第134話また忘れてた。

第134話また忘れてた。

「ふぅー。やっっっと終わったのぅ。・・・久々に疲れたのぅ。」

　一一校長の合図後、凛は大きなため息を吐きながらそう言った。

「ですね、私も久しぶりに疲れました。……武器一つ一つを扱うのは大して問題なかったのですが、数が数でしたからね。」

　ライムも凛の意見に共感する。

「うむ。ライムちゃんも凛殿もお疲れ様なのじゃ。・・・正直、我も久しぶりに疲労を感じたのじゃ。こんなこと二度とやりたくないのじゃ。」

　ハクはやや大袈裟にそう言った。……いや、疲労からかハクの目に光がなくなってるからハクにとっては大袈裟ではないのかな？

　……っと、一応俺も労っとくか。
「おぅ、おめーら。お疲れさん。
　……あ、ちなみにさっき校長に聞いたところ、これで試験は終わりみたいだ。つまりやっと家に帰って落ち着けるってことだな。」

「む、ゼロか。……そうか。やっと終わったのか。ふぅ、これでやっと家に帰れるということか。・・・うむ、今日はもう疲れたのぅ。妾は家に帰ったら一眠りとしようかのぅ。」

　俺が労うと凛がまたため息をついてそう言った。

　ははは、マジで疲れたんだな。・・・お疲れさん。ゆっくり休め。

　一一俺らの話し合いが終わると、それを見計らったかのように校長が話し出す。

「では今日の所はこれで終わりじゃ。
　後日、試験の結果を言い渡す……と、言ってももう既にわかりきっておると思うがな。
　では各自、解散じゃ。ゼロも今日のところはもう行ってよいぞ。」

　と、締め括って今回の入学試験が終わった。

◇◆◇◆◇

〜ゼロの家〜

　家に着くと、三人は見てわかるくらいに脱力をした。おそらく、さっき言ってたように相当疲労が溜まっていたのだろう。

　一応、各自別行動に移る前にもう一度労う。

「さて。とりあえず、ハク、ライム、凛、試験お疲れさん！
　あんまり長く喋るとお前らが耐えられなそうだから簡潔に済ませるが、お前らなら余裕で合格してる。安心してしっかりと休めよ！」

　俺がそう言うと、ハクとライムはすっごい笑顔になり、「うむ」「はい」と（残りの力を振り絞ったように）元気に返事をして俺の部屋に戻った。

　・・・つーか、自分用の部屋があるんだから俺の部屋のを使うんじゃねぇ。・・・まぁ別に構わないがな。

　あ、ちなみに凛は無言で頷いてそのまま部屋に戻った。

　つまり、ホールには俺が一人寂しく佇んでいることとなる。・・・うん。俺も早いとこ部屋に戻るかね。

　一一俺が自身の部屋に行こうと2階の廊下を渡っていると、突然足元に重さを感じた。

「……にゃん。」

　あ……。・・・ティアのこと忘れてた。

「あ、あははー。ごめん、ティア。すっかり忘れてたわ。」

　俺がそう言ってティアを持ち上げようと手を伸ばす。すると、ティアの目が一瞬光って伸ばした俺の腕に噛み付いてきた。

「……がぶっ！　がぶがぶっ！」

　あ、あららー、随分とご立腹のようで。・・・ごめんねー。今度から気をつけるわ。

「ごめんって、いてててて。今度から気をつけるから、ね？」

　するとティアはさらに鋭くこちらを睨む。そしてさらに強く噛む。

「いててててて」

「がぶ、がぶがぶ。がぶぶぶぶ。」

　えーと、なになに？　そう言ってこの前も連れて行かなかっただろうって？　この前？　・・・あ、一昨日のか。

「あー、ごめんって。本当に今度から気をつけるってー。いてててて。」

「うぅーー。……にゃうんっ。」

　どうやら渋々だが、許してくれたようだ。でも次はないとのことです。・・・本当に気をつけないとな。

「ありがとう。」

「にゃうん。」

　もういいよって感じかな？　本当に許してくれたようだ。

　・・・ってか超今更だけど俺よく猫語分かったね。・・・いや、でもどっちかっていうと直接意思が伝わったって感じかな？　……まぁいいや。

　・・・あ、ちなみに俺のペット判定的には人語話してないし人型でもないし全く問題は無い。意思が通じるのもファンタジーのペットではよくあるから問題ない。

・雑談
　ちなみに作者談ですが、ティアは元から考えていたネタではなく、普通に作者がド忘れてました。・・・(´>ω∂`)テヘペロ。
　あ、テトです？

・ちょいネタバレ？
　濡烏色と琥珀色って凄くいいですね！

　ここからどうしてネタバレなのか導き出せた人がいたら神レベル。