神も愛した無敵の悪役令嬢

赤い羊

どうしてこうなった!?


「……あれ?リオは……?」

目覚めてから、リリアが最初に発した言葉はそれだった。
リリアはぼんやりとした頭で考える。
周りを見回すと、そこには深い森……ではなく、リリアの見慣れた部屋が広がっていた。

(私の部屋……?)

リリアは、しばらくボーっと考えていたが、だんだんと頭が冴えてきたおかげで、すべてのことを思い出した。

(……そうだわ!今日は何日かしら!?)

リリアは急いでカレンダーを見る。

カレンダーは婚約破棄の1日前をさしている。
前に初めて神様にあった時と同じだった。

でも今は神様から貰った能力がある……はずだ。
リリアは基本的に、利用出来るものはすべて利用する性格だ。

「ステータスオープン」

だから、この力も利用すると決めた。

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名前   ヴィアロナ・リリアローズ

種族   人間

性別     女

年齢   15

レベル   5

魔法属性   不明

スキル   「魅力Lv10」「礼儀作法Lv10」「演奏Lv8」

固有スキル   「妄想Lv13」「チート創造」

HP   350

称号   「貴族」「神に愛されし者」

加護      「創造神からの加護」

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………相変わらずステータスがカスね。

ちなみにスキル「妄想」は、その名の通り、ただただ妄想力が無駄に高くなるという、かなり無意味なスキルである。

固有スキルはその名の通りのスキルで、習得出来たのは、ひとえにリリアの努力の賜物だ。

……それと、嫌な称号が増えていたが、気にしない。

リリアはスルーの構えである。

そんなことよりも、とリリアは意識を集中させる。

(チート七つって言われてもな……魔法を使ったことがないから、魔法創造とかどうかしら…?)

出てきたステータスの「チート創造」をタッチし、魔法創造と呟く。

すると、『既にこの世界に存在しているため、作ることが出来ません。』と表示された。

(あるのかよっ )

リリアは心の中で、軽くツッコミを入れた。

このスキルは何でもチートを作れる……という訳ではなく、この世界にない新しいものしか作れないという弱点があった。

逆に何でも作れたら、一瞬で世界最強になれてしまう。
そのへんを神様なりに一応・・、考慮しているのかもしれない。

うーん、今持ってるスキルを生かせないかしら…

リリアは頭を捻る。

そして思いついてしまう。「妄想」を活かした、素晴らしいチートを。

それからリリアは頭をフル回転させて、実用的なチートを次々生み出していった。
  
その結果がこれだ。

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名前   ヴィアロナ・リリアローズ

種族   一応人間

性別   女

年齢   15

レベル  5

魔法適性  不明

スキル   「魅力Lv10」「礼儀作法Lv10」「演奏Lv8」

固有スキル  「妄想Lv13」

創造スキル   「実体化」「成長促進」「ステータスコピー」「思考補足」「世界創造」「異能眼」「完全鑑定」

派生スキル  「思考定着」「瞬間眼」

HP   350

MP   不明

称号  「貴族」「神に愛されし者」「異能者」「もはや神を超える」

加護     「創造神からの加護」

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「…………は?」

リリアは思わずステータスを、2度見した。

一応・・人間って何よ!?っていうか称号!神を超えるって…やばいじゃないの!?)


ーーーちょっと…いや、かなりやり過ぎたようだ。

ひとしきり荒ぶった後、リリアは肩で息をしながら、げんなりとした様子で、自ら作ったチートをタッチする。


『実体化』
抽象的なものや、意識の産物を客観的にある実物にすることが出来る。妄想・想像したものを実体化する。
なお、錬成術とは違い、原料が要らず、その代わりに細部まで想像出来なければ、使うことが出来ない。

《派生スキル   あり》


『成長促進』
ステータスの成長を、通常より約10倍促進する。

《派生スキル   あり》


『ステータスコピー』
相手のステータスを見ると発動するスキル。
ステータスをコピーすることが出来る。
なお、一人に何度も使うことは出来ない。

《派生スキル   あり》


『思考促進』
思考の回転を早める・思考を共有するなど、主に思考に関する補足が可能である。

《派生スキル  あり》


『世界創造』
異空間を作ることが可能である。詳細不明。

《派生スキル  あり》


『異能眼』
異能を持つ眼のことであり、使用時には眼が紅く光る。
経験値などを積むことで、様々な異能を取得出来る。
なお、同時に異能を使うことは出来ない。

《派生スキル    あり》


『完全鑑定』
全ての物体を鑑定することが出来る。

《派生スキル  あり》


「思考定着」
このスキルを使うと、記憶しようと思ったことが、すべて刻まれる。容量に限りはあるが、記憶を整理、つまり自由に操ることができる。(相手には不可)

「瞬間眼」
常人には見えない速さが見える。
なお、思考・肉体がその速さに付いてこなければ、ほぼ無意味である。


リリアは考えていたよりもやばいチートに、あんぐりと口を開けた。

自分が何となく作ったものも、しっかりと説明や定義がついていて、何やら凄まじいことになっていた。

スキルは使う度に成長するので、これが初期段階ということがどれだけやばいのか分かることだろう。
しかも、派生スキルまであるため、さらにチートが増えることは確実だった。

つまり、リリアは完全にバグキャラになっていた。

自業自得と思いつつも、リリアは叫ばずにはいられなかった。

すなわち、

「どうしてこうなったーー!!」と。

朝の6時、まだ少し早い時刻にリリアの絶叫が響きわたった。


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