俺、異世界でS級危険人物に認定されました
早速魔王の子供呼ばわりされました 4
チラリと外を除くと、扉の前で幾人もの冒険者が武器を持って待ち構えている。
あらら、皆さん気が早いですよ。僕はまだ魔王の子供と決まった訳ではありません……よ?
それに気づいたのか、セイヤもコーヒーを飲みながら、「大丈夫だろ」と、コーヒーカップを持つ手をブルブル震わせながら言う。
「なんとかしなきゃなぁ……あっ、一つ案がある」
「お? それは期待してもいいのか?」
「任せろ。俺の特典が役に立つ時がきた」
カランカランとドアを開くと音がなり、そちらの方向をその場の全員が振り向く。だが、出てきたのはスキンヘッドにサングラスを掛けた別人。皆は、抜きかけた剣や杖を収める。
「どうだ? 俺の特典は優秀だろ?」
「ああ……でも何でスキンヘッドなの?」
「一番怪しまれないからだ」
ーーそれは五分前の事。
「で、その特典とは?」
「俺は何でも作れる能力を貰った。だから、その能力でカツラを作る」
「で、それを被って何事もなく逃げると?」
「その通り。どーよ?」
「面白い。やるか」
そして今に至る。
「だがよ、お前ますます怪しまれるかもな」
「ん? なんでだ?」
「嫌だって、前回の魔王は創作能力持っていてな、何でもでは無いが、モンスターや魔界とかは作る事が出来たって聞いたことあるぞ?」
「それ早く言ってくんない? 俺もうこの町から出たいんだけど?」
「今は出れねーよ。三日我慢しろ、そーすりゃ外のモンスターパレードもいなくならぁ」
「三日!? ……よし、こうなったら……」
「空を飛ぶ道具作るなよ? それすると一発でバレるぞ」
「だよなぁ……我慢するか」
その後、宿に泊まろうにも、この状況では泊まることも困難なため、壁際で野宿する事となる。
夜になり、人が外を出歩かなくなった時、ハルはほっと一息つく。
気分転換に、壁に沿ってこの町を一周しようと思い、歩き始める。セイヤは既に家に帰っているため、ハル一人だ。
歩く中所々で、壁にヒビが入っていることを見ることがあった。それは一つではなく、等間隔で同じ高さの場所に幾つもだ。
「これなんでヒビ入ってんの? これは何かを埋め込むためとかにそうなってるのか?」
いじって壊すのも良くないと思い、逆に埋めて怒られでもしたら嫌なので、何も触らずにいた。
散歩が終わり、眠くなったので、最初いた地点で寝ることとする。
そして翌日。
「おいハルー。起きろー、朝だぞー」
「ん? ……おぉ、セイヤか。おはよ」
「おはよーさん! で、眠れたか?」
「熟睡だよ。元気」
「ならよし」
「ちなみに朝の何時だ?」
「俺が家を出た時は六時だった」
「さんきゅ。で、外には相変わらず出れないの?」
「まーな。つか、外に出るにしても、行く町とか決めてるの?」
「いや、俺まだここに来て日が浅いからな。何もわからん」
「ならさ、俺と一緒に冒険しようぜ?」
「……俺でいいのか?」
「お前がいいんだよ! ハルと居ると楽しいしな!」
「わかった。ただ、一つだけ約束してくれ」
「なんだ?」
一瞬言うことを躊躇う。それもそのはず、これは勝手な思い上がりから言う言葉だから。
「もし俺が、魔王の子供と呼ばれたら、俺を見捨ててくれ」
「…………」
下を俯くハル。今セイヤは、どんな顔をしているのだろう。
了承してくれるのか、不安で仕方なかった。ただ、答えは予想とは反したものだった。
「ばーか。俺とお前はもう友達だろ? 見捨てなんかしねーし、まず魔王の子供と呼ばれようがなんと言われようが、俺は付いてくぞ?」
「なんで……」
「だから言ったろ? 友達だって。それに、魔王の子供と友達の俺ってカッコよくね?」
思わず吹き出してしまうハル。
「なんだよそれ! ……悪かったな、これからも宜しくな、セイヤ」
「おうよ!」
「その話、私も混ぜてもらっていいかしら!」
「げっ、この声は……」
「セイヤ。あんただけ抜けがけしようったってそうはいかないわ。私も連れてきなさい?」
「やっぱり……ミナ……」
赤色のロングヘア。顔は小さく、大人っぽさを放つ目。体格は、女性冒険者と呼ぶに相応しく発達した筋肉。胸元が開けている服からは、小さい胸が良く見える。
「で、そこの彼は?」
「ハルだ。俺達と同じ転生者だ」
「ふーん。ハルね。よろしく、私はミナ」
「よろしく。君は、セイヤのガールフレンドかなにか?」
「んなわけないでしょ。同時期に転生したってだけの関係よ」
「そーだぞ? コイツとだけは一緒は嫌だったのに……」
「あら、なら一緒に行ってちょっかい出しまくってあげるから、喜びなさい?」
「来るんじゃねぇ……」
どうやら、仲はいいようだ。それなら安心して冒険できるな!
あらら、皆さん気が早いですよ。僕はまだ魔王の子供と決まった訳ではありません……よ?
それに気づいたのか、セイヤもコーヒーを飲みながら、「大丈夫だろ」と、コーヒーカップを持つ手をブルブル震わせながら言う。
「なんとかしなきゃなぁ……あっ、一つ案がある」
「お? それは期待してもいいのか?」
「任せろ。俺の特典が役に立つ時がきた」
カランカランとドアを開くと音がなり、そちらの方向をその場の全員が振り向く。だが、出てきたのはスキンヘッドにサングラスを掛けた別人。皆は、抜きかけた剣や杖を収める。
「どうだ? 俺の特典は優秀だろ?」
「ああ……でも何でスキンヘッドなの?」
「一番怪しまれないからだ」
ーーそれは五分前の事。
「で、その特典とは?」
「俺は何でも作れる能力を貰った。だから、その能力でカツラを作る」
「で、それを被って何事もなく逃げると?」
「その通り。どーよ?」
「面白い。やるか」
そして今に至る。
「だがよ、お前ますます怪しまれるかもな」
「ん? なんでだ?」
「嫌だって、前回の魔王は創作能力持っていてな、何でもでは無いが、モンスターや魔界とかは作る事が出来たって聞いたことあるぞ?」
「それ早く言ってくんない? 俺もうこの町から出たいんだけど?」
「今は出れねーよ。三日我慢しろ、そーすりゃ外のモンスターパレードもいなくならぁ」
「三日!? ……よし、こうなったら……」
「空を飛ぶ道具作るなよ? それすると一発でバレるぞ」
「だよなぁ……我慢するか」
その後、宿に泊まろうにも、この状況では泊まることも困難なため、壁際で野宿する事となる。
夜になり、人が外を出歩かなくなった時、ハルはほっと一息つく。
気分転換に、壁に沿ってこの町を一周しようと思い、歩き始める。セイヤは既に家に帰っているため、ハル一人だ。
歩く中所々で、壁にヒビが入っていることを見ることがあった。それは一つではなく、等間隔で同じ高さの場所に幾つもだ。
「これなんでヒビ入ってんの? これは何かを埋め込むためとかにそうなってるのか?」
いじって壊すのも良くないと思い、逆に埋めて怒られでもしたら嫌なので、何も触らずにいた。
散歩が終わり、眠くなったので、最初いた地点で寝ることとする。
そして翌日。
「おいハルー。起きろー、朝だぞー」
「ん? ……おぉ、セイヤか。おはよ」
「おはよーさん! で、眠れたか?」
「熟睡だよ。元気」
「ならよし」
「ちなみに朝の何時だ?」
「俺が家を出た時は六時だった」
「さんきゅ。で、外には相変わらず出れないの?」
「まーな。つか、外に出るにしても、行く町とか決めてるの?」
「いや、俺まだここに来て日が浅いからな。何もわからん」
「ならさ、俺と一緒に冒険しようぜ?」
「……俺でいいのか?」
「お前がいいんだよ! ハルと居ると楽しいしな!」
「わかった。ただ、一つだけ約束してくれ」
「なんだ?」
一瞬言うことを躊躇う。それもそのはず、これは勝手な思い上がりから言う言葉だから。
「もし俺が、魔王の子供と呼ばれたら、俺を見捨ててくれ」
「…………」
下を俯くハル。今セイヤは、どんな顔をしているのだろう。
了承してくれるのか、不安で仕方なかった。ただ、答えは予想とは反したものだった。
「ばーか。俺とお前はもう友達だろ? 見捨てなんかしねーし、まず魔王の子供と呼ばれようがなんと言われようが、俺は付いてくぞ?」
「なんで……」
「だから言ったろ? 友達だって。それに、魔王の子供と友達の俺ってカッコよくね?」
思わず吹き出してしまうハル。
「なんだよそれ! ……悪かったな、これからも宜しくな、セイヤ」
「おうよ!」
「その話、私も混ぜてもらっていいかしら!」
「げっ、この声は……」
「セイヤ。あんただけ抜けがけしようったってそうはいかないわ。私も連れてきなさい?」
「やっぱり……ミナ……」
赤色のロングヘア。顔は小さく、大人っぽさを放つ目。体格は、女性冒険者と呼ぶに相応しく発達した筋肉。胸元が開けている服からは、小さい胸が良く見える。
「で、そこの彼は?」
「ハルだ。俺達と同じ転生者だ」
「ふーん。ハルね。よろしく、私はミナ」
「よろしく。君は、セイヤのガールフレンドかなにか?」
「んなわけないでしょ。同時期に転生したってだけの関係よ」
「そーだぞ? コイツとだけは一緒は嫌だったのに……」
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