなくなると自分が撃った炎の中に入り、また炎を纏い復活する。炎は体ではなく、自分を守るための鎧だったということか。

なかなかに面白かった。さて、俺は飯を食べ水を飲み次の層へと階段をまた下った。