第９話炎の不死鳥

「はーうめぇ。」

魔物の肉を食べるのも慣れてきた。最初は食べるのにめっちゃ抵抗こそあったが、今や生きるためなら食わないとと半分使命感を感じる。今食ってるのは、レッドバードという鶏みたいな魔物だ。

40層超えてから魔法とか使う魔物が増えてきた。レッドバードは予想できるだろうが火を使う。火の耐性が高いようで焼くのに少し時間がかかるがアンキッラさんからもらった調味料をかけて食べると、肉汁がジューシーでそれにしてあっさりとした旨味、調味料で生まれた風味が食欲を加速した。

「そろそろ先に進むか。」

迷宮生活2週間目、ついに2分の1、50層まで進んだ。
立ち並ぶレンガの壁にも飽きてきた。すると、行き止まりにぶち当たる。ちょうどいい。ここで眠るか。
硬い壁は寝るのに適してないが、それを気にしてたら迷宮生活なんてできはしない。

瞳の色をフロスティブルーにして氷壁を造りだする。これで安眠できる。まぁ壁が硬いから安眠とは言いづらいけどな。

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「はぁはぁ…」

息が苦しい。最近目が覚めるとそうだ。しかも最下層に近づけば近づくほど息苦しさが増していく。見えない何かに押し潰されるような感じだ。バッグから水を取りだし飲んでいく。

ドンドンッ！

うるさい。さっきから魔物が氷壁を叩いてやがるな。そんなに穴を開けたいのならやってやるよ。魔物ごと消してやるからよ！瞳の色をルビーレッドに変えて焼き尽くす。

ギーーッ！グガァァァ！グハッ！

断末魔が氷壁の向こうから聞こえてくる。まぁ炎を消したころには氷壁も断末魔も息苦しさも消えていたがな。さて、そろそろ前に進むか。

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マッピングも終わり、ついに50層のボス部屋の前の扉についた。ここを超えたら人類の最高記録を塗り替えることになる。まぁ俺は攻略狙いだから関係ないがな。大きく深呼吸して扉を開ける。

しかし、どこにもボスどころか魔物一匹見つからない。すると、上から音がする。何だ？俺は上を見ると上から炎が降ってきた。俺は咄嗟的に逃げるが脚を少し焼いてしまった。

「くそっ！回復！」

瞳の色をエメラルドグリーンにして脚の負傷は回復した。この能力はやっぱり便利だ。

「不死鳥フェニックスか！」

空には太陽に見間違えるほどの眩しさを放つ炎の幻鳥
不死鳥フェニックスがいた。炎か、なら弱点は水だ。降らせる炎を避け、瞳の色をマリンブルーにする。能力は水。

「立ち上れ、水流！」

地面から水流が立ち上る。その水流を操り、不死鳥フェニックスにぶち当てる。すると、炎が弱まっていく。今度は水を槍のような形にして、発射する。炎はさらに弱まりやがて消えていく。と、思いきや、

グワァァァァ！

不死鳥フェニックスは叫び声をあげさっき降らせた炎に墜落する。倒したか？そう思うと、炎の中からシルエットが見えてきた。炎はやがて大きくなり、空へと昇る。不死鳥フェニックスはさらに輝きを増して復活した。

そして、不死鳥フェニックスは火炎を俺に向かって撃ってきた。