イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

異世界の方が元の世界よりリアル

カウンターのお姉さんに身分証を作って欲しい旨を伝える。お姉さんは数秒間の間反応がなかったが、
「書く書類とかあります?」と聞いた瞬間にいつもの事務モードに切り替わった様ですぐに手続きの話を始めた。
「年齢の方をお聞きしてもいいですか?」
「17歳です。」
「えぇと、どこの村出身ですか?」
俺は伯爵に貰ったメモのまま読み上げた。
「ルキアンブルグ公国、ブルフィンチ村です。」
「ぶ、ブルフィンチ村ですか?」
「そうですが何か?」
「あ、いえ失礼しました。魔王領とかなり近い村ですよね、よく冒険者組合では調査のために冒険者を派遣しているのですが、かなり悲惨な状況だと聞いています。」
「すみません、あまり村の事は…」
「そ、そうですよね。すみませんでした」
受付嬢は頭を下げる。いやいや、こちらもボロが出ると危ないから。
「で、ではこちらの鉄のプレートをどうぞ。こちらが身分証になります。この国ではもちろん、隣のトリアズ帝国、あとはカルザズ共和国やアルバヌーブ人類守護府、あとは東大陸なら大抵の国で使えます。今の手続きを済ませている間に冒険者組合にも登録しませんか?街や自治体によっては通行料や色々なサービスが受けられますよ」
こういう話には裏があるものだ。しかし伯爵の護衛になるためには冒険者という立ち位置が最適なのかもしれない。話だけでも聞いてみるものだ。
「詳しく教えてもらえますか?サービスとか、あとシステムについてもなるべく確実に」
ここで甘く見てもらっては困る。少しずつ相手との間に立場の差が出来ては今後の障害になりかない。
受付嬢はカウンターのしたから説明用の資料を持ち上げる。紙の中には契約書らしきものも確認できる。なるほどなるほど?!リアルだな、おい。現実に引けを取らないじゃないか。資料の山に呆然としている間にも説明は進んでいく。
「まず成功報酬についてです。基本的には元々の表示する報酬は2割引かれたものとなっています。この2割は組合の運営費、組合が所有する建物の維持費などに使われています。また、依頼を遂行中に賞金首の討伐などのサブクエストを達成した場合はサブクエストの難度に関わらず、報酬の2倍をお支払いします。遂行中ではない時には定額をお支払いします。期限内に依頼を完了しなければ罰金として報酬の2倍をお支払いしていただきます。次に依頼の受注の仕方ですが…」
中々上手く出来てらっしゃる。ただかなりギリギリのところなのだろう。組織が肥大化して管理が追いついていない印象だ。にしてもリアル度が増したな。厨二病少年少女よ、現実逃避のためにこの世界に来るのはやめた方がいい。君らの嫌いなリアルよりもっとリアルだから。俺はこの世界も嫌いになりそうだ。いや、半分なってる。うん、家に帰りたい。あ、家ないやん。
異世界生活は前途多難なようです。

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