第十二話

俺は新しく仲間になった"シロ"と一緒に商店街を歩いている。目的はシロの服を買うためだ。
女性服専門店に着くと中に入った。

「いらっしゃい！」

中に入ると20代位茶髪の女店員がいた。

「この子に合う服を10枚程の見繕ってくれ」
「あいよ」

店員に注文すると、シロを連れて奥へ行った。俺はその間にユイとカレンに服でも買っていくことした。

ユイとカレンの服を選んでいると、どうやら選び終わったらしい、シロが戻ってきた。振り替えるとそこには、白をメインにしたワンピースを着ていた。

「良く似合っているな」
「.....」

(まだ、打ち解けるには難しいか)

「....どうして」
「うん？」
「....どうして、奴隷の私にこんな事をしてくださるのですか？」

俺はこの子の事を少し理解できた気がする。シロは奴隷として売られ前の主には酷い仕打ちをされたそして、それが当たり前として受け入れてしまった。だから、必要最小限の事しか喋らないんだと。

「俺はお前を奴隷としてではなく"旅の仲間"として扱うつもりだ」
「だから、もうお前は奴隷の女としてではなく"一人の女"として生きていけばいい」
「っ！」

シロは俺の言葉を聞いて泣き出した。


それから暫くしてシロは泣き止んだ。

「すまないな店でこんなことになってしまって」
「良いですよ、こちらもお陰で良いものもを見させて貰いましたから」

俺達は現在服屋にある商談部屋の1つを貸して貰っている。シロは泣きつかれて寝ている。

「で、服の代金だがいくらだ」
「全部で金貨三枚」

俺は金貨3枚をアイテムボックスから出した。

「まいど！」
「また来てくださいね」
「気が向いたらな」

服屋の店員に別れの挨拶を告げて俺達は宿に帰った。

宿に帰った俺達を出迎えたのは、背後に阿修羅が見えるユイさんと龍が見えるカレンさんでした。

そう、現在お説教されてます。

「....ユウスケ、何か言い分ある？」
「ありません」
「では、最後に残す言葉はあるか？主よ」
「特にな....ごふっ！」

ユイとカレンのダブル腹パンを喰らって俺は意識を閉じた。因みにステータス的には全然問題ないのだか、女の攻撃はステータスには在らせない何かが有ることを知った。
結論、ユイとカレンは怒らせない方が身のためだ。

翌朝、俺は床で目を覚ました。

「あ、ご主人様おはようございます」
「ああ、シロおはよう」

目を覚ますとシロが元気に挨拶をしてきた。どうやら、心を開いてくれたみたいだ。
因みにユイとカレンはまだお怒りの様子、速くこの状況を打開せねばと思う俺だった。