悪役令嬢は趣味に没頭します
18 発表会
椅子に座り曲をイメージする。
(これ曲は美しくメロディーを儚げに…どこまでも澄み渡る音で)
鍵盤に指をおき、息を吸った。
バウ〇クーヘ〇という曲がある。
これはあのお菓子ではなく、綺麗な曲なのです。小さい頃がんばって譜読みして大好きな曲だった。
伸びやかに音を作る。
あぁ、本当に美しい曲だ。
自分のピアノの音に惚れ込みながら弾く。
ーー最後、低い伴奏で物語のように終わる。指を鍵盤から取り椅子から降りた。
再びお父様とお母様の方に礼をして、少し怖いと思いながらも2人の顔を見る。
お父様は目を見張り固まっていてお母様も驚きが隠せないようだった。
「こ…れは、神様からご教授されたと聞いても納得してしまうわ…」
「私たちの娘は天才なのか…」
2人は紅茶を1口飲み、落ち着いたよう。
ぽつり、ぽつり…と話す。
「なんだか曲が美しすぎてもう、心がいっぱいに…」
お父様は涙を流し、ハンカチで拭く。
 
「リア……素晴らしい才能を持ってるのね。素敵だったわ、他には何が弾けるの?」
お母様はやっぱり神様説を信じてないようだ。だが、他に納得することがなくそれを才能という言葉で表した。
「他ですか…ワルツやクラシック、ポピュラーや練習すればジャズも弾けますが…」
「じゃず?とはなんだい?」
あ、バイオリンにジャズはないから知らないのかも。
もったいない!あんなにかっこいいのに!
「えっと、弾けるとかっこいい曲?でしょうか」
「え?女の子が弾いてもかっこいいのかい?それは興味があるな。何か聞かしてくれるかい?」
「簡単なものなら….」
と、ジャズ。というかジャズアレンジされたある盗賊のテーマを弾く。
指が短いから回りにくいが、最近の練習で基礎練をしっかりやっているため最初よりも深く弾けるようになった。
1番だけ弾いてお父様の方をむく。
お父様はソファから立ち上がり、私の方へ来た。
「珍しいリズムだね。でも、かっこいいという理由がよくわかったよ。」
お気に召したようで頭を撫でられる。
「リアは家庭教師か他のレッスンでも先生方が賞賛するほど優秀だよ。ピアノもこれだけ才能があるとは知らなかったけれど、とても素敵だね。」
「ふふふ、がんばって続けてちょうだいね。また聞きに来るわっ。」
「はい、ありがとうございます!」
「では、そろそろ仕事に戻ろうか。」
お父様とお母様は書斎へ戻って行った。
☆
「エルバート?本当に神様を信じてるわけじゃないでしょう?」
「あぁ、まぁね。それ以外にあの子があれだけ弾ける理由がわからないから持って生まれた才能か、神様の贈り物とでも思っておくよ。」
「…いいの?あの子は何故か知ってるみたいよ?」
「フィーリアだって聞かなかっただろう?あの子は賢い。話さないなら何か理由があるはずだろう?
言わせなくても別にいいんじゃないかな。私たちの天使である事には変わらない。」
「ふふ、まったく…」
「素敵な演奏だったね。」
「えぇ、本当に。天使みたいに可愛く子が女神の歌声のように曲を弾くもの。驚いてしまったわ。」
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