【ボイスドラマ化全三部作】突然変異~mutation~【Youtube】
第二話 川島編
川島は大学の授業へは体に異変が起こる前と同様に拓馬とともに受けていた。
しかし、飲み会や合同コンパにも参加せず友人から非難を浴びていた。
あるところでは、うわさを聞くようになる。
「川島くん、女が出来たみたいよ」
そんなうわさを聞いて、木村は川島をちゃかす。
「彼女だって!」
木村はそういって笑った。川島はため息をつきながら返す。
「そんなの出来るわけないよな」
そんなある日、大学の友人の一人であるユウキが川島の住んでいるアパートに木村が入っていくところを目撃する。
木村が既に『BW』に載った後だったため、すぐにうわさは広まった。
そして、その矛先は自然とそのアパートに住んでいる川島へと向かった。
「あのアパートに木村さんが住んでるって本当か?」
ユウキは川島を見つけて足早に駆け寄ってきて聞いてきた。
「さぁ? なんか新しい人は入ったみたいだけど」
川島はしらを切った。
しかし、ユウキも強情なやつでなんとかビッグネームを持った木村に会いたいらしく、こう切り出した。
「ちょっと、今晩泊めてくれよ? なんとしてでも木村さんと会いたいんだ。そんで、オレ皆に自慢してやるんだ」
「はぁ?」
「頼むよー」
強く懇願するユウキにこれで諦めてくれたら早く騒動は落ち着くなと思い、仕方なく引き受けることにしたが、部屋には女性モノ雑貨やアクセサリーが散らばっているため、今晩は無理だといって断った。
数日後、ユウキが泊まる日がやってきた。
くれぐれもクローゼットは開けさせないようにした。
大量の女性モノの服、主にファッション業界でブランドと呼ばれるものばかりが収納されているからだ。
「よし、ここからなら良く見えるぞ!」
ユウキは双眼鏡を手に窓から外を見渡す。
川島の住んでいるのはアパートの二階で窓から正面玄関が良く見える。
酒を買い込んできてじっくり腰をすえて臨戦態勢に入った。
しかし、いくら待っても木村は姿を見せない。当然のことだが。
夜中の二時を回ったところでユウキはビール瓶片手にいびきをかいて寝始めた。
川島はようやくほっと一息つけた。
「ごめんね。こんな面倒なことになって」
木村は申し訳なさそうに言った。
「いや、こうなることまで予測し切れなかったこっちにも責任がある。謝る必要は無いよ」
そして、夜はふけていき朝になったのでユウキを起こして大学へ向かう準備を始める。
「あれ? 木村さんは?」
寝ぼけたようにユウキは聞く。
「なに、寝ぼけてんだよ。木村さんは現れなかったよ。ほら、早く起きろ! もう大学行く時間だぞ」
ユウキをたたき起こして部屋から出ると、ユウキは駆け足で隣近所の表札を見て回る。
結局、それらしき表札も見つからず、ユウキは諦めたようだった。
ようやく事が一段落したと思うと、今度は川島の部屋から川島ではない人が出てくるのが目撃される。
その人物こそ深沢だった。
「おい、あれは誰だ?」
拓馬が聞いてくる。
「あぁ。今、バイト先一緒のやつが同居しててさ」
なんとかうまくごまかすしかなかった。
「今度紹介しろよ」
「あいつ、シャイだから多分お前らとはあわねーと思うぜ。まぁ一応、声かけておくよ」
なんとかその場もしのいで、この後も深沢は川島の部屋から出てくるところが目撃されるが、何事も無かった。
問題なのは木村だった。変装して川島の部屋から出て行き、仕事場へ行く日々が続くのだった。
しかし、飲み会や合同コンパにも参加せず友人から非難を浴びていた。
あるところでは、うわさを聞くようになる。
「川島くん、女が出来たみたいよ」
そんなうわさを聞いて、木村は川島をちゃかす。
「彼女だって!」
木村はそういって笑った。川島はため息をつきながら返す。
「そんなの出来るわけないよな」
そんなある日、大学の友人の一人であるユウキが川島の住んでいるアパートに木村が入っていくところを目撃する。
木村が既に『BW』に載った後だったため、すぐにうわさは広まった。
そして、その矛先は自然とそのアパートに住んでいる川島へと向かった。
「あのアパートに木村さんが住んでるって本当か?」
ユウキは川島を見つけて足早に駆け寄ってきて聞いてきた。
「さぁ? なんか新しい人は入ったみたいだけど」
川島はしらを切った。
しかし、ユウキも強情なやつでなんとかビッグネームを持った木村に会いたいらしく、こう切り出した。
「ちょっと、今晩泊めてくれよ? なんとしてでも木村さんと会いたいんだ。そんで、オレ皆に自慢してやるんだ」
「はぁ?」
「頼むよー」
強く懇願するユウキにこれで諦めてくれたら早く騒動は落ち着くなと思い、仕方なく引き受けることにしたが、部屋には女性モノ雑貨やアクセサリーが散らばっているため、今晩は無理だといって断った。
数日後、ユウキが泊まる日がやってきた。
くれぐれもクローゼットは開けさせないようにした。
大量の女性モノの服、主にファッション業界でブランドと呼ばれるものばかりが収納されているからだ。
「よし、ここからなら良く見えるぞ!」
ユウキは双眼鏡を手に窓から外を見渡す。
川島の住んでいるのはアパートの二階で窓から正面玄関が良く見える。
酒を買い込んできてじっくり腰をすえて臨戦態勢に入った。
しかし、いくら待っても木村は姿を見せない。当然のことだが。
夜中の二時を回ったところでユウキはビール瓶片手にいびきをかいて寝始めた。
川島はようやくほっと一息つけた。
「ごめんね。こんな面倒なことになって」
木村は申し訳なさそうに言った。
「いや、こうなることまで予測し切れなかったこっちにも責任がある。謝る必要は無いよ」
そして、夜はふけていき朝になったのでユウキを起こして大学へ向かう準備を始める。
「あれ? 木村さんは?」
寝ぼけたようにユウキは聞く。
「なに、寝ぼけてんだよ。木村さんは現れなかったよ。ほら、早く起きろ! もう大学行く時間だぞ」
ユウキをたたき起こして部屋から出ると、ユウキは駆け足で隣近所の表札を見て回る。
結局、それらしき表札も見つからず、ユウキは諦めたようだった。
ようやく事が一段落したと思うと、今度は川島の部屋から川島ではない人が出てくるのが目撃される。
その人物こそ深沢だった。
「おい、あれは誰だ?」
拓馬が聞いてくる。
「あぁ。今、バイト先一緒のやつが同居しててさ」
なんとかうまくごまかすしかなかった。
「今度紹介しろよ」
「あいつ、シャイだから多分お前らとはあわねーと思うぜ。まぁ一応、声かけておくよ」
なんとかその場もしのいで、この後も深沢は川島の部屋から出てくるところが目撃されるが、何事も無かった。
問題なのは木村だった。変装して川島の部屋から出て行き、仕事場へ行く日々が続くのだった。
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