俺と妹の異世界人生

神田礫

兄と妹

「起きろー我が愛しの妹よっォ!」

「うるさい!朝からそんな大きな声出さないで驚くじゃない!」

「わっ我が妹ながら中々強いけりだな…」

そんな朝で始まった新崎家の日常、この日は土曜日で学校は休み2人の予定はまだ決まっていない。

「所でお兄ちゃん?今日何処か行く予定ある?」

パンを食べながら詩乃は隼斗に聞いた。

「いや、別に決まってないけど。…はっ!もしかして俺とデートを…」

「するわけないでしょ。」

「そっそこまではっきりと言われると何だか傷つくな、我が愛しの妹よ。」

「うっさいわ。後、愛しの妹って言うの辞めて。」

「いいじゃないか。」

「私には新崎詩乃っていう名前があ・る・の!分かった!!」

「分かったよ…詩乃。」

「う、うん。」

詩乃は兄に名前を呼ばれ照れていた。勘のいい人はもう分かっただろう。そう、この妹はブラコンなのである!

「何照れてんだよ~。ほら~なんでだ~。」

「あぁ、辞めてよもう、気持ち悪いんだけど。」

「きっ…気持ち悪い、だと。もう…俺は生きていられない。ぐすっ。妹に捨てられた。」

「あーそこで泣かない。めんどくさいなー。」

「更に追い討ち!!効果は抜群だ!!!」

そう、この兄、とことんめんどくさいのである。

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数時間後

「それで、誌乃一体どこに行くんだよ?」

まだ決まっていなかった。

「じゃあ、ショッピングモールに行きたい。」

「何か買いたいのか?下着?」

このデリカシーのなさである。
一体この男は何を考えているのだろうか。

「うっうっ、うるさい!!違うわよ!!服よ!!!」

当たり前の反応、誌乃は殺意を兄に向けていた。

「すわっ、こ…これが我が妹の殺気!」

「もう!!早く行こう!!」

ぶおぅぉぉおおおおぉぉぉお
バイクを走らせる。
実は隼斗はバイクの免許を持っていた。
バイクは父が隼斗に譲ったもの。
死んだ父はよくこのバイクを走らせていた。

「久しぶりだな!これを走らせるのは!」

「そうだね!最後いつ乗ったっけ!」

二人とも楽しんでいた。

そして着いた。
かなりの大きさのショッピングモールに2人は入っていく。

「うひゃー、休日だから人が多いは多いは。」

「仕方ないよ、それは。」

二人は歩く、はたから見たらこの二人は恋人同士ににしか見えない。
すれ違う人の視線など気にしていない二人は服の店に着いた。

「よし、我が妹の服!この俺が選んでやる!!」

「いや、私が選ぶから。」

はぁぁ、なんでこんな兄の事が好きになっちやったんだろう。

「う~ん。この服もいいがこの服もいい。クソっ、誌乃が可愛すぎてきまらん!」

「もう!辞めてよ人前で!」

あーだこーだしていると誌乃が自分で服を選ん。

「な、な、なんて可愛さなんだー!!MY Angel!!!」

変態が一人いた。
シスコンをこして変態だ。

「ばァあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁかぁーーーーーー!!!!」

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「ぐすっ、ぐすっ、痛いよ~誌乃~」

「お兄ちゃんが悪いんでしょ!」

殴られた。
痛い、さすがに痛いよ誌乃。

買い物は終わりバイクに乗ろうとした、その瞬間、視界が真っ白になった。

「な、なんだ!」

「な、何!」

周りに人は一人もいない、この場所にいるのは、あるのは、隼斗、誌乃、バイクである。

「それは驚くだろうな。いきなりこんな場所に連れて来られたのだから。」

誰かの声。
その声の主を隼斗は必死に探す、そして。

「あんた…誰だ。」

「そうだな、人間の身で天上の世界にたどり着いた者…とでも言っておこう。」

「人間の身で天上の世界にたどり着いた者?」

何言ってんだこのじいさん、意味わかんねぇ。

「単刀直入に言おう。君達に異世界に行ってもらいたい。」

は?異世界?

「何言ってんのかわかんねぇよ。だいたい何なんだよ、いきなり、異世界とか言われてもわからねぇよ!」

隼斗の反応は当然であった。
異世界。その単語は知っていても聞き慣れない。

「あの…私たちが異世界とかいう世界に行く理由はあるんですか?」

誌乃がこの状況に陥って初めて言葉を発した。

「理由…か。それを話せば長くなるが、君達は異世界に関わっている。」

異世界に関わっている?
私とお兄ちゃんが?
なんで?

「では、話してやろう。」





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