外章。私は何故か海を漂っていた
2話。【遊泳?水泳?】
何時間たっただろうか。
遠くの方には大陸らしき影が見える。だがなかなかたどり着かない。それもそのはずだ、この辺りはどうやら中央大陸へ向かう海流と極東大陸へ向かう海流の合流地点である。
そんな場所から抜け出せるはずもなく、漕ぐのを諦めボートの上に寝っ転がっている状態であった。
「暇だ…」
あまりの退屈さに海で泳いでやろうかな…?と思うほどである。
この辺り…というよりこの世界にはサメなどの肉食魚はいない。海というかほぼ内海なので、サメが住むのには不適切な場所だからだそうだ。噂ではス連とヴェルト州連合王国の大学の共同研究によって人工繁殖ができるそうだが、結論から言えば海は安全。
「はぁ…、仕方がない。」
ボートにいると暑さで頭がおかしくなりそうなので、スーツの上着を乾かすように広げ、ネクタイをほどき、海に入る準備をした。
思いっきりYシャツに長ズボン、革靴という、てめぇ!泳ぐきねーだろ!とツッコまれる服装なのだが…
バシャーン
海に飛び込み、目を開ける。
塩分が高くなくてよかった…。目を傷めるところだったよ…
「ガボバボボボボボボ…」
訳。しかし遊泳なんて久しぶりだなぁ…
実に数十年ぶりである。最後に泳いだのは海軍学校の休日に友人と海で泳いだ以来なんだよなぁ…。あの時の海は冷たかった。
「ボバ?」
訳。うん?
光が差し込まないほどの深さに不自然に光っているものを見つけた。
最初は生き物かとも思ったが、その光が少々強すぎること、同じ場所で強く光ったり消えたりしていることからその可能性は捨てられた。
「ブ!ボバボバ!」
訳。あっ、やばい!
体を圧迫するような水圧に加え、息を止めるのが限界に達し、余計な酸素を吐き出してしまい、おぼれそうである。いや、冗談抜きでまずい!
平泳ぎを駆使し、光が差し込む方向へ必死に泳ぐ。
「ブハァ!ハァ、ハァ…」
ボートの端にしがみつき、消耗しきった体力をフルに使いよじ登る。
酸素を早く吸いこむために、少々息が荒くなっていたが…。
そして、さらに私を襲った悲劇が…
「へ、へ、へっくしょん!」
さっきまで私やボートを照らしていたはずの太陽が雲の裏に隠れてしまい、あっという間に冷え込んできた。
いや、実際はこれでも十分温かいはずなのだが、いかんせん海を泳いできてびしょ濡れ状態のままである。着替えすらもないので、Yシャツをいったん脱ぎ、それを勢いよく絞って体についた海水を取り始める。そしてポッカポカな上着を下着の上から羽織る。
ズボンの場合は替えもくそもないので、一端ズボンを脱ぎ、それを絞って履きなおす。靴はいらないので脱ぎ捨てた。
「しっかし、いつになったら救助がくるのだろうか…。」
日も落ちてきそうなこの状態を遠い目で見つめる私であった。
遠くの方には大陸らしき影が見える。だがなかなかたどり着かない。それもそのはずだ、この辺りはどうやら中央大陸へ向かう海流と極東大陸へ向かう海流の合流地点である。
そんな場所から抜け出せるはずもなく、漕ぐのを諦めボートの上に寝っ転がっている状態であった。
「暇だ…」
あまりの退屈さに海で泳いでやろうかな…?と思うほどである。
この辺り…というよりこの世界にはサメなどの肉食魚はいない。海というかほぼ内海なので、サメが住むのには不適切な場所だからだそうだ。噂ではス連とヴェルト州連合王国の大学の共同研究によって人工繁殖ができるそうだが、結論から言えば海は安全。
「はぁ…、仕方がない。」
ボートにいると暑さで頭がおかしくなりそうなので、スーツの上着を乾かすように広げ、ネクタイをほどき、海に入る準備をした。
思いっきりYシャツに長ズボン、革靴という、てめぇ!泳ぐきねーだろ!とツッコまれる服装なのだが…
バシャーン
海に飛び込み、目を開ける。
塩分が高くなくてよかった…。目を傷めるところだったよ…
「ガボバボボボボボボ…」
訳。しかし遊泳なんて久しぶりだなぁ…
実に数十年ぶりである。最後に泳いだのは海軍学校の休日に友人と海で泳いだ以来なんだよなぁ…。あの時の海は冷たかった。
「ボバ?」
訳。うん?
光が差し込まないほどの深さに不自然に光っているものを見つけた。
最初は生き物かとも思ったが、その光が少々強すぎること、同じ場所で強く光ったり消えたりしていることからその可能性は捨てられた。
「ブ!ボバボバ!」
訳。あっ、やばい!
体を圧迫するような水圧に加え、息を止めるのが限界に達し、余計な酸素を吐き出してしまい、おぼれそうである。いや、冗談抜きでまずい!
平泳ぎを駆使し、光が差し込む方向へ必死に泳ぐ。
「ブハァ!ハァ、ハァ…」
ボートの端にしがみつき、消耗しきった体力をフルに使いよじ登る。
酸素を早く吸いこむために、少々息が荒くなっていたが…。
そして、さらに私を襲った悲劇が…
「へ、へ、へっくしょん!」
さっきまで私やボートを照らしていたはずの太陽が雲の裏に隠れてしまい、あっという間に冷え込んできた。
いや、実際はこれでも十分温かいはずなのだが、いかんせん海を泳いできてびしょ濡れ状態のままである。着替えすらもないので、Yシャツをいったん脱ぎ、それを勢いよく絞って体についた海水を取り始める。そしてポッカポカな上着を下着の上から羽織る。
ズボンの場合は替えもくそもないので、一端ズボンを脱ぎ、それを絞って履きなおす。靴はいらないので脱ぎ捨てた。
「しっかし、いつになったら救助がくるのだろうか…。」
日も落ちてきそうなこの状態を遠い目で見つめる私であった。
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