シーズン2　最終話　その後

川島は元に戻ってから秘妙堂へ向かうと店主の顔を久しぶりに見た。

　薬のあった場所を見ながら全てはここから始まったんだなと思い返していた。

　もういない二人を思い出しながら秘妙堂にある商品を眺めていた。

　相変わらず不思議な店でアクセサリーやアンティークな雑貨が多い。

　不気味な薬品はおいていなかった。

　というより薬品がごっそり無くなっていた。

　このアクセサリーは木村に似合いそうだなと見渡してから薬品が無いことを尋ねる。

「薬は置かなくなったのか？」

　店主は少し驚いた。

　なぜなら薬を置いていた頃のことを知っている客が来たからだ。

「奥にあるぞい。見てみるか？　今では誰も聞いてこんから、初めて見せるがな」

　そう言って川島を奥へ連れて行った。

　あの時と同じように怪しい薬品でいっぱいだ。

　そこで、ふと、目にとまる。

　あのカプセルケースだった。

　思わず中を開く。

　中は空っぽだった。

「それはもうずいぶん前に売れてしまったわい、ケースはうちに在庫がかなりあるのだがな」

　川島が持って帰ったカプセルケースとは違うケースだったらしい。

「そうか……」

　二人のことをまた思い出して店主に礼を言って店を出た。

　もう戻らないあの日々を大切にしながら。
　
　―シーズン２　完―