イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

寝床の確保

起きると柔らかいソファーの感触は硬くなっていた。布の温もりも消えている。代わりにあるのは大理石のひんやりとした冷たさ。ん?大理石?
床が大理石で出来ている事に気付く。それが引き金となり、微睡みまどろみから現実へ引き上げられる。上半身を無理矢理持ち上げ、辺りを見渡す。辺り一面大理石の床と所々に不規則にそびえ立つ円柱。しまいには薄く靄がかかっている。しかし明るさは十分な程にある。
「ここは、何処だ?あと5分寝てたかったな」
「ごめんね、起こしちゃって」
1番近い円柱の影から声が聞こえる。そして小さな影がひょっこりと顔を出したと思えば影は霧散した。
「やっと喋れるね」
後ろか、振り返ると既に遅く、霧散した影の欠片が漂っている。
「これ面白いね」
「前か!」
気配を感じ正面に向き直る。前には誰もいない。その瞬間、後ろから肩を叩かれる。
「いっぽん、っていうの?」
「参りました。って返すのもあるよ?」
「やっぱり面白いね、君」
猫耳白髪幼女は優しく微笑む。無邪気で、何かを孕んでいて、それでいて眩しい。どこか人間離れしていて、抱きしめたくなるような可愛さと、触れれば消えるような儚さを合わせている。そんな感想を抱いていると心を読んだのかヴィーヴルは
「触っても私は消えないよ?」
と言って俺の手を取り自分の頬に当てる。
「本当だ」
「そろそろ魔石食べてね、このままだとキツいから」
そう言って微笑む。その瞬間風が横から吹き付け、霧が濃くなる。
「ちょっと待って、もう終わり?」
俺は必死に彼女の体を掴もうとする。しかし掴もうとした体は霧と同化したように消えている。どこからか声が聞こえる。
「君にはスーツが似合うよ。ペリュトンに伝えて、変な事したら今度こそ食べるよ。って」
声が聞こえなくなり冷たい風が体を包む。手を伸ばす、風が一層強くなり目を閉じてしまう。
すぐに目を開けるが、そこには大理石ではなく、ペリュトンの顔がある。
「目が覚めたよー。リョウー!起きたよ!」
「あぁ、どうしましたか?うなされてましたけど」
「夢の中でヴィーヴルに会って…いや、会ったのかな?ただの想像かもしれないんですけど」
「そうかい、彼女はなんて?」
「ペリュトンに伝えて欲しいことがある、と。」
「なんて?」
「変な事をしたら今度こそ食べるよ。後、俺に対して何かスーツが似合う。とか」
「へぇ、スーツか。そういう事ね。剣出来たよ、あと明日は狩りに行かないかな?そろそろでしょ?」
何が・・そろそろなのかは分かった。
「じゃあ明日またここに来ますね」
赤城さんは不思議そうな顔をする。
「え?ここに住むんじゃないの?」
「え?いいんですか?」
「逆に宿とってるの?」
「いや全然なんですけど」
窓の外は既にオレンジ色に染まっている。
「決まりだネ。ヨロシク頼んだヨ」
ペリュトンは嬉しそうだ。

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