あたたかい背中

yukiha

第1章 ②

朱里と別れて帰宅した私は人肌恋しさに震えていた。

朱里の惚気は聞いてて楽しく良かったのだが、一人になると楽しかった反動で寂しさが増して襲いかかってくる。

「......彼氏、かぁ...」

彼氏が欲しいのかと言われれば、欲しい。

けど一番欲しいと思うのは自分が心の底から好きだと言える人。

「自分の好きな人が私を好きだなんてどれだけの確率なんだって話よ....出来すぎてる」

出会いがないんだもの、何ともできない。

もういっその事出会い系アプリに登録しちゃおうか.....

気を少し紛らわす程度ではじめてみるか。

行動にうつすのは早かった。

自分のニックネームと写真とプロフを書いて登録完了という短い手順、後は声をかけてもらうのを待つだけだった。

「ニックネーム.....そのまま名前使うのはナシだからなぁ......《おかゆ》ってニックネームでもいいか」

ふと頭に浮かんだおかゆが元となっているため理由は特にない。

「さ、気が紛れればいいけどな....」

そう思ったのも束の間、登録して10分も経たないうちに異性からメッセージが届いた。

それからと言うもの、沢山のメッセージが私宛に届いた。

メッセージのやり取りをしていくうちにつまらない相手と話していたい相手が出来た。

私はある人の事が気になっていた。

私の心をグッと掴んでくるこの人はどんな人なんだろうと相手のことを知りたくてたまらなくなった。

その相手は《てつ》と言う私好みの異性だった。

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