異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します

りゅうや

脱がされ、そして諦めず

 
 男たちに無理矢理立たされる。
 自力で立っていられないのを知っているためか両脇を男たちに支えられながら防具を外され始める。

「うわ ︎こいつ俺に吐きやがった!」

 そんな声が聞こえ、視線をやればニーナは横たえたまま防具を外そうとしたのか中途半端で解かれている。
 その側でズボンに吐瀉物を垂らした男が嫌悪と怒りの表情を浮かべていた。

「あぎゃあぁぁぁああぁぁぁっ ︎イッテェェェェェッ ︎」

 今度は違う方から叫び声が上がる。
 そちらへ視線をやればキリが焦点のあっていない瞳を周りに向け、ガクリ、ガクリとグラつく身体を膝立ちで支えながら剣を構えていた。
 その剣先には新しい血が、ツゥーと垂れていた。
 彼女から一メートルくらい離れた場所に手にこつらも真新しい切り傷を作っていた。
 恐らくキリが切ったのだろう。あの身体でよく動けるものだと感心する。
 ドサッ!
 しかしそれが最後の力による抵抗だったのか、倒れてしまった。
 周りの男もそれを理解したのかキリの様子を窺い、もう抵抗出来ないと分かると私たち同様防具を外し始めた。
 キリもさほど重装備でもないのですぐに外されてしまうだろう。

「よし、全部外せたな?」
「なら、ご開帳ー」

 皆の様子を窺っているうちに自分の防具は全部外されてしまったようで、身体が少し軽くなった。
 そして切られたり破れたりして除いていたサナの下着が公衆の面前の前に露わとなった。
 ネズミ色の質素な物。しかしそこには自身のお気に入りの白のレースが飾られている。左下には小さな青の花の刺繍もされていて、それが気に入ったのもあり購入した物だ。
 動きがメインなサナは下着も動きやすい物を選んでいる。
 しかし彼女とて女の子。可愛くて気に入れば着たくなるもので、買ってしまったのだ。
 下の方が急に涼しくなった。
 確か今日は上下同じタイプだったかな。
 そんなことを思い出していると、胸の開放感を感じる。

「「「「「「「「「っ.....」」」」」」」」」」

 男たちになんとも言えない表情が浮かぶ。
 小さいとでも思われているのだろうか?
 なぜか自分の中に冷静な自分がいてそんな疑問を抱かせた。
 あーあ、婚約者(アズマ)にも見せてないのに.......いや見られてはいたわね。記憶ないみたいだけど。
 そう残念がるサナ。
 視線を上げれば、男たちが邪魔だがニーナもキリも同じ状況だった。
 ニーナ、あなた、そんな派手な下着着けるようになってたの?
 そう彼女の下着に目をやる。赤く、動物の絵柄がいくつか刺繍されている。
 それが外されれば、ふっくらとした乳房が映る。
 ......負けてない、わよね?
 そんな疑問を抱く。
 キリの方は恐る恐るながらも上だけ防具を外され、服が脱がされていた。
 彼女のは紫を基調としている。サナのと違い満遍なく花が刺繍されており、下側だけにレースで飾られている。
 そしてちょこんとリボンが一つ、真ん中の下についている。もちろんこちらも紫の。
 それが退かされると彼女の白くて綺麗な肌が露わとなる。その肌を持つ彼女の胸もまた、美しく形が良い。
 大きさは全員、さほど違いはないのだが一番を挙げるのならば彼女のが上がるだろう。
 さて、そうサナが現実逃避をしていると男の手が下の方へと伸びる。

「.....!嫌っ!」

 しかしその手が腰に触れられた途端、背筋がゾッとなり拒絶した。
 諦めていたはずなのに。自分でも分からず、拒絶してしまった。
 ────否、理由など明白であった。彼女もそれには気がついていた。
 しかし拒絶した所で、暴れた所であの初老の男に封じられるだけだと分かっている。
 ならば拒絶する意味なんて───

「キリ!ニーナ!しっかりしなさいっ!こんな奴らに好き勝手されて良いはずないでしょ!最後まで諦めない、んぐっ ︎」

 分かっていてもサナは叫んだ。悪足掻きだと分かっていても彼女は抗った。
 しかしその途中で男の一人がサナの口を手で塞ぎつつしゃべれないように両頬をぎゅっと押して、黙らせてくる。
 そしてそのままグッと押され、支えていた男たちは思わず手を放してしまったため地面に頭を打ちつけられる。

「ぐぁっ ︎」

 激痛とともに視界が歪む。
 受け身が取れず、もろに頭を打ったため脳が揺れているのだ。
 気を失わなかったことは凄いことなのだが、さすがに身体を動かすことは出来なくされた。

「おい!意識飛んだら楽しみが減るだろっ!」
「そうだぞ!俺は堕ちるのが好きなんだからな!」
「知るか。このガキがいきなり騒ぎ出したからとっとと黙らしたんだよ」
「それは言えてる。あっしはヤれればそれで良いんでな」
「ああ、だから早くそれも退かしてくれ。もう我慢が限界なんだ」
「えー、僕は胸を使ってからの方が好きなん──」
「お前は黙ってろ!」
「ひどっ ︎」

 そんな会話をする男たちの声を意識が朦朧としながら何も出来ず、ただ聴かされるだけのサナ。
 ごめんなさい、アズマ。初めてあげるのは、無理みたい......
 そう完全に諦めた彼女の頬を涙が伝う。
 未だ話し合いは続くも我慢出来ないと言っていた男がサナへと手を伸ばし、腰に触れる。
 怖くなり、サナは目を閉じた。せめて眠ってしまえば少しは楽なのかも。
 そう思っていると、彼女の最後の布が退かされる。

「...........................へっ、クチッ!っ ︎」

 下着は確かに退かされた。
 しかし別に何かされるでもなく、時間が経っていった。
 それに急に寒くなり、頭がグラつくなかでくしゃみが出てしまったため再び頭に痛みが走った。
 男たちが何もしてこないことが気になり、何をしているのか確かめるために恐る恐る目を開ける。

「............ん?」

 視界一杯に映るのは氷だった。


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