異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第167話 諦めも肝心だと思うんだ。

第167話 諦めも肝心だと思うんだ。


 俺はユウの配下の神……長いから使い神でいいか。んで、使い神の案内の元、ユウの屋敷へと向かった。
 ・・・いや、この前も思ったけど普通の一軒家だから屋敷ってのは少し違う気がする。まぁだけど使い神達が屋敷って言ってるから、屋敷で通すけど。


 ティアを撫でたりしながら使い神について行くこと、数分。ようやく屋敷に着いたところで、使い神の1人がインターホンを鳴らした。

 ピーンポーンと音が響き、少し経つとインターホンから声がした。

「はい、どちら様ー?」

 インターホンから聞こえたのは、何故かいないと言われたユウの声だった。・・・あれ? ユウ、仕事中じゃないの?

「主様、こちらクリアです。零神主様をお連れしました。」
「あ、ゼロ来たの? わかったよー! 少し待っててー!」

 ユウがそう言うと、通話状態がすぐに終了し、屋敷の方から少しのドタバタ音が聞こえた。

「やっほー! ゼロー!」
「うん、なんで居るの?」
「えー、ひっどーい。僕ここにいちゃいけないのー?」

 いや、そういう意味じゃない。なぜ仕事中のユウがここに……って、あー……そういう事か。あれか分身の術か。

「いや、今何となく理解できたわ。おめぇ、もしくは今仕事してる方のどっちかが分身だろ?」
「おぉ、さっすがー! よく分かったね! 実はねー、昨日ゼロが分身して片方授業させてたの見てたんだー。
 さっきそれを思い出して僕も真似してみたんだー。それでこれ、すっごい便利だね! もうこれからずっと使っていこうかなー。
 ・・・あ、ちなみに今仕事をしている方が分身だよ!」

 ははは、そうかそうか。喜んでいるのなら何より……いや、ずっと仕事させるの? 酷くね?
 ってか分身使ってるんならなんで使い神達にあんな伝言したし。

「言いたいことはあるけど取り敢えずなんで分身あるのに使い神……ああ、ユウの配下の神達にあんな伝言したし。」
「あー、えーとねー。伝言した後にこれを思いだしたんだけど、また命令するのが面倒だったからゼロが着いてからでいいやー。って思ってねー。」

 ふむ、なるほど。……俺も人のことは言えねぇが、こいつの面倒くささも異常だな。・・・うん、さっきも言った通り俺も言えないことはわかってるから。だからそんな目で見るな。

「ねぇねぇ! それよりもはやいところ勝負しようよー!」
「・・・うん、そうだね。もう今更だしツッコむのも面倒だ。よし、戦おうか。」

 ・・・周りから見た俺ってこんな感じなのかな? なんとなく、みんなの気持ちがわかったわ。
 まぁ今更態度を変えるつもりは無いけどね!

「それじゃ今日はどんな所で戦おうかなー。この前みたいに何もない所がいいかなー? それとももう人が絶滅した無人の世界? それとも──」

 ・・・なんかすごい勢いでユウが考え始めたな。……うーん、一応俺も案出すか。・・・取り敢えず何も無いところは昨日俺やったし、正直言うと飽きた。

 こういう時は普段できないような街中で~〜ってのも楽しそうだよな。んーでも人がいない建造物が残った世界ってあんのか?
 ・・・あ、今さっきユウが出した無人の世界って建造物残ってたりしないかな?

「なぁ、ユウ。さっき言った無人の世界って建物系ってまだ残ってるか?」
「海底に沈んだ街とかも……あ、最初の方で言った無人の世界? えーとねー、建造物系は……うん、残ってた気がする! どうするの? そこに行く?」
「あぁ、どうせなら建造物系がある所で戦ってみてぇ。」
「わかった! じゃあそこに転移するね! 行っくよー!」
「へぁ?! 今かr」

 ユウは俺の返答を待たず、その無人の世界へと転移した。

◇◆◇

「着いたよー!」

 ・・・うん、もういいやっ! そもそも俺がツッコミをしなきゃいけないとは誰も言ってないんだし、態々やる必要も無い! 諦めよう!

「……おぉー! 確かに建造物がいい感じに残ってるな。しかも見た感じ、人が滅んでまぁまぁ経ってるみたいだねぇ。
 でも建物が倒壊する程は経ってないのか。・・・うん! 俺が望んでいたような理想的な世界だな!」
「でしょでしょー? じゃあまずは最初に世界自体に強化をかけようか! 僕らが本気を出したら本当にやばいことになるからね!」

 ユウはそう言うと、手を空に向けて権能を使った。

「えーと『世界改変:不壊不朽、自然回復、状態記憶』っと。」
「ふむ……よし、ついでに俺も手伝うか。『世界改変:範囲拡大、状態超越、強制昇華』」

 これで俺らが戦っても少しは耐えられるだろう。……やりすぎたかな? まぁ気のせいだろう。うん、気のせいだ。



・雑談
 なんか妹が熱出したみたい。それで急いで赤ちゃん用の冷えピタとか色々と買ってきましたなう。どうもテトです。

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