(自称)小説家が異世界召喚されて勇者として無双するかと思いきや商売とバイトでしか無双出来ていません!

平涼

魔法の訓練を!

 俺は昨日騒ぎまくって二日酔いになってしまった。これが非常にきつくあの忌々しいインフルエンザを思い出す。

 バイトの人に青年になってもお酒は飲みすぎるなと言われたことを今ようやく実感出来た。

 もうあんなに飲むのは止そうと心に決める。

 リザ達は飲む量を考えていたのか朝から普通に元気だ。

 俺はもう今日は家でずっと寝ることに決めた。

 だがずっと家で寝ていてもなんだか体がおかしくなりそうだったので魔法を試すことにした。

 創造魔法だったら一々口で詠唱を唱えなくても魔法が発動する筈だ。

 詳細にも書かれていなかったしな。

 俺は元々魔力が無い。あれはレベルアップすると上がるのではなく、使わないと上がらないらしい。

 なので最初から凄いものを具現化出来るわけも無い。なんせ俺の魔力五だからな。

 俺は初めにペンを想像する。普通のボールペンだ。これなら俺でも大丈夫だろうと思うと俺の手の中にはペンがあった。

 「おお。でき」

 俺は最後まで言う前に意識を失った。

 俺が次に起きたときは部屋の中が暗かった。

 どういうことだ?俺はどうして眠ってるんだ?

 俺は朝に起きたんだと思ったんだけどな。

 そう思いながら下に降りると皆が夜ご飯を食べていた。

 「おい。何で俺が寝ている間に食ってんだよ。起こしてくれよ」

 「あんた覚えてないの?」

 「何の事だ?」

 シャルが聞いてくるが俺は魔法を使った所までしか覚えていない。それを代わりにリザが話してくれた。

 「あんた魔力切れを起こしてたわよ。二度とあんな事しない方がいいわよ。危うく命を落とすこともあるんだから」

 ......命を落とす?

 「もしかして俺は魔法を使って魔力切れを起こしたから寝てたのか?」

 「そうよ。シャルが光也を起こしに行ったら何か様子が変って言うから私が回復魔法を使ってみた所魔力切れだったわよ。まあ軽い魔力切れだったからよかったんだけどね」

 どうやら回復魔法が使える人はどんな症状が出るのか分かるらしい。

 おいおい。マジかよ。俺もう絶対魔法使わないわ。

 「そうだったのか。助かったよ。ありがと」

 俺もそう言って飯を食べようとしたら、

 「感謝してるなら私におかず頂戴。それで今回はチャラにしてあげるから!」

 「お前、前に借金作ったときパーティなんだから皆で助け合いましょう的な事を言ってなかったか?」

 「覚えてない」

 「いや。言ったからな。それなのに今回俺に報酬を求めるなら絶対にお前が借金作ったときに助けてやらないからな?」

 俺のド正論にリザは悔しそうにして、

 「昨日酔った挙句シャルの部屋で服をあさってたこと黙ってあげようと思ったのに」

 それに二人はもう汚物を見るような眼で見てくる。

 「お前!何で不利になったらまたそんな嘘をつくんだ!俺はあん時は......」

 やばい......。酔ってて全然昨日家に帰ってからの記憶がない。

 それに勝機と見たのか、

 「本当よ!光也は昨日こっそりシャルの服漁ってたりしてたんだから!」

 待ってくれ。俺は本当にしたのか?俺はそこまでのクズに成り下がった覚えは一切ないんだが。俺は恐る恐るシャルを見ると立ち上がった。

 ......神様。どうか次はイケメンでモテモテの男に生まれ変わらしてください。

 だが俺ではなくリザに拳骨が振り下ろされた。

 「痛い!何で私なのよ!」

 「私は気配察知があるのよ?」

 「「あ」」

 俺とリザの言葉がはもった。そうだ。シャルの気配察知があるなら酔ってないシャルなら気付く筈なのだ。

 「てめえ!とんだ嘘をつきやがったな!俺がそんな事するわけないだろうと思ったよ!」

 「だって。だって」

 何も反論が思い浮かばないのか段々と声が小さくなる。

 「ごめんなさい」

 最後にはきちんとリザが謝りこの件は終わった。

 ただ俺はこれからどうするか迷う。

 俺の魔法がここまで使うのが難しいとは思わなかった。

 だが今回ペンを具現化して倒れるということはまだまだ軽い物とはどんなものだろうか。

 まだまだ懲りない男であった。

 それから俺はリザが目の前にいる時に創造魔法を使うことに決めた。先程の嘘を許してやる代わりにやってもらう。

 だが最初はリザがめんどくさいからやらないというので俺が成長したらお酒を出してやるという条件ですぐに了承してくれた。とんでもなくチョロかった。

 これから光也は自堕落な生活をしながら魔法を一人楽しむのだった。

 ~魔王軍幹部~

 「お腹空いた」

 めんどくさいから魔王城に帰らないで探したけど全く見つからない。

 ああ。私はこんな所で死んでしまうのかしら。

 魔王軍幹部が餓死なんてお笑いね。

 そう思いながら一人腹を空かせながらフラフラと旅を続けるのだった。

 

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