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かわいい吸血鬼メイドがきたので、ハーレム生活を始めようとしたら、却下されました。

REMIO 04

ある日、僕の家に吸血鬼メイドがやって来ました。

『ピピピピピピピピ!』

「ふぁぁぁぁー……」……何時だろう?

目覚まし時計の音で目が覚めた。

「まぁ、何時なんて俺にはかんけーないし。」

そう独り言を呟く。

俺はこの家に一人で暮らしている。

別に独り暮らしがしたいからそうしたわけではない。

俺が独り暮らしをせざるを得なかったからだ。








「…………ただいま…………」

小3の頃だったか、俺の体質が輪郭をおびはじめたのは。

「祐太……お前……その傷………どうしたんだっ……!?」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

父さんと母さんが俺をみてビックリした。

「…………なんでもない。転んだだけ。」

そういって、自分の部屋へ入った。

父さんと母さんは俺の背中を心配そうに見つめていた。

俺は家族を心配させまいと嘘をついた。

「…………本当は転んだんじゃなくて、学校でやられたんだけどね。」

学校にいくといつも俺のまわりで変なことが起きる。

例えば、ホルダーガイストとか。勝手にものが動き出したり、電気がついたり消えたり。

俺自身にも変なことが。

魑魅魍魎がみえてしまう。

小3前までは見えなかった。変なことも起こらなかった。

でも、俺がいく先々に変なことが起きる。

だから、決まって変なことが起きたときには……

「テメー!祐太!また、変な力使っただろ!?」

「やーい!化け物化け物!!」

「…………ち、ちがうもん。」

「化け物退治するぞー!!」

「い、いたいっ!やめてよっ!化け物じゃないもん!」

「うるさーい!!化け物は人間に退治されろ!!」

「お前みたいな化け物、学校に来るなよっ!!」

そう言われて、いつも殴られたり蹴られたり。

いつも怪我をしてボロボロなかっこうで帰宅する。

父さんと母さんには転んだと嘘をついている。

________そして、ついに_________

「あなたが何もいってあげないからじゃないっ!!」

「黙れ!!このくそ女がっ!!」

父さんと母さんは喧嘩してしまった。

母さんは泣きながら靴もはかずに家を飛び出していった。

数日後、近くの川で死んでいた。

父さんは俺を気味悪く思い、新しい女の人と暮らし始めた。

俺はひとりぼっち。

誰も、俺の見方をしてくれない。

誰からも話しかけられたりしないまま、中3になった。

きっと今ごろはクラス替えできゃっきゃと騒いでいる頃だろう。

だが、俺には関係ない。

どうでもいいことなのだ。

朝起きて朝食はてきとーにコンビニで買ってきた惣菜を食べる。

することと言えば、ゲームかネットサーフィン。

部屋に戻り、スマホを手に取る。

オンライン型のゲームが最近のお気に入りだ。

「やっとレベル65まできたぜ。」

新しいイベントが出ている。やってみよう。

そうゲームをやっていくうちに時間はどんど湯過ぎていく。

「あー!スマホの充電が切れた!充電すっか。」

仕方なく、スマホを充電。

お昼ご飯のレトルトカレーを食べながら、ネットサーフィンをする。

すると、気になるニュースが出てきた。

「なになに?………『吸血鬼多発中。被害者15人。』……………なんだこれ、吸血鬼とか。
バカなんじゃねぇの?もっとましなことアップしろよ。」

ゲームのやりすぎとしか思えないこのニュース。

それから、パソコンでネットサーフィンする事、五時間……

「あー、そろそろ風呂入るかー」

パソコンをパタンと閉じそう呟いた。

風呂から上がった俺はコンビニから買ってきた弁当をテーブルにあげて食べようとした。

そのとき、テレビからはレポーターが悲鳴じみた声をあげていた。

『こちら、吸血鬼に襲われた人が倒れていた現場です。辺り一面に血液がついています。えー、被害者は通りかかった老人が救急車を呼んでくれまして、現在は中央病院にいます。出血がひどいため、意識は朦朧としています。繰り返します!こちら、吸血鬼に…………』

「……………うそ………だろ………?」

ゲームのやりすぎだろ、と考えこのニュースを一蹴していた自分はバカみたいだ。

襲われた現場は俺の学校の近く。

意外にも近場で起こった事件。

もし、俺が襲われたら?俺もあんな風に血がいっぱいでて、病院に運ばれるのか?

『ピンポーン!』

「ひっ!?」

突然なり響いた呼び鈴に若干動揺しながらも答える。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

だ、誰だ?俺に用事があるやつなんていないだろうに。

「………ゴクリ」

唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。

首筋に冷や汗が伝う。

『ガチャ………』

俺はゆっくりと玄関のドアを開けた。

「あっ、こんにちは!」ツインテールの女の子がそこにたっていた

「ど、どちらさまですか?」

久しぶりに人と話すもんだから若干声が裏返ってしまった。

「すいません、急に訪問しちゃって。」

「い、や、それは別にいいんだけど………」

ツインテールの女の子はクスリと笑い、こう言った。

「はじめまして、吸血鬼メイドのミソノと言います!これからよろしくお願いします!ご主人様!」

俺は思いっきりドアを閉めた。

『えっ!?ちょっ、ドアを開けてください!』

ドアの向こう側からミソノがわめいている。

「俺を襲わないでくれ!たのむ!!」

恐怖が俺の頭の中をかき回す。

怖い!!恐い!!怖い!!恐い!!

「おっ、襲いませんよっ!!!大丈夫ですから!!とりあえず、落ち着いて私の話を聞いてください!」

「………ほ、本当か?」

『本当ですとも!』

『………ガチャ……』

俺はもう一度恐る恐るドアを開けた。

「あの、すいません、いきなりでなんですが上がってもよろしいでしょうか?」

「……どうぞ。」












「お茶、どうぞ。」

「あっ、ありがとうございますー!」

ミソノが俺が入れたお茶を飲む。

………よく見るとかわいいな。

「ふぅ、おいしいですねー。あぁ、そろそろ本題へ入りましょうか。」

ミソノはゆっくりと語り出した。

「私たちは本来あなたたち人間とは別の世界で暮らしています。ですが、私たちの世界で犯罪をおかした吸血鬼は追放されてしまいます。その犯罪をおかした吸血鬼がこちらの世界で無差別に人を襲っているんです。だから、そんな吸血鬼を止めるために私はこちらの世界へ来ました。」

「…………罪をおかした吸血鬼………」

「普段はメイドとして働きますが、目の前に犯罪をおかした吸血鬼が現れれば、すぐさまあちらの世界へ送ります。まぁ、送ったとしてもそこは牢屋なんですがね。」

「………それだったら、一人でやってくれ。何で俺のところへ来たんだ?」

「それは人間の血を飲まないといけないんですよ。」

「………………」

だからか。まだ、魑魅魍魎が見えてるからか?

「いずれあなたのクラスメートにも被害が及ぶでしょう。」

ミソノがうつむきながらしゃべる。

「………クラスメート?そんなのどうだっていいんだよっ!!何で俺をいじめたやつらを助けなきゃいけないんだよっ!勝手に死ねばいい!あんなやつらなんか!!」

そう俺は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。

誰にも話したことのない本音。心のそこからどろどろとわき出てくるどす黒い感情。

「………なっ!?……」

ミソノが驚き、立ち上がる。

「あいつらなんて、吸血鬼に教われて死ねばいい!」

「死んでもあなたの過去なんて変わりませんよ!!」

ミソノが叫び返す。

「……………………ぁ……」

「もし、その人たちが死んだとします!でも、あなたの過去は変えられません!人が死んでも傷ついても!!過去には戻れないんです!!」

「…………うるさい………」

「だから、そんなこと言わないでください!!」

「うるさいっ!!」


そういうや否や、俺はミソノを殴っていた。

「…………ぐっ!!………あぁっ………!!」

ミソノは床に激しく頭を打った。

「はぁ、はぁ、はぁ……!!」

殴ってなんになる?傷つけてなんになる?

過去はどうあがいたって変わらない。

「………う、うあああああああ!!!!」

「…………………私は大丈夫ですよ。」

「…………!!?」

「…………辛かったんですね。」

そういってミソノは俺を抱き締めた。

「……泣いてもいいんですよ。」


久しぶりに感じた温もりに、俺は涙をこぼした。

「あなたみたいな人がこれ以上増えないよう、あなたが他人を救いませんか?」









    



「………さっきはありがとう」

「いえいえ、メイドの仕事ですから。」

「………胸おっきくて柔らかかった。」

「!?やっ、やめてくださいよ!!」

ミソノが顔を真っ赤にして言う。


「ミソノ、こういうのはどうだ?」

「何です?」

「俺とミソノでハーレム生活を築くのは。」

ミソノは笑ってはっきりといった。

「はい、却下しますっ!」

…………………ハーレム生活の夢は切って捨てられた。

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