王子様か恋したのはお姫様ではありませんでした。

雪村 ましろ

王子の好きな人。

王子こと、篠原先輩は…ホモでした!

…違います。
花音が盛大な勘違いをしているだけです。

花音は大変な勘違いをしてしまった。
そう、凄く大変な…

「先輩、奏はですね、バームクーヘンが好きなんですよ!持っていったらすごく喜びますよー」
凄く楽しそうに奏のことを喋る花音を見て、少し顔を顰める篠原。

「それからですね〜…」
「神崎さん、分かったから…」
花音が喋り出してから実に7分が経過していた。

こんなにも長い間、話すことはありあまるも、意味の分からないことまで話す花音。
コーヒーは飲める振りして、相手がよそ見している隙に角砂糖を8個入れることから、制服の袖が7cm長いことまで。

「あ、休み時間終わっちゃう!?じゃ、頑張って下さい先輩ー!」
そう言いながら、走り去る花音。
誤解を解けない王子。

「なんだこの状況…」

でも…まぁいいか。
神崎さんと一緒にいられる理由が出来た。
僕がホモだと思われたのは…ちょっと予想外だったけど、これから頑張ろう。

僕が、好きなのは…神崎さんだから。

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