異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第173話 突然鳴った爆発音。

第173話 突然鳴った爆発音。


 放課後。全ての授業が一通り終わって、生徒たちも皆、帰る時間となった。

「ゼロ先生さよーならー!」
「おぅ。事故に合わねぇよう、気ぃつけて帰れよー。」

 ・・・最近、生徒にさようならって言われたら『気ぃつけて帰れよー』としか言ってない気がする……。まぁそれが教師として普通のこと……かな?
 ・・・何も言わないで無防備にさせるよりかは気をつけるように注意させる方が良いよな。うん。

「さて、んじゃ俺も早いところ職員室に行って帰る準備でもするかねー。」

 あ。ちなみに、ハク達はもう既にいない。どうやら他の女子生徒と一緒に帰るみたいだ。

 ・・・そう言えば、俺に告白しようとした生徒たちがやけに多かったなぁ。もしかして俺の住居を特定しようとしてたり?
 ・・・ま、そんな訳ねぇか。……違ぇよな? そんな訳ないよな? ・・・今度家に他人からは見えないようにする様な隠蔽魔法でもかけておこうかな……。

 ・・・いや、あっち側がなにか行動を起こさない限りは保留でいいかな。多分、そんなに迷惑なことはしないだろうしな。

 よし、この話やめっ! さっさと職員室行って帰る準備をしよう! うん、それがいい。

◇◆◇◆◇

 ~職員室~

「それじゃ、お疲れ様でしたー。」

「うむ、それではまた来週。」

 来週……? あ、そっか忘れてたけど明日休みか。んー、明日は何しようかねぇ? 久しぶりにハク達連れて魔物討伐とかいいかもなぁ。


 ──ゼロがそう考えていると、突然、爆発音が響いた。

「っ!? な、なにが起こったんじゃ?!」

 校長は唐突な爆発音に、辺りを見渡し、防御体制をとり、指示を出そうとする。

 そして、ゼロは爆発音に驚きもせず、ポケットからスマホを取り出す。

「あ、すいません。これ、俺のスマホの音です。」

「っ? す、すまほ?」

 少し前に悪ふざけで通話着信音を爆発音にしてたの忘れてたわ。

 校長に適当に連絡する魔道具ということだけ伝えてスマホを見る。

 着信名はなく、番号もハク達のでは無い、見たことが無い番号だった。一応、危険はないようなので、取り敢えず出てみる。

「もしもしー? どちら様ー?」

『あ、ゼロっ? 僕、ユウだけど。今ゼロって自分の世界にいる?』

 電話に出てわかった。相手は何とユウだった。

「あ、ユウか。んー、一応いるけど自宅じゃないぞ? ってかなんで俺の番号知ってるんだ?  」
『え? 普通に調べたらでたよ?』

えぇ……調べたら出るのか。俺の番号……。

「まぁいいや。それで、用件はなんだ?」
『あ、今からゼロのところ行こうと思ってたんだけど、行ってもいいかな?』
「あ? それくらいなら別にいいz「本当っ! ありがとうねっ!」」

 ・・・いや、返事をちゃんと聞こうや。なんで許可しようとした瞬間に転移してくるんじゃい。

「・・・ゼロよ。そのものは……どちら様かのぅ?」
「あ! 君がこの学園? の校長だっけ? 僕はユウ! ゼロの友達だよ! よろしくね!」
「・・・ゼロよ、説明を頼む。」

 あー、校長が額に手を当てて上を向いた。・・・そりゃ急にユウの対応を受けたらそんな感じになるわな。

「あー、さっき本人が言ってたとおり、こいつの名前はユウ。簡単に言うと神様だ。」
「………は?」
「さらに言うといっちばん偉い神様たちの主的存在。」

あ、校長の雰囲気が変わった。

「いやいやいやいや、おかしいだろ! なんでその神の主がここにいるんだよ! ってかそんな神と連絡取れるゼロ、お前って何者だよ! あとなんでお前はそんなにフレンドリーなんだよ!」

あ、なんかブロスターと喧嘩してる時みたいに若い口調になった。・・・もしかして喧嘩とかストレスとか、気分が急激に高まるとこうなるん?

「えーと、1つずつ答えると、こいつユウが今ここにいるのは多分、ただの気まぐれ。連絡取れるのは俺がこいつと知り合い、というか友人だから。フレンドリーなのもそういうこと。」
「へー! やっぱりこの校長って人面白い人間だねー! 気持ちの変化で口調が変わるなんて、そんなのあまり見た事がないよー! 」

 いや、ユウよ。そんなに校長をいじらないであげてくれ。

「あー、ユウ。取り敢えずうち来るか?」
「えっ! 本当っ!? 行く行く! 今から行こうっ!」
「うん、まぁ帰るつもりだったからそりゃ今から行くけど。・・・でもその前に。」

 俺は周りの教師陣や校長を見て権能を使用する。

「『今ここで起こったユウ関連の出来事を忘れろ』『そのことについての疑問を持つな』『俺らが行くまで一時的に気絶しろ』」

 これでよしっと。・・・さっきまでのやつは普通の人からしたら大変な出来事だからね。神降臨とか、あんまり広めない方がいいと思うし。

「へー……。ゼロはそこら辺しっかりしてるねぇ。」
「こうしないと後が大変そうだしな。・・・さて、他の生徒が入ってこの惨状を見る前に、早いところ出ようか。」
「うんー! あ、帰ったら遊ぼ戦おう!」

「あー、うん。ならさ、冒険者業とかやってみない? 多分、気に入るぞ?」
「おぉー! 良いねぇ。あ、なら僕あれもやりたい──」

 そんな感じに、ユウと雑談をしながら俺達は自宅へと帰った。

 ・・・なお、帰った直後に使用人総勢で歓迎された。
 執事がユウが来ることを予知して準備してたらしい。・・・執事っ、恐ろしい子っ!



・雑談
 はい! 前話の『久しぶりにあいつが登場っ!?』ってのはスマートフォン(通話やメール機能)のことです! どうもテトです。

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