異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第164話 ゼロの発言が絶対に悪役な件。

第164話 ゼロの発言が絶対に悪役な件。


「一一……でぃやァッ!!」
「甘いっ。」
「うぐっ!?」

 一一ゼロは攻撃してきた生徒の剣撃をあっさりと躱し、一瞬のうちに近づいてその生徒の腹に綺麗に回し蹴りを食らわせる。攻撃を仕掛けた生徒はその一撃で気絶した。

「くそっ! また前衛隊のやつがやられた! 魔法隊! まだかっ!?」

 前衛隊の大半がやられたことで指揮官の生徒が焦り、魔法隊を急かす。

「今終わった! 『フレイムドラゴン』!」
「『コールドドラゴン』!」
「『メテオドラゴン』!」
「『プラズマドラゴン』!」
「『アビスドラゴン』!」
「『セイントドラゴン』!」
「『エレメントドラゴン』!」

 魔法隊の生徒が叫ぶとみんな一斉に竜型の魔法を放つ。ちなみに竜型の魔法は大体最高位の魔法である。

「おぉ、ここまで来ると最高位の殲滅魔法でも幻想的で綺麗だなっ! なら俺もまたあの魔法だ!『七色之竜達』!」

 ゼロの発言と同時に七色の竜が現れ、生徒達のドラゴンに体当たりして相殺・・した。

「っし、手加減の調整も完璧になってきたな。さすが俺。
 さて、んじゃそろそろこっちも終わらせるか! 『ナイトメア』!」

 ゼロが発動呪文を唱えると、生徒達は一瞬のうちに眠りにつき、顔を険しくしてうなされ始めた。

「っしと……。えーと、これで53……54人目? かな? んー……まぁいいや。
 とりあえず攻撃してきた奴らと目につく奴らを全員倒して行ってるけど、でもやっぱりこのままだと結構時間がかかるな。」

 ゼロは倒した生徒達をに転移させて一人呟く。
 ・・・そう、ゼロは倒した生徒達を全員檻に放り込んでいるのだ。……なぜ檻なのかは『捕まえた人を捉えておくならやっぱり檻の中だよね!』とのこと。

「んー、でも多分そろそろアイツらが来るかな? あっ、丁度来たみたいだなっ!」
「・・・っ!! ……やはりバレてしまいましたか。」
「・・・。」
「……本当、人間じゃないみたい。」
「やっぱりバレましたわね。」
「・・・この人やっぱり危険(ボソッ」

 ゼロが誰もいない(ように見える)空間に向けて指摘すると、勇者組御一行が現れた。

「あぁ。ってかその気配隠蔽系のスキル、多分昨日か今日くらいに獲得しただろ? 気配が完全に隠せてない。」
「はぁ……そんなことまでお見通しですか。」
「はい、そんなことまでお見通しでーす。・・・さて、雑談はここまでにして……あんまりしてないけど。・・・まぁとりあえずバトルを始めようか。」

 ゼロは自分から仕掛けた話をぶった切って戦闘態勢へと入った。そして、そんなゼロの雰囲気を察してか、勇者組も戦闘態勢へと移る。

「よし、準備いいな! んじゃ始めるぞ。・・・あ、そうだ。お前達に気配隠蔽の本領を見せてやる。……行くぞ?」

 ゼロは行くぞ、の発言の後、気配隠蔽を使用する。

「っ!! ……? ゼ、ゼロ先生? 気配消せてないですよ? ・・・動かないなら攻撃に移りますっ!」

 雲海はゼロの姿を見ながらそう言ったが、ゼロは一切微動打にしなかった。雲海もそれについて怪しんだが、直ぐに攻撃に移った。

「そう……りゃっ!?」

 そして雲海はゼロのことを切……ろうとしたが、通り抜けていき、驚いた顔をした。

「な、なんで……? 感触が……ない?」
「くくっ……。そう、これが気配隠蔽の本領だ。気配を隠して違うところにいるように見せる。原理は……自分で考えなっ。
 ・・・まぁ、俺の場合はない方が戦闘しやすいから効果は切るけどな。」

 ゼロの発言に勇者たちが転けそうになる。

「くくっ……。やっぱおめぇらの反応もおもしれぇわ。・・・さてさて、んじゃそんな勇者くん達にもっと驚いてもらうためにとある武器を使おうか。」
「・・・武器、ですか?」

 雲海はゼロの発言を聞いて警戒度を上げて質問する。

「そう、君たちにならこの武器がわかるはずだからね。」

 ゼロはそう言うと収納から銃を取り出し、雲海たちの足元に向けて放った。
 パァン、と響くような音がして雲海が数歩後ろに下がった。

「なっ!?」
「……!!」×3
「……? っ……!!」

 ゼロの新たな攻撃に雲海は目を見開き、他の勇者仲間も驚きを顔にする。・・・マルは一瞬何か分からなかったが、他の勇者のことを見て驚いたふりをした。

「な、何故。……何故、ゼロ先生が銃を……?」
「さぁ、なんでだろうな?」

 ゼロは驚いて固まっている雲海の目の前に一瞬で移動し、胸に銃口を突きつけ、撃つ。

 パァン!

「……がはっ!!」

 もちろん、それだけで雲海は死んだ……と思われたが、ゼロが銃弾に細工していたため、HPが残って気絶状態へとなった。

「なっ!?」×4

 今回はマルも含め、みんなが驚いた。・・・それはそうだろう。ゼロが細工したことを知っていなければ殺したと思っているのだろうから。

 そして、残った勇者仲間がゼロのことを睨むように見ると、ゼロがあっけらかんとした様子で他の奴らにも銃口を向けた。

「はははっ。そんなに怯えなくて大丈夫。お前らも……こいつと同じところに送るだけだから。」

 ゼロは笑顔でそう言った。・・・倒した後、全員檻に放り込むので間違ったことは言っていない。

 しかし、その発言を聞いた勇者仲間たちは顔を青ざめた。
 ・・・普通はそうだろう。ゼロの発言は何も知らずに聞いたら『お前らも殺す』と言っているのと同等なのだから。

「じゃあな?」

 ゼロはそう言うと、周囲に銃声音と断末魔が響き渡った。



・雑談
 どうでもいいけどゼロの死生観って狂ってるよね。あとゼロの性格が絶対に主人公じゃない。どうもテトです。

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コメント

  • ノベルバユーザー344070

    ラスボスぽい主人公最高です(*´∇`*)

    1
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