トカゲな俺の異世界迷宮生活
No.19 まさかの正体
【第一層フロアボス討伐完了】
 
【種族『トカゲ』がLv13へとアップしました】
【《変化Lv1》《転移Lv1》を修得しました】
もうもうと土煙が立ち込める中、俺はそんな言葉を脳内で聴いていた。まあ実際は、爆発の衝撃を至近距離でモロに喰らったのと、レベルアップ後の空腹で動けないのだが。
そんな身動きの取れない状態の俺のもとに、まるでス◯イダーマンのごとく糸を操るコーキが降りてきた。いや、どちらかと言えばコーキの方が蜘蛛なんだけどな。
『アニキー!無事ッスかー!?』
『おーう、何とかな………』
『あっ、そうッスか!そりゃあ良かったッス!』
『ふぅ………。お前も無事そうで何よりだよ』
互いの無事を確認して、ほっと安堵のため息を吐く俺達。最近、かなり良いコンビになってきた気がする。なんというかこう………念願の弟が出来たみたいで、結構楽しいのだ。
『ところでアニキ、何かスキル修得しました?』
『ん?えーっと、確か《変化Lv1》とか修得してたような気がするけど………』
『マジッスか!いいなー!オイラ全然スキル修得できなかったんスよー!やっぱ倒したのがアニキだからッスかね?』
『あー、多分そうかもな』
戦闘後の興奮が抜けないままに会話をする俺達。しかし、俺達はこの時忘れていたのだ。俺達には、もう1人餌として頑張った女神がいたことを。
『か・い・と・さあぁぁぁぁぁん!?』
『ぐはあっ!?』
いきなり背後から飛び蹴りを喰らった俺の身体は、壁に向かって吹っ飛ばされた。その下手人はもちろん、ボロボロの姿で仁王立ちする、小さな女神様だ。
『まったく、何やってくれてるんですか!このうら若き乙女の身体に!』
『うら若き乙女って………年齢不詳だろアンタ』
『ブフッ!だ、ダメッスよアニキ………!あっヤバい結構それツボる………ッ!』
どうやら不覚にも笑いのツボにクリティカルヒットしてしまったらしいコーキは、プルプルと身体を小刻みに揺らして必死に耐えている。
『ま、まてコーキ………ッ!笑うなよ、うら若き乙女の女神様が可哀想だろうが………っ!』
『いやいや、そーゆうアニキこそ爆笑してんじゃないッスか。ヤバい、笑いすぎてお腹痛い………ッ!』
俺達が地面を転げ回って爆笑していると、いつの間にか一言も喋らなくなったリリナさんがカッ!と鬼の形相で目を見開き―――
『殺すッ!』
『うわっ!?ちょっとまっ………ぎゃああああ!』
『ああっ!アニキが引っ掻き攻撃の餌食にーッ!』
怒りによって覚醒したリリナさんと、突発的な格闘が勃発した。フシャーッ!と怒った猫のような叫び声を上げて、リリナさんが無礼者を亡き者へと変えようと飛びかかった―――その時。
ズズ………ンと不意に地面が揺れた。
見れば、倒したハズの巨大謎モンスターの身体がシュウシュウと白煙をあげている。これはまさか………。
『こういうのって、大抵自爆しますよね』
『なんで言っちゃうんだよ!必死で目を背けてたのにさあ!』
何故か余計なことを指摘してくるリリナさん。そういうことは黙っておいて欲しかった。
『はっ、もしかしてこれ、海翔さんが謎の爆発喰らわせたからなんじゃ!?ちょっと、何てことしてくれたんですか!』
『知ーるーかっ!そもそもアレは魔晶石の化学反応的なヤツをなんやかんやした、俺の頭脳的一撃だぞ!』
『説明出来てないじゃないですか!』
『とにかくアレをこう………上手いカンジに調合してやると爆発物になんだよ!』
我ながら何言ってるかサッパリな説明。だがまあ、この際そこは置いといてだ。まず最優先は例の謎モンスターの爆発である。
『とにかく逃げ一択だな』
『そうッスね!だから早く逃げましょう!?』
『いやぁーもう遅いですけどね』
『『へ?』』
リリナさんの言葉に俺とコーキが思わず間抜けた声をあげた瞬間。ボフンッ!と謎モンスターの身体が爆発した。ただし、威力が周囲に白煙を撒き散らすだけに留まったのは不幸中の幸いだったが。
そして、少し立つと煙は晴れ。謎モンスターがいた場所には、30センチほどにまで縮小されたモンスターの死骸が転がっているのだった………。
『もうなんでもアリかよ、この世界』
『これは驚きッスね………。あんなちっこいのが大きくなってたなんて。でもなんでッスか?』
『………これはアレかもしれませんね』
『知っているのか、リリナ!』
『うむ、聞いたことがある。この世界には身体を変化させるスキルが存在すると………!』
なんやかんやでノリのいい女神様としょうもないやり取りを繰り広げる俺。うーん、それにしても。身体を変化させるスキルかぁ。………ん?身体を変化?
『なあ、それって《変化》とかいうスキルじゃないよな?違うよな?』
『ああ、確かそうでした。よく知ってますね?』
『知ってるも何も、持ってるからな………』
どうやらビンゴだったらしい。どうやら俺は、フロアボスのスキルを2つも修得してしまったようだ。偶然とはいえ、なんたる超ラッキー!
『いよっし!この調子で魔王を………』
『殺りましょうね!』
『だから殺るって表現すんなって!』
『いいじゃないですか!事実殺るんですから』
『リリナさんまで殺る表現を使うなよ!イメージ、イメージが大切なの!』
 
【種族『トカゲ』がLv13へとアップしました】
【《変化Lv1》《転移Lv1》を修得しました】
もうもうと土煙が立ち込める中、俺はそんな言葉を脳内で聴いていた。まあ実際は、爆発の衝撃を至近距離でモロに喰らったのと、レベルアップ後の空腹で動けないのだが。
そんな身動きの取れない状態の俺のもとに、まるでス◯イダーマンのごとく糸を操るコーキが降りてきた。いや、どちらかと言えばコーキの方が蜘蛛なんだけどな。
『アニキー!無事ッスかー!?』
『おーう、何とかな………』
『あっ、そうッスか!そりゃあ良かったッス!』
『ふぅ………。お前も無事そうで何よりだよ』
互いの無事を確認して、ほっと安堵のため息を吐く俺達。最近、かなり良いコンビになってきた気がする。なんというかこう………念願の弟が出来たみたいで、結構楽しいのだ。
『ところでアニキ、何かスキル修得しました?』
『ん?えーっと、確か《変化Lv1》とか修得してたような気がするけど………』
『マジッスか!いいなー!オイラ全然スキル修得できなかったんスよー!やっぱ倒したのがアニキだからッスかね?』
『あー、多分そうかもな』
戦闘後の興奮が抜けないままに会話をする俺達。しかし、俺達はこの時忘れていたのだ。俺達には、もう1人餌として頑張った女神がいたことを。
『か・い・と・さあぁぁぁぁぁん!?』
『ぐはあっ!?』
いきなり背後から飛び蹴りを喰らった俺の身体は、壁に向かって吹っ飛ばされた。その下手人はもちろん、ボロボロの姿で仁王立ちする、小さな女神様だ。
『まったく、何やってくれてるんですか!このうら若き乙女の身体に!』
『うら若き乙女って………年齢不詳だろアンタ』
『ブフッ!だ、ダメッスよアニキ………!あっヤバい結構それツボる………ッ!』
どうやら不覚にも笑いのツボにクリティカルヒットしてしまったらしいコーキは、プルプルと身体を小刻みに揺らして必死に耐えている。
『ま、まてコーキ………ッ!笑うなよ、うら若き乙女の女神様が可哀想だろうが………っ!』
『いやいや、そーゆうアニキこそ爆笑してんじゃないッスか。ヤバい、笑いすぎてお腹痛い………ッ!』
俺達が地面を転げ回って爆笑していると、いつの間にか一言も喋らなくなったリリナさんがカッ!と鬼の形相で目を見開き―――
『殺すッ!』
『うわっ!?ちょっとまっ………ぎゃああああ!』
『ああっ!アニキが引っ掻き攻撃の餌食にーッ!』
怒りによって覚醒したリリナさんと、突発的な格闘が勃発した。フシャーッ!と怒った猫のような叫び声を上げて、リリナさんが無礼者を亡き者へと変えようと飛びかかった―――その時。
ズズ………ンと不意に地面が揺れた。
見れば、倒したハズの巨大謎モンスターの身体がシュウシュウと白煙をあげている。これはまさか………。
『こういうのって、大抵自爆しますよね』
『なんで言っちゃうんだよ!必死で目を背けてたのにさあ!』
何故か余計なことを指摘してくるリリナさん。そういうことは黙っておいて欲しかった。
『はっ、もしかしてこれ、海翔さんが謎の爆発喰らわせたからなんじゃ!?ちょっと、何てことしてくれたんですか!』
『知ーるーかっ!そもそもアレは魔晶石の化学反応的なヤツをなんやかんやした、俺の頭脳的一撃だぞ!』
『説明出来てないじゃないですか!』
『とにかくアレをこう………上手いカンジに調合してやると爆発物になんだよ!』
我ながら何言ってるかサッパリな説明。だがまあ、この際そこは置いといてだ。まず最優先は例の謎モンスターの爆発である。
『とにかく逃げ一択だな』
『そうッスね!だから早く逃げましょう!?』
『いやぁーもう遅いですけどね』
『『へ?』』
リリナさんの言葉に俺とコーキが思わず間抜けた声をあげた瞬間。ボフンッ!と謎モンスターの身体が爆発した。ただし、威力が周囲に白煙を撒き散らすだけに留まったのは不幸中の幸いだったが。
そして、少し立つと煙は晴れ。謎モンスターがいた場所には、30センチほどにまで縮小されたモンスターの死骸が転がっているのだった………。
『もうなんでもアリかよ、この世界』
『これは驚きッスね………。あんなちっこいのが大きくなってたなんて。でもなんでッスか?』
『………これはアレかもしれませんね』
『知っているのか、リリナ!』
『うむ、聞いたことがある。この世界には身体を変化させるスキルが存在すると………!』
なんやかんやでノリのいい女神様としょうもないやり取りを繰り広げる俺。うーん、それにしても。身体を変化させるスキルかぁ。………ん?身体を変化?
『なあ、それって《変化》とかいうスキルじゃないよな?違うよな?』
『ああ、確かそうでした。よく知ってますね?』
『知ってるも何も、持ってるからな………』
どうやらビンゴだったらしい。どうやら俺は、フロアボスのスキルを2つも修得してしまったようだ。偶然とはいえ、なんたる超ラッキー!
『いよっし!この調子で魔王を………』
『殺りましょうね!』
『だから殺るって表現すんなって!』
『いいじゃないですか!事実殺るんですから』
『リリナさんまで殺る表現を使うなよ!イメージ、イメージが大切なの!』
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