異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します
森の中、そして仕掛け
森の中は木々に覆われていて結構暗く、また木や茂みによって先がほとんど見えません。
葉の間から差し込む日の光で少しなら見えますけど、やはり明るい場所と比べるとかなり見え辛いです。
松明などは魔獣に自分達の場所を教えるからダメだと事前にお兄さんから聞いていたので、点していません。
森に入ってからは周りの様子を見て進んで行くので結構ゆっくりになります。
それに私達は初めてという事もあってビクビクしながら進んで行くのは、なんとも言えない感じがします。
そんなモヤモヤな気持ちのまま進んで行くけど一向に何も現れません。
これでは依頼が達成出来ません。
「あの、ゴブリンってどこら辺にいるんですか?」
「そうだね...普段はそこらかしこに居るんだけど奴らはそう簡単には姿を現さないね。相手が一人の時や弱っている時なんかを狙って襲って来る」
「意外に頭良いんですね、魔獣って」
「そう、まあ多分本能?の方が合っているとは思うけどね」
「成る程です」
「じゃあ、どうやって討伐するんですか?」
「うーん、手っ取り早いのだとカルトスの実を使うのが一番良いとされてるね。奴らの好物だからね。でも今の時期はカルトスの実はなかなか生らないから結構高いんだよね」
そうお兄さんは苦笑いを浮かべる。
お兄さんが高いって言うんだから私達からしたらかなりの高級品って事だから到底手が出るものじゃないよね。
カルトスの実は夏(サム)から秋(ルーフ)の上旬くらいに実るそうですので、今だと少し時期が早いようです。
「でも他にも方法があるから大丈夫だよ」
お兄さんは腰に下げている革袋から黒いゴツゴツと突起の出た実?を取り出しました。
「何ですか、それ?」
「これはゴルゴッコという実でね、ケットシーという魔獣の背中で育つ実なんだよ」
「魔獣の背中で、ですか?」
「何だか面白そう!」
全くニグはどういう感覚なんでしょうか。
実を背中で実らせる魔獣なんて不気味なだけではないですか!それ面白そうって。
「えっと、それでその実を使うとどうなるんですか?」
「基本はカルトスと同じなんだけどこっちの実はあんまり寄って来ないから結構賭けになっちゃうんだよ」
「ちなみにですが、おいくらですか?」
「これは年中採れるし、何より効率が悪いから安くて銅貨二枚くらいかな」
「銅貨二枚、ですか…報酬が一人銅貨二枚ですから一回で寄って来てもらわないと困りますね」
「いや、僕の分はいらないよ」
「そんな訳にはいきません!お世話になった上に報酬を取る訳にはいきません!」
「....!じゃあ、この実を僕が君達に売った。それ以外は関与していない、これでどうだろう?」
「どういう事です?」
お兄さんが出してくれた提案がイマイチ理解出来ません。
なので詳しく聞いたのですが、結局理解出来ませんでした。でも、きっとお兄さんが考えた案なのできっと私達が納得出来る案なのだと思います。
でもこれを他の人に訊いたらお兄さんが損をしたというのが分かりました。そしてその時の説明で自分でも理解出来ました。
お兄さんは説明を難しく、ややこしく話したのではっと言われました。
「それで良いかい?」
「「はい!」」
そしてお兄さんから受け取ったゴルゴッコの実の使い方を聴きながら仕掛けを作ります。
磨り潰したゴルゴッコの実を袋に入れて、さらにその袋内に潰したゴルゴッコの実が浸るくらいまでお酒を入れる。
これで完成です!
「じゃあこれは君が持っていてね?」
お兄さんはそう言うとニグの腰に袋を結び始めました。
「えっ ︎でもゴブリンが寄って来るんですよね?」
「そうだけど、僕達が隠れていないと現れない可能性が高いからね。それに危なくなったら僕が助けるし、何よりこんな危険な事お姉ちゃんに任せる訳にもいかないだろ?」
お兄さんがそう言うとニグはちらっと私の方を見ました。
「うん!僕、頑張ります!」
「偉いぞー、流石男の子だな」
「えへへー」
ニグはお兄さんに頭を撫でられて喜んでいます。
さっきまで涙目になっていたのは何処のどなたでしたかね?
そう笑顔になっているニグを心の中でからかいます。
そしてニグに引き寄せを頼んで私とお兄さんは近くで隠れます。私は茂みに身を潜めて、お兄さんは木に登って上から指示を出しながら隠れるそうです。
行く前から分かってはいましたがやっぱり怖いです。いつ来るか分からないのが一番怖いです。
でも私よりもニグの方が怖いはずです。だからお姉ちゃんが負ける訳にはいきません!
「「「 ︎」」」
そう覚悟した時です。茂みがガサガサッと揺れました。
その揺れがだんだんと激しくなると緑色の動く物が現れました。
そいつはの全身緑色で腰に布を巻いており、手には小さな槍を担いでいてお腹がぽっこり出ていて出べそです。
初めて見る魔獣。
当然ながら人間ではない異様なモノから来る恐怖が私を襲います。
そして自然と息が荒くなり、魔獣から目が離せません。
「ガアァァァ!」
「ひっ ︎」
ゴブリンがニグに気付いたためか槍の矛先をニグに向けたためニグの肩がビクッと跳ね上がり小さな悲鳴を上げました。
それを見て少しゴブリンが笑ったように見えました。
「ガアァァァッ!」
ゴブリンは少し走った後、飛んでニグに襲いかかります。でもニグが動こうとしません!多分恐怖で足がすくんでいるのかと。
「ニグッ ︎」
「...っ!」
私は思わず声を出してしまいました。
でもそれによってニグはギリギリの所で避けられました。横に転げたようでしたが何はともあれです。
しかし声を出した事で私の場所もバレてしまったようでゴブリンがこっち目がけて走って来ます。そしてゴブリンが飛ぶとちょうど私の頭が見えた所くらいでにいっと笑ったのです。
その卑しい顔面目がけて私は事前に掴んでいた僅かな砂を投げつけます。
予想外の攻撃だったらしくゴブリンは避ける事は出来ませんでした。
「ガァッ ︎」
「やった!
「ッ!、ガァァァァッ!」
「がぁっ ︎」
「お姉ちゃん! ︎」
当たった事に喜んだその隙にゴブリンは渾身の一撃で槍を投げ、それが私の左肩に刺さりました。
目を閉じていたため手元が滑ったのだと思いますが、それでもこの攻撃は辛すぎます。
「ああああぁぁぁぁあああぁぁぁっ!イタイイタイイタイイタイイタイイタイッ!」
「ガァァァァッ!」
槍の刺さった痛みに悶絶する私に向かって「ざまあ見ろ」と言うように声を上げるゴブリン。
「この野郎っ!!!」
「ガァァァァッ ︎」
こちらが確実に見えている訳ではなく私の声で場所を把握して顔をこちらに向けていたゴブリンにニグが剣を振り下ろしました。
その剣はゴブリンの背中を右から左へと斬り裂き、深くえぐったようで大量の血しぶきが出ました。
「はぁ....はぁ....やっ、た....」
「良く....はぁ、はぁ、やたわ....はぁ、これで、お金、もらえるね....」
「お姉ちゃん!えーと、とと、とりあえず早くお医者に行かないと!」
ニグは慌てて私に駆け寄って来ました。
息が絶え絶えの状態ですが私は口を開く。
「ダメ...よ....お金、はぁ...なく、なっちゃうもん....私なん...はぁ、はぁ....か、ほっときな、はぁ...さい」
「何言ってんだよ!そんな訳にはいかないだろ!お兄さん!お姉ちゃん運ぶの手伝ってください!...お兄さん!」
ニグが上を見上げて叫ぶけどお兄さんから返事が返ってこない。
「ねえ!お兄さん!返事してください!お兄さん!」
「ガァァァァ」
「「 ︎」」
返事のないお兄さんを必死に呼んでいると、聞き覚えのある声が聞こえました。
葉の間から差し込む日の光で少しなら見えますけど、やはり明るい場所と比べるとかなり見え辛いです。
松明などは魔獣に自分達の場所を教えるからダメだと事前にお兄さんから聞いていたので、点していません。
森に入ってからは周りの様子を見て進んで行くので結構ゆっくりになります。
それに私達は初めてという事もあってビクビクしながら進んで行くのは、なんとも言えない感じがします。
そんなモヤモヤな気持ちのまま進んで行くけど一向に何も現れません。
これでは依頼が達成出来ません。
「あの、ゴブリンってどこら辺にいるんですか?」
「そうだね...普段はそこらかしこに居るんだけど奴らはそう簡単には姿を現さないね。相手が一人の時や弱っている時なんかを狙って襲って来る」
「意外に頭良いんですね、魔獣って」
「そう、まあ多分本能?の方が合っているとは思うけどね」
「成る程です」
「じゃあ、どうやって討伐するんですか?」
「うーん、手っ取り早いのだとカルトスの実を使うのが一番良いとされてるね。奴らの好物だからね。でも今の時期はカルトスの実はなかなか生らないから結構高いんだよね」
そうお兄さんは苦笑いを浮かべる。
お兄さんが高いって言うんだから私達からしたらかなりの高級品って事だから到底手が出るものじゃないよね。
カルトスの実は夏(サム)から秋(ルーフ)の上旬くらいに実るそうですので、今だと少し時期が早いようです。
「でも他にも方法があるから大丈夫だよ」
お兄さんは腰に下げている革袋から黒いゴツゴツと突起の出た実?を取り出しました。
「何ですか、それ?」
「これはゴルゴッコという実でね、ケットシーという魔獣の背中で育つ実なんだよ」
「魔獣の背中で、ですか?」
「何だか面白そう!」
全くニグはどういう感覚なんでしょうか。
実を背中で実らせる魔獣なんて不気味なだけではないですか!それ面白そうって。
「えっと、それでその実を使うとどうなるんですか?」
「基本はカルトスと同じなんだけどこっちの実はあんまり寄って来ないから結構賭けになっちゃうんだよ」
「ちなみにですが、おいくらですか?」
「これは年中採れるし、何より効率が悪いから安くて銅貨二枚くらいかな」
「銅貨二枚、ですか…報酬が一人銅貨二枚ですから一回で寄って来てもらわないと困りますね」
「いや、僕の分はいらないよ」
「そんな訳にはいきません!お世話になった上に報酬を取る訳にはいきません!」
「....!じゃあ、この実を僕が君達に売った。それ以外は関与していない、これでどうだろう?」
「どういう事です?」
お兄さんが出してくれた提案がイマイチ理解出来ません。
なので詳しく聞いたのですが、結局理解出来ませんでした。でも、きっとお兄さんが考えた案なのできっと私達が納得出来る案なのだと思います。
でもこれを他の人に訊いたらお兄さんが損をしたというのが分かりました。そしてその時の説明で自分でも理解出来ました。
お兄さんは説明を難しく、ややこしく話したのではっと言われました。
「それで良いかい?」
「「はい!」」
そしてお兄さんから受け取ったゴルゴッコの実の使い方を聴きながら仕掛けを作ります。
磨り潰したゴルゴッコの実を袋に入れて、さらにその袋内に潰したゴルゴッコの実が浸るくらいまでお酒を入れる。
これで完成です!
「じゃあこれは君が持っていてね?」
お兄さんはそう言うとニグの腰に袋を結び始めました。
「えっ ︎でもゴブリンが寄って来るんですよね?」
「そうだけど、僕達が隠れていないと現れない可能性が高いからね。それに危なくなったら僕が助けるし、何よりこんな危険な事お姉ちゃんに任せる訳にもいかないだろ?」
お兄さんがそう言うとニグはちらっと私の方を見ました。
「うん!僕、頑張ります!」
「偉いぞー、流石男の子だな」
「えへへー」
ニグはお兄さんに頭を撫でられて喜んでいます。
さっきまで涙目になっていたのは何処のどなたでしたかね?
そう笑顔になっているニグを心の中でからかいます。
そしてニグに引き寄せを頼んで私とお兄さんは近くで隠れます。私は茂みに身を潜めて、お兄さんは木に登って上から指示を出しながら隠れるそうです。
行く前から分かってはいましたがやっぱり怖いです。いつ来るか分からないのが一番怖いです。
でも私よりもニグの方が怖いはずです。だからお姉ちゃんが負ける訳にはいきません!
「「「 ︎」」」
そう覚悟した時です。茂みがガサガサッと揺れました。
その揺れがだんだんと激しくなると緑色の動く物が現れました。
そいつはの全身緑色で腰に布を巻いており、手には小さな槍を担いでいてお腹がぽっこり出ていて出べそです。
初めて見る魔獣。
当然ながら人間ではない異様なモノから来る恐怖が私を襲います。
そして自然と息が荒くなり、魔獣から目が離せません。
「ガアァァァ!」
「ひっ ︎」
ゴブリンがニグに気付いたためか槍の矛先をニグに向けたためニグの肩がビクッと跳ね上がり小さな悲鳴を上げました。
それを見て少しゴブリンが笑ったように見えました。
「ガアァァァッ!」
ゴブリンは少し走った後、飛んでニグに襲いかかります。でもニグが動こうとしません!多分恐怖で足がすくんでいるのかと。
「ニグッ ︎」
「...っ!」
私は思わず声を出してしまいました。
でもそれによってニグはギリギリの所で避けられました。横に転げたようでしたが何はともあれです。
しかし声を出した事で私の場所もバレてしまったようでゴブリンがこっち目がけて走って来ます。そしてゴブリンが飛ぶとちょうど私の頭が見えた所くらいでにいっと笑ったのです。
その卑しい顔面目がけて私は事前に掴んでいた僅かな砂を投げつけます。
予想外の攻撃だったらしくゴブリンは避ける事は出来ませんでした。
「ガァッ ︎」
「やった!
「ッ!、ガァァァァッ!」
「がぁっ ︎」
「お姉ちゃん! ︎」
当たった事に喜んだその隙にゴブリンは渾身の一撃で槍を投げ、それが私の左肩に刺さりました。
目を閉じていたため手元が滑ったのだと思いますが、それでもこの攻撃は辛すぎます。
「ああああぁぁぁぁあああぁぁぁっ!イタイイタイイタイイタイイタイイタイッ!」
「ガァァァァッ!」
槍の刺さった痛みに悶絶する私に向かって「ざまあ見ろ」と言うように声を上げるゴブリン。
「この野郎っ!!!」
「ガァァァァッ ︎」
こちらが確実に見えている訳ではなく私の声で場所を把握して顔をこちらに向けていたゴブリンにニグが剣を振り下ろしました。
その剣はゴブリンの背中を右から左へと斬り裂き、深くえぐったようで大量の血しぶきが出ました。
「はぁ....はぁ....やっ、た....」
「良く....はぁ、はぁ、やたわ....はぁ、これで、お金、もらえるね....」
「お姉ちゃん!えーと、とと、とりあえず早くお医者に行かないと!」
ニグは慌てて私に駆け寄って来ました。
息が絶え絶えの状態ですが私は口を開く。
「ダメ...よ....お金、はぁ...なく、なっちゃうもん....私なん...はぁ、はぁ....か、ほっときな、はぁ...さい」
「何言ってんだよ!そんな訳にはいかないだろ!お兄さん!お姉ちゃん運ぶの手伝ってください!...お兄さん!」
ニグが上を見上げて叫ぶけどお兄さんから返事が返ってこない。
「ねえ!お兄さん!返事してください!お兄さん!」
「ガァァァァ」
「「 ︎」」
返事のないお兄さんを必死に呼んでいると、聞き覚えのある声が聞こえました。
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