異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第145話 忘れていた種族設定。

第145話 忘れていた種族設定。


 俺らが決め台詞を言った後、まず先に動いたのは俺だった。

 他の、例えば脳筋とか冥龍帝とかだったら圧倒的な力差が見えているので先手は譲るが、今回は元俺ってこともあり、油断はできない。

 相手の準備が整う前に決着をつけようとして先制攻撃を仕掛けたが、さすが元俺。もう既に戦闘準備は整っていたようで、俺の攻撃を軽くいなし、カウンターを決めてくる。

 もちろん俺もただでは喰らわん。相手のカウンターに合わせて体を動かし、避ける。
 だが、凛はそんなこともお見通しで、避けたところに明確に攻撃を仕掛けてくる。

 俺は一旦この攻撃にわざと当たると同時に、遠くへ飛んで態勢を立て直す。

 だが、凛も同じで、攻撃をそのまま続けることなく、態勢を整えてしまう。

 俺らはなんの合図もなく、魔法攻撃に切り替える。

 すると、今度は凛の方から攻撃を仕掛けてきた。

 まずは小手調べというようにバレッド系を全属性分打ってきた。
火、水、土、風、光、闇、無の弾丸が一斉に俺のほうへ飛んでくる。

 俺はそれを全て対属性で相殺していく。(無には無で返した)

 そして、全てが相殺し終わると凛はすぐさま全上位属性を合成した広範囲殲滅系魔法を放ってくる。

 俺はまたも対属性の……は無いから全く同じ魔法で相殺する。

 凛は魔法だけだと相殺されて終わるだけだと理解し、今度は剣を使って切りかかってくる。
 もちろん俺も剣を構えて凛と剣戟を繰り広げる。


 訓練場には鉄と鉄がぶつかり合うようなキンキンっと甲高い音が鳴り響き、両者一歩も譲らないような戦いが続く。

 そんな、ずっと続くと思われた戦いだったが、疲労から一瞬、ほんの一瞬だけ凛の攻撃が鈍った。

 ゼロはその隙を逃すはずもなく、一気に畳み掛けるように攻撃を仕掛けた。

「ぐっ……。」

 そして、そんなゼロの連撃に耐えられる訳もなく、凛は崩れるように倒れた。
 こうしてゼロと凛の戦いは幕を開けた。

◇◆◇◆◇

「ふぅ……。」

 ……んんー、ふぅっ。やっぱたまにはこうして発散した方がスッキリするな。

 でも……今回、ユウの時と比べてかなり早く終わったな。ユウの時は決着までに結構かかったから今回もかなり長引くと思ってたんだけど……。

「くぅ……つつつ。やはり、ゼロは強いのぅ。さすがじゃの。」

 お、凛もう回復したのか。早ぇーな。

「むぅ……やはり、魔法を使った時にわかっていたが、ゼロの方が勝って終わったのぅ。」

 ・・・ん? あれ? 凛は案外早く飲み込めてる? ・・・なんでだ?

「・・・ぬ、お主、なんでこんなに早く終わったか分からぬ……といった顔をしておるな?」

「ああ。・・・さっきの言い方的に、お前はなんで早く終わったかわかるわけか? ・・・まさか、手加減でもしたというのか?」

「違う。妾も最初からかなり力を入れておったぞ?」

 うーん……じゃあ分からんな。なんで勝てたんだ?

「はぁ……。ゼロよ。お主、最初に妾の種族を創った時、何に特化してたかの?」

 え? なににか? ・・・えーと、確か魔法……だっけ? ……って、あっ。

「うむ、わかったかのぅ。つまりはそういう事じゃ。・・・しかも、お主、魔法戦で妾が最後に放ったあの魔法を一瞬で相殺したしのぅ。・・・あれ、かなり頑張って作ったんじゃけどのぅ。」

「あー……。つまり、魔法の方に特化してたのに、魔法で勝てないなら物理だったら尚更勝てるわけない、と。」

「そういうことじゃのぅ。」

 あ、あははー……。なんか、ごめん。

 ・・・凛の戦闘スタイル直してあげた方がいいかな? ・・・うん。今度頼まれた時にでもしてやるか。・・・今頼んでこないってことは特に変えて欲しいってことじゃないんだろうし。

◇◆◇◆◇

「まぁ俺はだいぶ発散してスッキリできたし、別にいいやー。」

「・・・はぁ、本当にお主と言うやつは……まぁ今更かのぅ。」

 ・・・なんか凛に呆れられてる気がするが、気の所為だな。うん。

「さて、んじゃ俺は部屋に戻ってるわ。じゃあなー。」

「うむ。ではまた戦おうぞ。」

「んー。暇になったらねー。」

 俺は訓練場をあとにして部屋に戻った。



・雑談
 最近マックのトリチと言うやつにハマってました。あれめっちゃ美味いねぇ。あとマックってファンタメロンっての選べたんだね! どうもテトです。
博士「昨日は何曜日だった?」
テト「え? 冥曜日じゃないか。」

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