悪役令嬢は趣味に没頭します

ててて

12 ヒーリング効果

(あー、喉がかわいた)

夜、目が覚める。しょうがないので廊下に出て厨房に向かおうとした。すると、後ろから何かが聞こえてくる。

ひたひたひたひたひたひた

なんだろう。何かの音?

ひたひたひたひたひたひた

こちらに向かってくる。ドキドキしながら待つ。だが、少しずつ怖くなり壁に背中を引っつけた。そして、音の正体が姿を現す。

「そんなところで何してんの?」

音の正体はルーフィス。正しくはルーフィスの足音だった。

「それはこっちのセリフだよ、ルーは何してんの?私はこれから水を飲みに行くとこ」
  
「ふーん。」

私の返事を聞くと興味無さげに返事をする。

(今日来たばっかりで慣れないから寝れないのかな?)

「ちょっとこっちおいで」

ルーの腕を引っ張る。

「えっ、なに?」

私の部屋から2つ隣の部屋、そこは私のピアノの部屋。

「これなに?」

ルーフィスはピアノを見るのが始めてみたいで不思議そうに見る。

「これはピアノって言う楽器よ。ここを開けてこの黒白したやつが鍵盤。でこれを押すと音が出る。」

実際に押してみる。

「すげー。初めて見る…なんでこんな音が出るんだ?」

どうやら初めてのピアノに興味深々のようだ。

「この鍵盤を押すと中のハンマーが動いてピアノ線っていう音の出る糸を弾くの。それで音が出るのよ。じゃあ、はい。そこに座って」

私は部屋の隅に置いてあるソファにルーフィスを座らせる。

「え、何すんの?」

「寝るのよ。はい、目を閉じて。今からピアノ弾くからうっすら聞きながら呼吸してね」

「え、ちょっと、」

私は半ば無理やりルーフィスを倒し目を閉じさせた。そしてピアノ椅子に座る。

(ヒーリング効果のある曲を弾けばいいか。)

前世の記憶から出した譜面でふわっと弾いてみる。しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。

(やっぱり、緊張して眠れなかったのね)

ピアノのヒーリング効果には癒しの力もある。
うっすらとピアノを弾くのを引くと静かに扉が開いた。そこにはお兄様が立っていた。お兄様とピアノの部屋は結構離れてるから聞こえないと思ったが…

「ごめんなさい、お兄様。起こしてしまいましたか?」

ルーが寝ているので小声で聞く。すると、お兄様は首を振る。

「ううん、起きてた、話、聞こえた、ルー、運ぶ」

どうやら廊下の私たちの会話から聞こえてた見たいだ。そして、ルーを部屋まで運ぶのを手伝っでくれると…

「お兄様!!ありがとう!」

あまりのお兄様の優しさに感動して抱きつく。

「…ん、早く、寝よう」

そして、ルーを部屋まで届けた。(お兄様がお姫様抱っこをして)




次の日、起きたルーは自分がいつの間にか寝ていたことに疑問を抱えていた。

「俺、どうやって部屋までいったんだ…?というか、なんでこいつらここで寝てんの?」

ルーフィス用に与えられた部屋の少し大きめのベッドにはルーフィスの隣にはリアとウィル兄様が抱き合うように寝ていた。

ウィル兄様が左手で腕枕して右手でリアの肩を抑えている。まるで、恋人みたいな寝方をしている。別に仲がいいのは構わない、構わないけど…

「………なんかムカつく…」

ルーはもう一度寝転がりリアの腰にしがみついて寝た。


「……ん?」
しばらくしてリアが起きる。

「暑っつい……動けないし。なんだこれ」

いくら子供といえど男の子2人に抱きつかれて寝ると動けないものなのだ。だが、お兄様とルーは何やら満足そうだった。

「…これ、どうやって起きるのよ…。はぁ、もういいや、もう1度寝よう」

この日は、兄弟仲良くみんなで寝坊したのだった。



あれですよね。ルーフィスはツンツンデレデレですよね。きっと
そして、相も変わらずブラコンとシスコンのリアとウィルです。

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コメント

  • 決事

    ツンツンデレデレも、口の悪い子も可愛いですよねw
    ルーくんもウィルも好みですわ(((
    この話も、他の二作品も更新楽しみにしてます!

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