俺、異世界でS級危険人物に認定されました
早速魔王の子供呼ばわりされました 6
「ふ、ふん! たかが少し力を付けたくらいで、このモンスターの軍勢一万と戦おうなんて絶対に無理だ!」
「お前を先に殺せば統率は取れなくてモンスター共はバラバラに動くだろ。だから、お前から倒す」
「やれるものならやって……」
ハルの力を認めず、手を拱いて余裕ぶっている魔族の相手の目の前へと一瞬で移動する。
渾身の一撃を顔面にお見舞する。が、その攻撃は空振りとなる。
「なんだ?」
「そう簡単にやられはしない」
後に回られ、反応に遅れる。何も考えず、創作能力で自分の体の周りにバリアを作る。
相手の攻撃を間一髪で防ぎ、一旦距離をとる。そのやりとりの間、モンスター達が町へ向かっていくのが見え、腕を横に振り抜き、カマイタチを再び作ってモンスターの行進を遮る。
「チッ……貴様、何者だ? この私にここまで本気にさせる奴はこの世界では初めてだぞ?」
「お前、最初猫被ってやがったのか……弱いふりして、油断させて殺す戦法ってところか……」
「人間、貴様は面白いヤツだ。名前を教えろ」
「ハルだ」
「ハル……覚えておこう。私は魔王様の下僕、ウルトラだ」
「……で、お前はなぜこの町を狙った? 人間の真似をしていたのも何故だ?」
「お前に教える義理などない」
ハル対ウルトラと残りモンスター数千。傍から見れば、どちらが勝つかなんて一目瞭然だろう。ただ、ハルは転生者であり、特典を得ている。それだけで、形成など幾らでも覆せるのだ。
「創作能力でまずは逃げ場を塞ぐとしますか」
そうハルが独り言を言うと、モンスターパレードを囲むようにして、石の壁が全てを覆い尽くす。
「な、なんだ!?」
ウルトラは何が起きているのかわからず、何も動けない。
「次に、ドーム内壁に射出型の槍を付ける」
壁からバキバキと槍が頭を出し、無数の槍が現れる。
わざとハルのいる方が逃げ道になるよう、少しだけ穴を開けたそのドームは、モンスターパレードの行進を完全に停止させる。
「こ、こんなドーム、壊してしまえ!」
モンスターにそう命令したウルトラだったが、そんなものは無意味だ。
「槍、射出!」
その言葉で槍が放たれ、ドーム内で無残なモンスターの断末魔と、ウルトラの必死の喚き声が聞こえてくる。
「こ、こんな能力聞いたことがない! 魔王様以上ではないか! こ、これはいち早く報告しなければぁ!」
魔王と同じか……もしこれが見られてたら俺も魔王呼ばわりとかされるんだろうなぁ……。
ウルトラは、必死に射出される槍を防ぎ、出口に向かって一直線に猛スピードで向かってくる。
 
だがその先には……。
「いらっしゃいませー」
「く、クソがァァァアアアア!」
顔が出た瞬間、ハルの全力の一撃が、顔面にクリティカルヒットし、頭が弾け飛ぶ。その後、とてつもない暴風が巻き起こり、ハルが作ったドームは粉砕される。
「や、やべ。やりすぎちった」
風も止み、辺りを見回りしてみると、そこは地獄絵図のような状態だった。
モンスターの無数の亡骸に、ボコボコになった大地。そこに一人立つ、ハルの姿は、少し恐ろしく見える。
「ま、魔族が手を出してきたって事は、ここから先何が起こるかわからないよな……」
溜息をつき、両手をだらんと下げながら町へ戻る。中は、思ったより静かだった。
中心部へ向かうと、セイヤとミナと出会う。
「おお、ハル! 無事だったのか!」
「心配したのよ? 怪我はない?」
「だ、大丈夫だよっ! ……で、そろそろ離れて? 恥ずかしい」
二人はハルにこれでもかと言うくらいの力を込めハグをする。
「町の人の誘導はしっかりとした。お前もしっかりとやりとげたな?」
「あたりめーだ! 誰も見てなかったから伸び伸び戦えたよ!」
「「…………」」
「あれ、待って? なんで黙っちゃうの?」
「いやな……それがさ……」
「まーさーかーのー?」
「みんな、お前の戦いを見てました」
「俺、この町から出ます」
そんな事を話していると、以前声をかけてきた女冒険者がこちらへ来る。
「あっ……! お前は魔王の子供!」
「ちょっと待て。その言われようはおかしくね?」
「何を言うか! ものを作る力を持ち、そしてあそこまでの戦闘! もうそうと言わずなんと言う!」
「待て待て。よーく話しを聞くんだ。それはな……」
「急いでギルドに連絡だ……この世に魔王の子供がいたと!」
「おいハル、逃げる準備は出来ている! 逃げるぞ!」
「うん……グスっ……」
「泣くな!」
それから三人は猛ダッシュで逃げ、その場を去る。
そして、この世界にこんな噂が広がっていってしまった。
"ハルと言う男冒険者、魔王の子供の容疑があるため、S級危険人物に認定する"
「お前を先に殺せば統率は取れなくてモンスター共はバラバラに動くだろ。だから、お前から倒す」
「やれるものならやって……」
ハルの力を認めず、手を拱いて余裕ぶっている魔族の相手の目の前へと一瞬で移動する。
渾身の一撃を顔面にお見舞する。が、その攻撃は空振りとなる。
「なんだ?」
「そう簡単にやられはしない」
後に回られ、反応に遅れる。何も考えず、創作能力で自分の体の周りにバリアを作る。
相手の攻撃を間一髪で防ぎ、一旦距離をとる。そのやりとりの間、モンスター達が町へ向かっていくのが見え、腕を横に振り抜き、カマイタチを再び作ってモンスターの行進を遮る。
「チッ……貴様、何者だ? この私にここまで本気にさせる奴はこの世界では初めてだぞ?」
「お前、最初猫被ってやがったのか……弱いふりして、油断させて殺す戦法ってところか……」
「人間、貴様は面白いヤツだ。名前を教えろ」
「ハルだ」
「ハル……覚えておこう。私は魔王様の下僕、ウルトラだ」
「……で、お前はなぜこの町を狙った? 人間の真似をしていたのも何故だ?」
「お前に教える義理などない」
ハル対ウルトラと残りモンスター数千。傍から見れば、どちらが勝つかなんて一目瞭然だろう。ただ、ハルは転生者であり、特典を得ている。それだけで、形成など幾らでも覆せるのだ。
「創作能力でまずは逃げ場を塞ぐとしますか」
そうハルが独り言を言うと、モンスターパレードを囲むようにして、石の壁が全てを覆い尽くす。
「な、なんだ!?」
ウルトラは何が起きているのかわからず、何も動けない。
「次に、ドーム内壁に射出型の槍を付ける」
壁からバキバキと槍が頭を出し、無数の槍が現れる。
わざとハルのいる方が逃げ道になるよう、少しだけ穴を開けたそのドームは、モンスターパレードの行進を完全に停止させる。
「こ、こんなドーム、壊してしまえ!」
モンスターにそう命令したウルトラだったが、そんなものは無意味だ。
「槍、射出!」
その言葉で槍が放たれ、ドーム内で無残なモンスターの断末魔と、ウルトラの必死の喚き声が聞こえてくる。
「こ、こんな能力聞いたことがない! 魔王様以上ではないか! こ、これはいち早く報告しなければぁ!」
魔王と同じか……もしこれが見られてたら俺も魔王呼ばわりとかされるんだろうなぁ……。
ウルトラは、必死に射出される槍を防ぎ、出口に向かって一直線に猛スピードで向かってくる。
 
だがその先には……。
「いらっしゃいませー」
「く、クソがァァァアアアア!」
顔が出た瞬間、ハルの全力の一撃が、顔面にクリティカルヒットし、頭が弾け飛ぶ。その後、とてつもない暴風が巻き起こり、ハルが作ったドームは粉砕される。
「や、やべ。やりすぎちった」
風も止み、辺りを見回りしてみると、そこは地獄絵図のような状態だった。
モンスターの無数の亡骸に、ボコボコになった大地。そこに一人立つ、ハルの姿は、少し恐ろしく見える。
「ま、魔族が手を出してきたって事は、ここから先何が起こるかわからないよな……」
溜息をつき、両手をだらんと下げながら町へ戻る。中は、思ったより静かだった。
中心部へ向かうと、セイヤとミナと出会う。
「おお、ハル! 無事だったのか!」
「心配したのよ? 怪我はない?」
「だ、大丈夫だよっ! ……で、そろそろ離れて? 恥ずかしい」
二人はハルにこれでもかと言うくらいの力を込めハグをする。
「町の人の誘導はしっかりとした。お前もしっかりとやりとげたな?」
「あたりめーだ! 誰も見てなかったから伸び伸び戦えたよ!」
「「…………」」
「あれ、待って? なんで黙っちゃうの?」
「いやな……それがさ……」
「まーさーかーのー?」
「みんな、お前の戦いを見てました」
「俺、この町から出ます」
そんな事を話していると、以前声をかけてきた女冒険者がこちらへ来る。
「あっ……! お前は魔王の子供!」
「ちょっと待て。その言われようはおかしくね?」
「何を言うか! ものを作る力を持ち、そしてあそこまでの戦闘! もうそうと言わずなんと言う!」
「待て待て。よーく話しを聞くんだ。それはな……」
「急いでギルドに連絡だ……この世に魔王の子供がいたと!」
「おいハル、逃げる準備は出来ている! 逃げるぞ!」
「うん……グスっ……」
「泣くな!」
それから三人は猛ダッシュで逃げ、その場を去る。
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