異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します

りゅうや

ダンジョン 26階シャイニングジャクと銀髪の少女

 
 宝物庫を手に入れることが出来たおかげで次々とダンジョンを進んで行き、ボスのようなやつらを倒した時に手に入る色々な素材を入れることが出来たので余すことなく剥ぎ取りながら進んで行き、今俺は25階にいる。
 ダンジョンを進んで行く最中にお腹が空いたので迷路の途中で遭遇したゴブリンやヤマアラシネズミなどの肉を焼いて食べたあと、残った肉を試しに宝物庫の中に入れてから他の物を出してみても肉の油が付いていることはなかった。
 さっきも肉を取り出してみると熱々のままだった。多分宝物庫に物を入れると時間が止まるのだろう。
 これがここへ来るまでに宝物庫について分かったことだ。

「さて次の階へ行きますか」

 石段を降りる。もう周りの心配をしなくても良くなったので普通に降りることが出来る。
 21階に降りてから続く迷路は降りる旅に広く入り組んでいくので降りる旅に苦労している。

「今回の迷路もさらに入り組んでいてややこしそうだな」

 そう呟きながら迷路の入り口を進む。

 ______________

 数分かけてようやくボス部屋の前まで来た。ここに来るまでにも今まで倒してきた(と言っても10階までの)魔獣たちが現れたがほぼ手間をとることなく倒すことが出来た。
 そいつらの素材となりそうな物を魔眼で見て剥ぎ取り宝物庫の中に入れてを繰り返して進んで来た。
 ボス部屋の扉を開ける。
 ギィィィィィィィッ!
 ボス部屋は直径6メートルくらいの大きさの洞窟が広がっている。目に力を入れる感じで魔眼を発動させる。
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 シャイニングジャク:攻撃準備
 Lv.53
 特殊:光を貯めて放つ羽根と鋭い爪
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 キリクル臭(小)
 発症源:下
 特殊:魔獣を近付かせない
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 うん?キリクル臭って魔眼で表示されている通り魔獣にだけ効く匂いらしく、その匂いがしている間はその付近に魔獣は近寄って来ないらしい。

「下って言われても、なあ ︎」

 足元には女の子が寝転んでいた。倒れてはいるが銀長髪が腰くらいまで伸びている。髪で顔は隠れている。服はあちらこちら切れてはいるが白色の、それも少し高そうな布で出来た服を着ている。手は少し汚れているが白色の肌が見える。

「ああ、こっちは後だ。まずはあの魔獣からだ」

 女の子をまたいでシャイニングジャクへと走る。

「くえぇぇぇぇぇ!」
「うっ ︎眩(まぶ)しい ︎...ぐふっ ︎」

 シャイニングジャクの羽根が光出したので思わず目を閉じてしまった。その瞬間何かがすごい力で腹くらいにぶつかって来た。

「目が痛い!腹も痛い!」
「くえぇぇぇぇぇ!」
「うっ ︎」

 ズシャァ!
 何か鋭い物、多分魔眼でも表示されていたシャイニングジャクの爪で左の二の腕を切られた。大きく切られた訳ではなく少し切られただけだった。

「くえぇぇぇぇぇ!」
「調子付くなよ!」

 意識を集中させる。
 ダッダッダッダッダッ!
 何かが近付いて来るのが分かる。剣を構える。横に飛び剣を振る。特に切った感触はない。避けられたかな。すばしっこいやつだな。
 ...後ろから気配があり徐々にこちらへ近付いてくる。
 攻撃が当たるのをバク転で避ける。痛みが引いてきたので目を開ける。周りは薄暗い空間が広がり。上にある松明とシャイニングジャクの羽根の明かりだけが見える。どうやら魔眼が閉じているようだ。
 魔眼を使って戦うより気配で戦った方が良いな。それと今回は固有能力で乗り切るしかないな。使うのはもちろんウォーミルだ。
 だが剣の攻撃を避けた時の反応速度では触れることはまず無理だな。何とかしないとな。
 目を閉じて意識を集中させる。

「くえぇぇぇぇぇぇ!」

 ダッダッダッダッダッ!
 前から気配とこちらへ向かって来る音がする。剣を構える。突進を右に避けて剣を振る。それは案の定シャイニングジャクに躱された。
 だがまだ諦めない。気配を頼りに剣を振っていくがその攻撃全てを避けられた。敵ながら感心するほどの反射神経だな。だがその反射神経がどうなるかだな。剣で攻めたり防いだりしながらシャイニングジャクに剣に意識を集中させておく。目を開ける。
 右足に力を入れて勢い良く地面を蹴って飛ぶ。
 ドンッ!
 地面を蹴って徐々に近付いて行く。右腕の袖に隠していた小刀をシャイニングジャクの胸くらいを狙って投げる。

「くえっ ︎」
「ふっ!...ウォーミル」
「くえぇぇぇ ︎」

 シャイニングジャクがいきなり出てきた小刀に驚き避けるとさらに剣で追い撃ちをかけるがそれをギリギリで避けられた。だがその隙を突いて左手でシャイニングジャクの首を触ることが出来た。
 走って距離をとる。
 左手に勢い良く力を入れる感じでウォーミルの温度を上げる方を発動させる。

「くえぇぇぇぇ ︎」
「おお!良い匂いがしてきた」

 これぞまさに焼き鳥だな。手の力をさらに強くする。

「くえっ ︎くえっ ︎くえぇぇぇぇぇぇ ︎」

 ドンッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
 暑さに耐えきれなくなったシャイニングジャクが脚を上下に上げ下げしてからその場に倒れる。
 すぅぅぅ
 香ばしい香りが洞窟内に広がる。
 ウォーミルは水の温度を変化させるのだが肉などにも血などの水が含まれているから肉は香ばしく焼けるという何ともよく分からない能力である。

「さてこっちは何とかなったけど、あっちをどうするかだな」

 焼けたシャイニングジャクから視線をボス部屋の入り口付近に倒れている女の子へと移す。シャイニングジャクを倒すのに結構時間がかかったと思うがそれでもこの子は動かなかった。

「はぁ、しょうがない。目を覚ますまで待つか」

 目を覚ますまでに焼けたシャイニングジャクを解体しておくか。

「げっ ︎羽根のほとんどが焼けてる ︎やり過ぎたー!」

 全部の羽根を取ってからまだ羽根の毛が残っている物だけを何百本もある焼けた羽根の中から鮮明に選んでそれを宝物庫に入れる。
 次に肉だな。

 ______________

「ん...んん...ここは?」
「おっ!目覚めた?」

 解体し終わりちょうどお腹が空いたのでシャイニングジャクの肉を食べようとしたところで横から間の抜けた声が聞こえてきたので声のした方に視線を向ける。

「... ︎あなた誰!」
「待て待て剣を抜こうとするな!詳しく話すから落ち着いてくれ」
「信じない!そんなの、私を騙すための嘘に」

 グウゥゥゥゥゥゥギュルギュルギュル!
 腹の虫が大きく鳴りボス部屋に響いた。ちなみに腹の虫が鳴ったのは俺ではなく女の子の方だ。女の子の顔がみるみる赤く染まっていく。
 気まずい。

「と、とりあえずこれ食うか?毒とか入ってないからさ」
「.....」

 女の子は警戒しながらも近付いてくる。近付いてきて肉が取れる距離まで近付いたのに何故か肉を取ろうとしない。何だ?

「あの、どうぞ?」
「近づかないで!そこに置いて!」

 めんどくせー。しかしまた腹の虫が鳴って気まずくなっても困るから渋々言うことを聞いて肉を女の子の近くの地面に置く。ただし地面についた肉を人に食べさせる訳にはいかないのでここに来る途中に迷路で現れたウッドマンから剥ぎ取った木皮を敷(し)いた。
 肉には漫画とかであるような骨が付いている。女の子は俺を睨みながら地面に置いてある肉に手を伸ばして骨を部分を掴(つか)むと肉だけ持ってすぐに俺から距離をとった。
 傷つくなー。
 女の子はさっきまで自分が倒れていたところまで離れると腰に下げていた革袋から何かの粉が入った小さな瓶から粉を肉にかけだした。

「その粉って何?」
「 ︎...べギルの実をすり潰した物だけど」
「えっと、べギルの実って何?」
「べギルの実の粉は毒などの物だけに反応して色が変わるの」

 へー。ってやっぱり信用してもらえていないのね。

「大丈夫みたいね。はんっ!んん、んん。はんっ!んん、んん...」

 女の子はすごい勢いで肉を食べる。どんだけお腹が空いてたんだか。

「えっと、落ち着いた?」
「...もっと」
「え?」
「もっとちょうだい」

 まだ食うのかよ!俺も食べようと思って用意しておいた肉に手を伸ばす。

「これで良いか?」
「それで良いからさっさと地面に置け!」
「はいはい」

 もう呆れながら言うこと聞く。女の子は再び俺を睨みながら地面に置いた肉の骨を掴んで肉だけ持って距離をとりまたしても同じところまで逃げてべギル粉をかけて安全なのを確認すると肉を食べだした。

「はんっ!んん、んん、ごくん。...もっと」
「まだ食うのかよ ︎」

 結局シャイニングジャクが半分くらいまで食べられたくらいで女の子がようやく満腹になってくれた。

「で、話は聞いてくれる?」
「んん...話だけなら」

 ようやく話が進みそうだ。

 ______________

「ごめんなさい!助けてもらったのに」
「良いですよ別に。でも何でこんなところに倒れていたんだ?」
「それはですね...」

 女の子の話では騎士団たちと同じようにあの入り口から入ってその洞窟にいた魔獣を倒したら壁に穴が空いていて中を覗くと石段があったから降りて行きそのまま迷路を攻略してボス部屋のボスも倒してを繰り返してここまで降りて来たがこの部屋のボスにやられて入り口のところで倒れた時に懐(ふところ)の中に入れていたキリクル玉が地面に倒れて潰れて効果が発動したとのことだ。

「なるほどね」
「運が良くて良かったわ」
「ははっ。俺は次の階へ行くけど、君はどうする?」
「キリ ヘルクレット」
「え?」
「私の名前。君じゃなくて、キリ ヘルクレット。キリで良いわよ。これからよろしくね」
「え?これからって?」
「だから、私も付いて行くって言っているの!」
「え...えええええ ︎」
「そんなに驚かなくていいじゃない」
「えっと、キリさんってレベルはいくつなの?」
「キリで良いよ。レベルは...50よ」

 50か。確か前の階にいたボスのレベルが51だからギリギリだったんだろうな。

「ああ分かった。これからよろしくなキリ」
「ええ、こちらこそ」

 彼女は笑顔で返してくれた。
 キリ曰くシャイニングジャクと戦っていた時や俺から肉を取って食べた(言い方が悪いかな?)時に場所が分かったのはシャイニングジャクの時はキリの固有能力の『直感』で戦っていたらしい。んで、肉の時は匂いで肉の場合を見抜いたらしい。犬かな?
その話を聞いた後でダンジョンを進めていく。キリは剣の修行中らしくこのダンジョンにも修行の一環として来たらしい。剣の腕は素人の俺でも分かるくらい見事なものだ。2人でダンジョンの迷路を進めて行く途中で出会す魔獣も難なく倒せている。

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コメント

  • Kまる

    優男やな〜〜

    1
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