白の花嫁は忌龍に寵愛される
魔法学校
一回着た制服にまた袖を通す。全部着たところでノックもされず扉が開いた。
「お姉様!おはよー!」
「…おはようアンドレア」
双子の妹、アンドレア。アンドレアも制服を着ているので…髪の長さと目の色以外、全くの瓜二つである。…のに、全く違う顔に見えるのは私だけではないと思う。
アンドレアの髪の長さは肩にかかるほど。それに比べて私は伸ばしに伸ばし今はお尻が隠れるほどまで伸びている。それに無表情な私に比べていつもニコニコして愛想振りまいてるアンドレアの方が絶対に可愛らしい。
でも屋敷中が私を愛してない中、アンドレアは私をちゃんと姉として認めてくれている。私と仲良くしているのを見られる度に離されちゃうけど。
「あーん、お姉様やっぱり似合うー!クールなお姉様に綺麗でほんのり甘いワンピース…素敵!」
「…そんなことないわ。アンドレアの方が似合ってるじゃない」
「ふふっ、ありがとうっ」
アンドレアの方が本当に似合うと思うわ。まぁ私はヴィンスに似合ってると言われたから似合ってるのは確実だけれど。
さて、と。
「そろそろ行く時間でしょう?先に行ってなさい」
「お姉様も一緒に行かないの?」
「貴女が迎えに来てたなんて知られたら怒られるでしょう?だから私は少し遅れてくるわ。」
「…うん、わかった。」
こくりと頷いて玄関に向かっていったアンドレア。時間つぶしの為というか…最早さっきのは口実なのよね。ヴィンスに前もって許可してもらったから初めてのプレゼントである砂時計をカバンの奥の方に詰める。
そして手首にリボンを巻く。解けないようにしっかりと。
さて、そろそろ行こうかな。
「アンジェリーナ、アンドレアを見習いなさい。10分前に来ていたのですよ。時間はしっかりと見なさい。」
「はい…ごめんなさい、お母様」
「お母様っ、その、…お姉様が私に早く行きなさいって言ってくれて!」
アンドレア、それじゃ逆効果…
「まぁ!アンジェリーナ、アンドレアと会っていたの!?それに自分でそれを言っておいて自分が遅れかけるなんて…」
「え、ぁっ」
「…廊下ですれ違った時に言ったのです。荷物の確認をしていたので遅れてしまいました。ごめんなさいお母様」
「……まぁこれ以上言っても意味は無いし遅れてしまうわ。早く馬車に乗りなさい。アンドレアはこっちよ」
お母様はお父様とアンドレアを連れて馬車に乗り込む。私は一回り小さい馬車に1人で乗り込んだ。…あ、クッションふかふかだ……少し眠いし、…少しだけ。
「…アンジェリーナお嬢さま……まぁ」
窓に寄りかかりすやすやと寝息を立てるアンジェリーナお嬢様。白い髪が太陽に照らされ、きらきらと淡く光っているように見える。
…美しくお育ちになられて…私は嬉しゅうございますわ。
「奥様」
「何かしら。はやくアンジェリーナを…あら」
眠るアンジェリーナお嬢様を見て目を丸くする奥様。そして優しく微笑んだ。
「…少し馬車が遅れたことになさい。ただし5分だけよ」
「かしこまりました」
「……いつも冷たく当たってごめんなさいね、アンジェリーナ」
「…愛しているよ、アンジェリーナ」
奥様と旦那様が順にアンジェリーナお嬢様の額にキスを落とす。
そのあと奥様と旦那様はアンジェリーナお嬢様がお目覚めになるまで、しばらく愛おしそうにアンジェリーナお嬢様を眺めておいででした。
……アンドレアお嬢様がそれをじっと、羨ましそうに眺めていることに誰も気が付かなかった。
「お姉様!おはよー!」
「…おはようアンドレア」
双子の妹、アンドレア。アンドレアも制服を着ているので…髪の長さと目の色以外、全くの瓜二つである。…のに、全く違う顔に見えるのは私だけではないと思う。
アンドレアの髪の長さは肩にかかるほど。それに比べて私は伸ばしに伸ばし今はお尻が隠れるほどまで伸びている。それに無表情な私に比べていつもニコニコして愛想振りまいてるアンドレアの方が絶対に可愛らしい。
でも屋敷中が私を愛してない中、アンドレアは私をちゃんと姉として認めてくれている。私と仲良くしているのを見られる度に離されちゃうけど。
「あーん、お姉様やっぱり似合うー!クールなお姉様に綺麗でほんのり甘いワンピース…素敵!」
「…そんなことないわ。アンドレアの方が似合ってるじゃない」
「ふふっ、ありがとうっ」
アンドレアの方が本当に似合うと思うわ。まぁ私はヴィンスに似合ってると言われたから似合ってるのは確実だけれど。
さて、と。
「そろそろ行く時間でしょう?先に行ってなさい」
「お姉様も一緒に行かないの?」
「貴女が迎えに来てたなんて知られたら怒られるでしょう?だから私は少し遅れてくるわ。」
「…うん、わかった。」
こくりと頷いて玄関に向かっていったアンドレア。時間つぶしの為というか…最早さっきのは口実なのよね。ヴィンスに前もって許可してもらったから初めてのプレゼントである砂時計をカバンの奥の方に詰める。
そして手首にリボンを巻く。解けないようにしっかりと。
さて、そろそろ行こうかな。
「アンジェリーナ、アンドレアを見習いなさい。10分前に来ていたのですよ。時間はしっかりと見なさい。」
「はい…ごめんなさい、お母様」
「お母様っ、その、…お姉様が私に早く行きなさいって言ってくれて!」
アンドレア、それじゃ逆効果…
「まぁ!アンジェリーナ、アンドレアと会っていたの!?それに自分でそれを言っておいて自分が遅れかけるなんて…」
「え、ぁっ」
「…廊下ですれ違った時に言ったのです。荷物の確認をしていたので遅れてしまいました。ごめんなさいお母様」
「……まぁこれ以上言っても意味は無いし遅れてしまうわ。早く馬車に乗りなさい。アンドレアはこっちよ」
お母様はお父様とアンドレアを連れて馬車に乗り込む。私は一回り小さい馬車に1人で乗り込んだ。…あ、クッションふかふかだ……少し眠いし、…少しだけ。
「…アンジェリーナお嬢さま……まぁ」
窓に寄りかかりすやすやと寝息を立てるアンジェリーナお嬢様。白い髪が太陽に照らされ、きらきらと淡く光っているように見える。
…美しくお育ちになられて…私は嬉しゅうございますわ。
「奥様」
「何かしら。はやくアンジェリーナを…あら」
眠るアンジェリーナお嬢様を見て目を丸くする奥様。そして優しく微笑んだ。
「…少し馬車が遅れたことになさい。ただし5分だけよ」
「かしこまりました」
「……いつも冷たく当たってごめんなさいね、アンジェリーナ」
「…愛しているよ、アンジェリーナ」
奥様と旦那様が順にアンジェリーナお嬢様の額にキスを落とす。
そのあと奥様と旦那様はアンジェリーナお嬢様がお目覚めになるまで、しばらく愛おしそうにアンジェリーナお嬢様を眺めておいででした。
……アンドレアお嬢様がそれをじっと、羨ましそうに眺めていることに誰も気が付かなかった。
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コメント
ノベルバユーザー121098
とても面白いです。
続き楽しみにしています