イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

現実回帰

「…」
「…」
「「ハハッ」」
「…」
「…」
気まずい。てかなんだよ、ハハッって。謎だろ、遂に頭がやられたのか…やられてたのか?何か話題を、何かあるかな、とりあえず今は食いつないでいかないと。
「赤城さんは魔王に会った事とかあるんですか?」
「無いかな、多分だけど」
「そうですか…」
いや、終わっちゃったじゃん。あと話題、話題、話題。店の名前とか
「店の名前ってどうやって決めたんですか?」
「あぁ、三丁目のティデュオさんってあれは近所で勝手に呼んでるだけだよ」
意外にも何か上手く掛けてるタイプじゃないのか。
「なら、屋根の文字は?」
「あー、あれはね、近所の子達に絵を書いて欲しかったんだけどね、上手くいかなくて自分で半自虐的に書いたんだ。」
自分の事を老害って呼ぶ行為以上の自虐があるのだろうか?200年も生きているとかなり価値観が違うのだろうか。
「赤城さんってなんか特別なスキルがあったりしますか?」
彼は怪訝そうな顔をする。
「もしかして、ですか?」
「もしかして、というのは?」
「いや、私を殺しに来たのかと。」
「そんなことしませんよ、ハハハ」
「そうですよね。こんな武器作りしか能のない人間なんて」
武器作りか…あー、繋がった。そういえばここ武器屋だったのか。気づかなかった。
「武器作るの上手いんですか?」
「人並みには、ただこの国の人にはあまりウケませんでしたが…」
へー、とりあえず武器の善し悪しが分かるようなスキルはっと、目利きか。これいいんじゃない?早速本を具現化、目次を読み終わる頃に電子音。スルーしていいね?
「いくつか見せてもらっていいですか?」
「ええ、そんなにいい物じゃないんだけどね」
「なんでワタシを無視するのサ」
「後でね、お客さん来てるから。」
幼女はほっぺを膨らませ、赤城さんの裾を掴む。すると赤城さんは観念したように棚から見たことのある、シュークリームを出して来た。幼女はそれを見てぴょんぴょんしている。微笑ましい光景だ。
「じゃあ、こっちへ。そういえばその髪は地毛なの?」
「ええ、まぁそうですね。大体は、生まれた時は少し黒が混ざってたそうです。」
「へぇ、でもかっこいいね。私みたいな中年には憧れるなぁ、」
「ありがとうございます。」
会話を交わしながら廊下を進む。通りから見たよりも奥行がある。しばらく歩いた所で角を曲がるとドアにプレートが掛かっている。

[実験室]

なんか怖い。
「さぁどうぞ」
赤城さんのにこやかな顔がさらに怖い。
「というか、さっきの、えーとなんでしたっけ?」
「ペリュトンの事かい?」
「えぇ。俺なんかのためにすみませんでした」
「いやいや、いつもこれぐらいになるとおやつあげるから。そんな謝ることは無いよ」
「では、失礼します」
扉の先には新世界が待っていた。

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コメント

  • 十虎長助

    Web小説の中では面白い方だと思う
    ノベルバ終わりそう…

    0
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