異世界転移は分解で作成チート

神無木雷兎

第137話 人工使い魔。

第137話 人工使い魔。


「一一えーと、ダウンロード・・・完了したわ! これで“動画”ってのを見られるわけね!」

「ああ。そういう事だ。・・・ってかリミィ。おめぇの理解力すげぇな。・・・これが所謂天才って分類か?」

 やぁ。いつもの如くゼロだぜ。
 今はリミィにスマホの使い方をあらかた教えた後、とりあえず某動画アプリを教えてたところだ。

 んで色々と教えててわかったんだが、リミィって近未来系(リミィからしたら)の道具の理解力も凄まじいようだ。

 普通、もう少しかかると思ってたんだがなぁ・・・いやぁ、リミィの理解力、侮ってたわ。

「え、そ、そうかな? ゼロの教え方が上手いからじゃない?」

 俺が褒めたらリミィがやや恥ずかしそうに照れてそう言った。

「いや? っつか、俺大したこと教えてないし、多分おめぇの元からの素質的なやつだろ。・・・本当、すげぇよなぁ。」

「え、えへへー。そうー? ふへへー」

 リミィが俺に褒められ、身体をくねらせながらいやんいやんとしていると、突然ハッと何かを思い出したようでバッと俺の方を見た。

「あ、そうだ! ゼロ! この前の宿題なんだけど!」

 宿題? ………あ。忘れてた。確か人工魂とか自立魔術式とかのやつだっけ?

「おう? あれがどうかしたか?」

「うん! あの術式とかを使って使い魔作ってみたの! それでゼロに見て欲しくて!」

 ほほぅ。それは楽しみだな。・・・ってか使い魔作ったのね。・・・そういえばたしかに欲しいって言ってたな。

「おう、そうなのか! なら是非見せてくれ。」

「うん! 呼んでくるから待ってて!」

 リミィはそう言うと部屋から退出した。
 とりあえず待ってる間も暇なのでいつもの如くスマホをいじった。


〜数分後〜

「ゼロ、戻ったわ!」

「クェ〜。」

 リミィが部屋に戻ってくると同時に、リミィの腕に乗っていた煌びやかな鳥(恐らく使い魔)が部屋を一周した。周り終わるとリミィの腕へ戻っていった。

 一一ふむ。赤を主体としたカラフルな体毛、長い尻尾、溢れ出る神々しさ。・・・見た感じ鳳凰とかフェニックスって言ったところか?

「えっへん! 凄いでしょ! うちの古文書に載ってた大きくて綺麗な鳥を真似したのだけど。・・・どう、かな?」

 リミィは胸を張って自慢したあと、やや不安そうに言った。

「ふむ。・・・大きい割に外見の細部とか体内の術式やコアもかなり精密にできてる。自立魔術式も安定してる。人工魂はやや粗が見えるけどそれも誤差範囲。
 ・・・うん、完成度も高いし俺の目から見てもかなりの傑作とも言えるね。・・・本当にリミィ凄いねぇ。」

「本当っ!? やったァ!!」

 俺が見て思ったままの感想を言うと、リミィは飛び跳ねて喜んだ。
 ・・・あ、リミィが跳ねたことでリミィの腕に乗った鳳凰(推測)が羽を広げて慌ててる。

「クワェッ!?」

「あっわととと。・・・あははー、ごめんねー、フェイ。」

 ふむ。フェイって名前なのか。

「リミィ。フェイってのがこいつの名前か?」

「うん! いい名前でしょ! あ、ほら、フェイ。この人が貴方を作るきっかけになったゼロよ! 挨拶してー。」

 リミィがそう言うと、フェイは俺の方を向き、頭を下げて鳴いた。

「クェェ。」

「おぉ。言葉を理解してるのか。さすがリミィ、すげぇな。」
 まぁ、術式と魂見てわかってたが、一応驚いておく。

「えへへー。そうでしょー! 術式組むの頑張ったんだから!」

「おう、本当に尊敬するわ。」

「ふへへぇー、ありがとー!」

 ・・・褒めすぎたせいか、リミィの顔が放送できないくらいに蕩けたわ。

「・・・っと、そろそろ授業に戻るか。・・・あ、そうだ。どうする? フェイも一緒にいさせるか?」

「一一っと、え、ええ。そうするわ。」

 俺の一言でリミィは少し正気を取り戻したようだ。・・・リミィ、あまり褒めすぎるといつか溶けて蒸発しそう。



・雑談
 最近、走るのがだいぶ楽になってきました。あと筋肉痛もなくなってきてスタミナもついてきてかなり健康体になってきましたどうもテトです。幸運を。死にゆく者より貴方に敬礼を。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品