方(箱)舟のファントムズ

丸ーニィ

第51話「見えない未来に立ち向かえ!ドーマン!」



モニターの前でユナとザジが白目になって驚く。

「ザジ君!あの人達、ザジ君達を意識し過ぎて残念になってる」

「ちょっと式神の鳥、かわいそう……」

ザジは付き合わされている式神の忠誠心に、哀れみを感じた。


黒服達のメンバー構成は、頭目が生き霊一人分、スカウトの式神が亡霊同様の二人分の枠を持つ。

「あのメンバー構成だとまだ二人分の空きがあるけど……」

そう、現状三人分の戦力がフィールドに投入されている。

二依子はボディの形状や霊力の強さが気になっている、頭目の憑依したプラモデルは珍しいシロモノのようだ。

「あのボディのプラモデル、元になってるモノは大衆的アニメのレアなプラモデルがベースだよね」

二依子の目には輝いて写っているようだ。


一方、バトルではドイツ代表の戦車隊からの対空砲撃が飛び交う!

だがヴァリアント・ドーマンのボディには掠りもしない、何故なら式神ブースターの機動性が抜群に発揮しているからだ。

「なんと言う機動性!だがコレならどうか!」

ドイツ代表の亡霊パウルが操る、超重戦車マウスの砲身から散弾が放たれる!

拡散した細かい散弾は僅かに、ヴァリアント・ドーマンのボディに着弾!

だが装甲が薄く輝くバリアに阻まれ、着弾した散弾が弾かれる様に火花が散る。

装甲はキズ一つ無い!

「この陰陽パワーコーティング装甲に、そんな砂利なんぞ効かんのじゃ!」



車の中で黒服達が言う……

「陰陽装甲が発光しているように見えますよね、あれ何で光るのか作るのを手伝った我々にもわからんのですよ……」

一体誰に向かって言っているのか。



観戦しているザジはマジマジと分析していた。

「あの装甲バリアは一見強そうに見えるけど、バリアの許容力がオーバーしたら直撃じゃないかな」

「あー、バリアをボディから離して使う方が有効なんだね」

一通り解析が進んだ所でヴァリアント・ドーマンのブースト格闘(?)が、生き霊の入ったティーガー戦車に襲いかかる!

ライフルを腰のスカートパーツに接続すると、背中に付いている刀の柄の様なパーツを右手に持ち変える。


「小烏丸サーベル!」


柄にはロールの様な巻き込んだ薄い板金属パーツが付いており、霊力によって刀身形状にに伸び変わる。

ビームサーベルの様な再現パーツだ。

「完全再現のビーム刃武器だって!?ドクに映像データー送らなきゃ!」

これにはザジが目を輝かせ、ドクに見せたがっていた。

「蔵の平安古刀を削って作ったサーベルじゃ、柔い戦車なぞ鱠切りにしてやるぞ!」

国宝級の古刀をプラモデルのパーツに使うと言う暴挙、その蔵の平安古刀が贋作であってほしい。


「うわあ!」

戦車に入ってる生き霊が叫ぶ。

ヴァリアント・ドーマンのサーベルは横凪ぎに振り払われると、ファントムスラッシュ同様に対象の物理強度を失わせて斬り払われる。

そのままプラモデルのティーガー戦車は砲塔を凪ぎ払われ、横一文字に斬られたパーツが飛ぶ。

「こちらティーガーⅠ型、戦闘続行不可能!」

生き霊戦車の脱落が報告されると、直ぐ様もう片方の生き霊戦車に向けて特格(?)がクルクル回って降り下ろされる!

「あああ!そんなⅡ型は装甲厚めなのに!」

続いて同じくティーガーⅡ型も、バッサリと主砲を根本から斬り下ろされ攻撃力を無力化。

「満足に防御も出来ん生き霊になぞ、用は無い!」

「御主じゃ、異国の亡霊!御主と渡り合ってこのヴァリアント・ドーマンは完成するんじゃ!」

その言葉と共にパウルの亡霊マウスに宣戦布告する!


ユナはそのやり取りに違和感を覚える。

「あの陰陽師の人も同じ生き霊なのに強くない?……まさか」

ザジはそのまさかに答える。

「あのヴァリアント・ドーマンの頭目には、アプリよりも霊力の伝達の強い方法が取られてる?」

疑問が残る。

ここでパウルの戦車に向けて頭目の攻撃が始まる。

「式神キャノン!」

背部に接続された式神″鳳″の尾羽パーツが前方に倒され、先端が伸びると……

そのまま二門のキャノン砲になり、大きく開脚し左右の腕を畳んでポージング!

「フェニックスフルバースト!!」

キャノンからニードル弾が霊力を帯びて放たれる!

このニードル弾は僅かに物理強度を軟化させる、プラモデルのボディでは貫通して尚勢い余るだろう。

だが………


アッサリ弾かれた!


「!?」

これには解説のザジも目を丸くしている。

「は?何でじゃああああ?!霊力込めたのに効かんとかどういう事じゃああ!?」

キャノンのニードル弾を受けた亡霊戦車マウスは、僅かにキズが付いた程度で止まり健在である。


「残念だったねヴァリアント……なんだっけ?、この僕のマウスの装甲はフルダイキャスト製で砲身なんか鋼鉄製さ!」


「ムキイイイイ!」

頭目が悔しそうに、小烏丸サーベルを再び出して、飛びかかる!。


「突き(横格)じゃああ!」

豪快な突き!

だが小烏丸はフェンシングのサーベルのように、フニャッと曲がる。

「世知辛やいのじゃああああ!」

この状況をザジが確認する。

「あの戦車……カンチョウと同じ″マトリョーシカ″タイプだ!頭目の攻撃の霊力が分解されてる!」

頭目のヴァリアント・ドーマンの装備ではどう足掻いても装甲を抜けられない様だ。


「ねえ……ザジ君、コレって陰陽師の人詰んでない?」

ユナは困った顔をしている様だ。

そう。

せっかく因縁の相手が出てきたのにこのままだと……


出オチで終わってしまう!





「方(箱)舟のファントムズ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く