異世界転移は分解で作成チート
第152話 駄洒落。
一一人やエルフ、獣人などの様々な種族が入り交じり、料理や酒を楽しみながらワイワイと騒ぐ中、突如店内に怒鳴り声が響く。
「んだとゴルァァ!?」
酒や料理を楽しんでいた者達は皆一斉にその大きな怒鳴り声がした方へと顔を向ける。
「なんです? 何か違うとでも言うんですか? あと、何も考えずに怒鳴るところもあなたの悪いところですよね。
なんといいますか……単細胞?」
どうやらスキンヘッドの大柄な男と二十歳くらいの中性的な男が言い合っているようだ。
中性的な男はスキンヘッドの男を挑発するかのように失笑しながらそう言った。
「なんだとォ!? いっつもスカしたようなツラしやがってッ!! もう我慢ならねェ!!」
二人の男の周りにお店にいた客達が野次馬のように集まりだした。
「なんですか? 殴り合いでもするって言うんですか? ダメですよーこんな所で殴り合いなんかしちゃったら除名処一一」
「あァ、うるせェ!! もうこの際なんでもいいッ!! お前に先輩に対する礼儀ってのを叩き込んでやるッ!!」
スキンヘッドの男は中性的な男の忠告なんかを無視して殴りかかろうとした一一が、その時。突如パァンと、響き渡るような甲高い音が鳴った。
二人の男、いや、その周りにいた野次馬も含め、皆が一斉に音がした方へ向いた。
みんなが見たその先には、ゼロが佇んでいた一一
◇◆◇◆◇
Sideゼロ
うん、さすがにちょっとうるさいかなぁ。とりあえずお店の人も困ってるみたいだし(俺も早く料理食いたいし)、手を貸そうかね。
「ここは酒を飲んだり、飯を食うところだぞ? 争いごとならよそでやってくれない?」
俺はやや呆れたようにそう言った。
「あァん!? おめェには関係ねェだろォ!?」
あぁ、やっぱり怒鳴るよねぇ。
「それと、揉め事なら冒険者ギルドの決闘場使えば? あそこならもし殴りあっても殺しはしなければ除名処分にはならなかったはずだし、ギルドは一日中空いてるしね。」
「それは本当かッ!? 嘘じゃねェだろうなァ!?」
えぇ、、普通そこ疑う? ってかこの人冒険者だよね? 普通知らん?
「よぅし、なら早速決闘場に行くぞッ!! てめェもついて来やがれ!!」
スキンヘッドの男が返事も聞かずに飛び出した。
「・・・あぁ、すぐに行きます。」
中性的なやつは溜息をつきながらスキンヘッドのやつについて行ったみたいだ。
いやぁ、これで一件落ちゃ「ッチ。」く?
……中性的なやつが俺の横を通る際、何やら舌打ちをしたような気がした。
直ぐに後ろを振り向くと、丁度扉を出るところで俺の方を睨むように見てすぐに走り去って行った。
・・・しかし、一瞬見えたあの顔。何余計なことをしてくれてんだ、って顔してたな。
「坊主! ありがとうなっ!! さっきのスカッとしたぜ!
よっし、サービスとしてさっき頼んだビグラビの唐揚げ、無料にしてやる!」
っと、もう行っちゃった奴のことはどうしようもないし、店主が感謝してくれt……って唐揚げ無料にしてくれんのか! ありがてぇ。
・・・いや、まぁ俺大金持ってるから別にこの位の値段、どうってことないけど、そういうのじゃないやん? なんか普通に嬉しいやん? 気分的なやつやん?
「お、マジっすか! ありがとうございます!」
なので俺感謝するやん? それで店主とのやり取り終えたらさっきのやつ見たやつらがなんか集まるやん?
さっきのやつスカッとしたってやつ沢山いるやん? 俺嬉しいやん? 俺含めてワイワイ騒ぐやん? 仲良くなるやん?
ワイワイしてる途中で頼んでたやつが来るやん? 食うやん?
「美味いやん。」
「うにゃうにゃん。」
ティアも俺の真似して美味いやんって言ってる。・・・可愛いねぇ。
よし、今日は気分がいい。ここは豪勢に漫画とかでよくあるあれやりますかね。
「よし! 今日は俺の奢りだ! みんな、たらふく食えぇ!!!」
『うおぉぉぉぉ!!!』
うわーお。声の密集率がパネェ。っと、みんなが騒いでるうちに先にお会計をする。多分、これを出せば普通に足りるだろう。
「ってことで店主。とりあえずこれで足りますか? あ、お釣りはいりません。」
俺は懐から白金貨を出す。
「なっ!? あ、えぇ、足りる、ます、と言うより多すぎる、ますね。」
何やら店主がワタワタと慌ただしくなった。あと拙い敬語も使い始めた。・・・あ、これってもしかして
「あ、一応言っときますけど俺、貴族じゃないですからね?」
「な。」
店主が目を点にして驚いた。・・・そりゃ確かにこんな大金をすぐに出せるくらいだから貴族だとは思うよねぇ。
「ただのしがない冒険者です。」
俺は片目を瞑って舌を出して笑う。
あ、ちなみにこの「しがない」はつまらないって方の意味じゃなくて「死がない」って方だ! だから嘘はついてないよ☆
え? 駄洒落? 寒い? 知らんなッ。
「そんな訳ね「あまり詮索はしないように」・・・はっ。・・・それもそうか。冒険者が軽々手札を見せるわけない、か。」
ほほぅ? 一言だけで静かになるとは……理解力あるやつは嫌いじゃないぞ。
「よし、んじゃこの話はこれで終わりだっ! こっからは坊主も思う存分楽しみなっ!」
「おうっ!」
一一まだまだ夜明けはこない。
・雑談
ずっと懐に入れて温めていた駄洒落をやっと出せた。・・・あ、ちなみにゼロが途中でパァンとやったのはこの前言った天の逆手ってやつです。どうもテトです。これが本来の【編集済み】
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