異世界へようこそ!

上級騎士アストロ

《邂逅》

.......ん...んん.....
やはりあまり深く寝れなかった。自分は起きた。
いつも自分の体を不思議に思った。たった数日すらたったてないのにこの洞窟の暗闇がよく見えるようになった。といってもさすがに鮮明にとは行かない、奥の方はおぼろげにしか見えない。しかしこの慣れは早すぎるのでは?といつも思う。自慢ではないが自分は状況対応能力が高すぎるのだ。昔友達がコンタクトを買うのを忘れ、メガネを持ってきた。だがそのメガネが強すぎた。俺は初めてそのメガネをかけたら、完全に人の顔が輪郭が崩れ、絵画にあった近眼の世界?という絵のように点でしか分からなかった。だが一時間後もう一度かけさせてと言い、かけさせて貰った瞬間、鮮明に見えるようになっていた。俺はあのとき、
”へぇメガネでもこんなに慣れるもんだな„
と言った。よくよくも何もあのとき言う前からなんでこんな慣れてんだと思っていた。こういうこともあったがさすがに予想してなかったことに対してはテンパってしまうのは仕方がないなと思った。まぁこんなことはどうでもいいかと思い、洞窟を出た。そしてもう一度あの岩に行った。そしてもう一度殴り続けた。
腕が壊れた、だが再生し、もう一度殴った。殴り続ける内に時間がたってはいたがまだ夜だった。
そして違和感を感じた。今度こそは違和感ではなく初めて感じたが威圧だと思った。周囲を見渡し、そして暗がりの森の一ヶ所に燃えている光が所々にあった。そしてそれは前に進み、月明かりがよくあたる場所に出てきたのは3mを越え、鎧を着た巨人だった。
その鎧は元は銀色だったのだろう。銀色だったのだが所々焦げておりそして未だに燃えていた。全身から燃えかすが飛んでいたが光が消え見えなくなった。そして右手に黒い剣だと思っていたが焦げた剣だった。巨人は無言のままこちらに歩いてきた。そして.......
カンッ!!!!!?????
一瞬のことで反応出来なかったが目の前には男がいた。男は巨人が振りかざした剣を受け止めていた。
男「やっと会えた、やっと見つけたこれで...これで復讐が出来る!!!!!!!」
俺は思った。兜で見えないが憤っているだがようやく会えたと嬉しさも感じてしまった。もちろん声は憤っている声なのだがな。
男「お前は離れてろっ!!!!」
俺「あ、ああ!!」
俺は離れ、どうしてあのとき動かなかったのか、考えた。そして爪を噛み、考えて分かった。威圧で動けなかった。そりゃそうだと思ったが威圧のせいで動けないのは普通に考えたら気付かないものだと分かった。
簡単に例えると「井の中の蛙」かな?カエルはヘビを見ると固まるが逆に考えるとカエル側にとってなぜ動けないのか分からないはずだ。それと一緒のように威圧を知らなかったら動けなかった理由が分からない多分。そして男と巨人の戦いがもうすでに始まっていた。
男「ハァッ!!!!」剣を切り上げた。
カンッ!!?? カカンッ!!! カンッ!
見ているこっちにも覇気かな?がはっきり伝わった。
なんとなくだが速さは男が上だが、巨人は反応速度が上だった。だから両者共に攻防戦で一歩も引けてなかった。だが.....
男「ハァハァ.....」
男は一旦離れ体勢直した。俺はやはりかと思った。
男はいくら王国最強と言っても人間だ。しかも向こう全然動いてはなく、こちらは速さでなんとかしていたようなものだ。そして向こうは国を焼き払った化け物、つまりゲームで言うレイド大規模戦闘級のモンスターだ。だからHPもスタミナも尋常じゃないそれを一人で倒そうものなら一瞬で殺されてるはずだ。だがさすが王国最強と謳われる実力だなと思った。しかし!!....巨人は動き始めたそして..
バコッーン!!!男「ッ!!??」
俺「え?」
一瞬何が起こったか分からなかっただが言えることはあるあのスピードは人智を越えていた。つまりスピードすら男より上だったのだ。だがなんとか男は攻撃を受け止めた。だが木にあたった衝撃もあって立つのがやっとだったのだ。ふらついていたが男はなんとか立ち今でも攻撃しようとしていた。だがその前に倒れてしまった。俺は男の方に走り抱えあげ、なんとか洞窟の方まで逃げた。
俺”ついてこなかったのか...„ふぅ....
男「どうして....」
「どうして俺を担ぎ上げ逃げたんだ!!!」
と男は俺の胸ぐらを掴み、叫んだ。
俺は何も言えなかった。基本的に他人の人生は他人の人生だ、見てみぬのふりではなくそいつはそいつという考えだったのだ。だからその人の人生には関わらないように行動してきた。なのに俺は他人を助けた。
もちろん最低限のことを教えたりもしたがこんなことは初めてだったのだ。そして分かった。
俺「.............俺は....俺はお前のことが大事だと思った!!!確かにたかが数日程度だったけどあの数日で俺のことを信じ、そしていろんなものを教えてくれた。しかも死んでほしくはないんだ!!!お前は復讐を終えたあとに家族の分まで精一杯生きて欲しいんだ!復讐はいい!俺が背負うだから....だから...生きててくれ....」
俺は久しぶりに泣いた。初めてここまで言ったのは誰一人も居なかったのだ。だから少し恥ずかしいと思ってしまった。そして....
男「....ああ...そうかこんなところにも大事にしてくれる人が居たのかハハッ」
「分かった、行ってこい...」
俺「分かりました。行ってきます」
俺は大きい方の剣を手に取り、森の方へ走った。
男はずっと悲しげに見ていた。



そして巨人はまだあの岩の場所に立ち止まっていた。
まるで機械のようにずっと
俺「次は俺の番だ...行くぞ!」
俺は剣を持ち、巨人の方へ走った。だが一瞬の内に殺された。痛みでそこから1歩か2歩下がった。
俺「ッ!!??」
あまりにも差が開いていた。だが俺は諦めずに戦っただが一歩も近づけなかった。約1時間経ったしかしこれが実力の差かと思い、諦めかけた瞬間、
「残念だがここまでだ。巨人....」
それは小さな剣だが貫くには十分の長さであり、後ろから攻めた男の攻撃は巨人の鎧を突き抜き、そのままおそらく心臓を貫いた。
俺「え!?」
巨人はそのまま両膝を地につけた。
だが巨人は後ろにいる男を持ち上げ、焦げた剣で男を刺しそのまま投げた。
俺「!?」
男の方に走り、そして上半身を軽く抱えた。
男「ハァ...ハァ....相変わらず....馬鹿なことをした」
俺「本当になにやってんだよ」(涙目)
男「俺の復讐はな....やっぱり俺がやるべきものだと思ってやったが...このざまだハハッ...ヒューヒュー」
俺「あんた馬鹿だ。どうしてなんだよ....」
男「そうだ俺は馬鹿だ。あの時な大事だと....言われた時....ああこんな奴がいたんだなと思った。...嬉しいかった......だがなお前にもいつか大事な人が出来るさ....別に俺じゃくてもいいはずなんだ」
俺「お願いだ。死なないでくれよ...お願いだから」
男「だからよ、そこで立ち止まらずに走れ.....」
「ああ...お前達ここで待っててくれたのか、ま..ってて...くれ....いま..す..ぐに....いく...からな.....」
そして男は死んだ。あっけなく馬鹿な人間だったことは確かだった。だが初めて目の前で人が死んだ。どうしようもない死を目の当たりにした。死んでほしくない人が結局何も出来ずに死んでいった。彼はこう思った。
”もう失うものはなくなったな„
とそして彼は男をすっと目を閉じ、そこに置いた。
彼は立ち上がりそのまま無言のまま巨人の方へ走った。



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