イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

絶え間なく 隙間なく

あれは今から237年と6、7ヶ月くらい前だったと思う。いや、すまんね、体は老化してないがどうも心がやられてきたみたいで。では続きを、俺はただの敗戦国にいただけのにいた将校だった。


私は当時、上陸作戦の一員だった。まぁ端的に言えば捨て駒だった。これは後から知った事ですが、日本は戦争に負けたそうですね。まぁ私は特に何か思い入れがある訳では無いのですが…
 当時は食料もろくに与えられず、休憩もろくに取れませんでした。日本は戦争に勝つ。これだけしか考えていないような軍の上層部が訓練に来る度に私と一緒に反戦について考えていた奴らは連れていかれました。彼らは親族にも会えず牢屋で死んでいったそうです。遺骨は海に流されたとか、取り敢えずそんな世の中だったんです。
ある日の事です。私は先日、息子が最前線に連れていかれたという男に会いに行きました。
彼はその町ではいわゆる権力者という奴で前から戦争には建設的でしたが、その時だけはかなり疲労していて、いつものいけ好かない態度は消えていました。
彼は私と同年代で妻がいましたが数年前に亡くなっていました。その当時では珍しい恋愛結婚で10数年共にしていたという話でした。最前線に行った彼の息子は彼と奥さんの一人息子でした。彼の話を聞いて私は最初に泣きました。彼が目の前で涙を必死に堪えていたにも関わらずです。
彼は私のいた軍の施設の建設にも関わっていました。私はそこら辺の小さな村の出身でしたから村から徴兵されていく家族同然の幼馴染が1人2人と出ていくのは悲しいのは1番身に染みていたんです。それで彼に反戦の話をしました。あなたに妻がいたように私にも想い人がいる。そんな話をしました。嘘ではなく事実としていましたからね。彼女というんですか?まぁ普通に付き合っていた娘さんがいたんです。そうしたらその男は
「私のような悲しい思いを他の人にさせる訳には行かない。是非とも協力しよう」
そう言いました。
私にはその時、週に1回だけ休息日のようなものがあってその日に彼女に会いに行くのが唯一の楽しみでした。しかし、その日だけは彼女は約束の場所に来なかったのです。そんな日もあるだろう。そう思ってその日は帰りました。彼女が風邪をひいたかも、それとも私以外の男を見つけたのか、ただその時は彼女が幸せになればなんでもいい。そう思っていたのでそれで彼女が幸せになるならばそれでもいいな。と思っていました。
しかし、この日から彼女が約束の場所に来ることはありませんでした。最後にあった日から1ヶ月後、私は彼女の家を訪ねました。彼女の家には彼女の母親だけがおり、父親はいない様子でした。そして何か暗い雰囲気で変な匂いがしました。
「お邪魔します、お父さんはいらっしゃいますか?」
すると青白い顔をして彼女の母親がこちらを向いてこう言うんです。
「お父さん、か。あの人がいたらお父さんなんて呼ぶな!とかいうんだろうね。悪いけどあの人は逝ったよ。娘は軍の人に連れていかれたっきりだよ。なんか知ってるなら教えてくれないかい?」
彼女が何を言っているのか、最初は分かりませんでした。逝った?行った?言った?入った?いった?なんでだ?軍に連れていかれた?
そして目が宙を泳いでは視界が歪んでいました。何かの匂いがする。微かにする異臭の方向を見ると、そこには何かが梁にぶら下がっていたのです。
ぶら下がっていたのは、鮭でも、干し肉でもなく、彼女の父親でした。彼の、いや、死体の口から出ていた乾燥した唾液や、排泄物から何から何までを明確に覚えています。今でも目をつぶると、あの時の淀んだ空気、異臭
、彼女の母親の何日も泣き腫らした様な赤く染まった眼球、涙袋、瞼。思い出しただけでも罪悪感に溺れてそのまま沈んでしまいそうな無力化に襲われます。
そして私が彼女の家を出た時に通りで見かけたのはあの男でした。そう言えば彼に話をしてから全ては起こった。何か関係があるのでは?いや、違う。彼は戦争推進派だったんだ。軍の上層部に私が話した事をそのまま話したかもしれない。
次の瞬間、私の推測は確信に変わりました。彼がこちらを振り向き、私に気が付くと申し訳なさそうに通りを走っていったのです。そんなことをする理由は1つ。それは無論、なら確かめるまで。私は彼を追って行きました。角をひとつ曲がった所であっさりと捕まえることが出来ました。彼はペラペラと軍の上層部に反戦の話をしたこと、彼女を事の首謀者として軍に処分してもらったこと。君に直接、害が無いようにしたんだ。だから許してよ。
そこからは記憶が途切れ途切れです。軍刀で彼を切るところ、駆けつけてきた軍警を切り捨てる所、ライフルの弾を食らいながら逃げるところ、私は結局撃たれた弾傷が原因で死にました。彼女の所にやっと行ける。そう思ったんですが、意識が途切れた後は野原にいました。これが事のあらましです。

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