第十一話

檻の中に佇んでいる獣人の女の子のステータスを見て、俺はこの子を買おうと決めた。

そして、商人から渡されたベルを鳴らした。

「はい、いかがなさいましたかお客様？」
「この子を買いたい」
「その子ですか」
「何か問題でもあるのか？」
「いえ、その.....前に使えていた主人に酷い仕打ちをされたようでして、そのー、人との会話は最小限の返事しかしないのです」

俺は思ったこの子は自分に似ている気がする。だからだろうか、俺はますます買いたくなった。

「構わん、この子を買う」
「分かりました。では、契約をしますのでこちらへどうぞ」

商人に後をついていき1つの部屋の前で止まった。

「この部屋で商談の準備を行いますのでどうぞお入りください」
「ああ」

商人はすぐさま契約の準備を始めた。そして、別の男が購入予定の奴隷を連れてきた。

「では、契約をしましょう。まず、名前はいかが致します？」
「名前だと」
「はい、奴隷を購入する際名前をつけるのが決まりでして」
「成る程、ならシズクって名前だったなお前」
「.....はい」
「お前の名前はなんだ？」
「....ご主人様が名前をつけてくださらないとありません」
「そうじゃなくて、お前の生まれたときにつけられた名前はなんだと聞いている」
「.....シロ」
「そうか、なら名前はシロで決まりだ」
「畏まりました。では、そのように」

商人は契約書に色々書くとこちらに見せてきた。
内容としては1つ主の命令は絶対で命令に背くことは出来ない、2つ奴隷は主を傷つけることが出来ない、3つ主が解放もしくは死ぬと奴隷は自由になる。
とのこと。

「以上が契約の内容になります」
「了解した」
「では、購入金、金貨5枚です」

説明
この世界の通過を図で表すならこうだ
銅貨→銀貨→金貨→白金貨→黒金貨だ
銅貨→10円
銀貨→1000円
金貨→100000円
白金貨→1000000円
黒金貨→100000000円
と言う感じだ。
補足、この世界の一般人は良いところで銀貨30枚ぐらい稼げる。悪いところでも銀貨10枚程度だ。

俺は、最果ての島で倒したマッスルゴブリンの素材をギルドに売っていた。すると、白金貨80枚手に入れることができた。だとすれば、マッスルゴブリンよりか強いモンスターを売れば大変なことになることが予測できた。だから、マッスルゴブリン以外は売らないことにした。

金貨5枚を払い、俺はシロを手にいれた。