イタダキマス〜とりあえず魔王の手下になって世界作り直します!あれ?なんかループしてない?〜

駅構内の狂っぽー

勇者転移 side シュンタロウ ニノマエ

魔法陣の光が消え、周りでパニックになっていくクラスメイトを横目に俺はそそくさと逃げようとしていた。
「おい!待てよにのまえ!」
「勝手に俺の名前を呼ぶな、西川」
「お前はクラスメイトだろ?そんなの当たり前だよ」
「知らないがほっといてくれ。あとくれぐれもホットミルクにご用心を。」
「は?お前何言ってんだ?」
ホットミルクに毒が入ってんだよ!気づけよ、鈍感か、そう言えばクラスメイトの中に金澤だけがいない。アイツどこいったんだ、先を越されると困る。とにかくこれで4回目・・・だ。失敗は許されない。俺は時間旅行者タイムトラベラーだ。正確には祖父の遺品と偽っているこの懐中時計型のアーティファクトで繰り返しこの出来事を体験している。今回が4回目で2回目、3回目に俺は奴隷になり、アーティファクトの最終機能オーバードライブである特定のワードを呟いたと同時に時間を指定したところまで巻き戻す最終機能を使い戻ってきた。王城にいてはいけない。3回目の後半に王城周辺の雑貨街に姿形を持たない異形の者がいるという噂を聞いた。その者の力は自分の望むことを叶えること。ただ7年に1度しか叶えられないらしい。今日はその7年目、早い者勝ちだ。そしてこの4回の時間逆行で3回目まで共通しているのが俺のユニークスキル〜同化〜1回しか使えない、相手のスキルとステータスを自分に上乗せする。時間逆行でも自分の状態は変化したらその未来を変えることが出来ない。つまり実質1回しか使えないのだ。ほんとに。だからこそ、異形の者と同化する。そして後は考えてない。ひとまず魔王との戦争で人間側を勝たせてはいけない。開戦は1ヶ月後だ。失敗は許されない。そのためにも金澤がキーマンなんだ、異形の者が出るポイントの近くまで来た。
「これそこの人、」
追っ手か?
「わしを探しとるのかね?」
「いや、違いま、、、す?!」
老人がローブを少しめくると、うねうねとしたタコの足のような物が蠢いていた。老人の顔を見上げると彼はニッコリと微笑み手招きをし、路地へと足を進めた。
俺は彼について行った。ある程度まで行くと急に光が差し込んできた。そこには小さな花園と言うべきか、満開の花が風に揺れていた。
「あぁ、君には見えるのかこの花が」
「えぇ、とても綺麗です。」
「なら早くしたまえ。スキルを使うのだろう?」
「な、何故それを?」
この老人ただ者ではないな。交渉にはひと手間かかると思っていたがそうでもないようだ。
「私は超越者ユダ、今はただの老害さ」
「なぜ俺の考えていることが?前に会っていたとしても記憶は俺にしか残らないはず」
「百聞は一見にしかず、時間がないんだろう?」
そう言ってユダはこちらに手を差し出す。2mは超えているであろうユダの身長と少し開いたローブの奥に蠢く触手が不気味ではあるが背に腹は変えられない。俺はユダの手を握る。そして叫ぶ。
「スキル〜同化〜発動!!」
ユダは声1つあげず光になり俺の中になだれ込んでくる、ユダの記憶が、力が、スキルが。ユダの記憶は断片しか入ってこない。最初は金髪の女の子と遊んでいる場面。次は竜が女の子を食べている場面。ユダが泣いている、そして実験を繰り返しているのだろうか?宝石を繰り返し飲み込んでいる。そうして宝石を吐き出す。そこで記憶は終わった。1つの自覚が体を包む。思い出した。花園の真ん中でしゃがんで泣いている。これは俺だ。時間逆行の定点はこちら側の時間に指定したんだ。思い出した。そうして1人の超越者は夕日を背に歩き出した。

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コメント

  • 駅構内の狂っぽー

    あまり良くわからないのですが、フリーの画材(言い方が分からないです)のサイトで拾ってきました。一応利用規約には目を通しています

    10
  • 執行No.465

    表紙?の絵はなんですか?誰の絵なんですか?
    あとTwitterのユーザー名らしきものが書かれてますが無断使用ですか?許可は取ったのでしょうか?

    5
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