日常
第1話
4月9日   朝礼
ドアを開けると見慣れた顔、見慣れない顔があちらこちらに散らばっている。まず、自分の席に着く。周りはポツポツ空いている。周りの席の人はまだ来ていないようだ。それから、中の良い奴らが集まっている所へ行った。何か話しているようだった。
「おはよー!また一緒やんねー!」
「おはー。また一緒かー。」
と冗談交じりで言ってきた。冗談なのか本気なのかはさておき、去年までと変わらないやり取りに安心感が出てきた。
朝礼まであと5分というところで、どんどん教室の人口密度が増えてきた。教室に人が入ってくるたびに、そちらを向き誰が来たのか見る。やはり、知っている顔、知らない顔があった。
そこで先生が入ってきた。担任の先生なのだろう。名簿らしきものと、プリントの束を持っていた。その先生は一度だけ絡んだことがあった人だった。
 
去年の暮れのことである。俺は、部活をしていた。バレーボール部だった。入るきっかけはごく普通で、先輩に憧れたからである。部活見学の時、丁度、他県の高校との練習試合をしていた。俺は、中学生までは部活をしておらず、高校に入ったら部活に入ってなにかしようと思っていた。そんなふうに思っていた最中にその試合を見た。相手校は県内ではトップクラスの高校だった。そんな高校を相手に、その憧れた先輩は軽々とスパイクを決め得点を重ねていた。そんな先輩に憧れて入った高校1年生の4月。そこまでは良かった....
話がズレたが元に戻ろう。朝礼が始まり、ざっと周りを見たところ教室内の席はほとんど埋まっいた。しかし、ひとつだけ席が空いていた。必ずクラスには一人や、二人はいるだろう。そういつも、朝礼のチャイムがなってから教室に入ってくるやつ。やはりこういう奴がいてこそ学校にいるという感覚を味わえる....
ん?あれ....?
今、少し学校を楽しんでた?
まあいいや。
たまにはこういうことを思っても。
これが当初の俺だった。やはりひねくれていたのだろう。
そして案の定、朝礼のチャイムもなり終わり、朝の挨拶も終わったところで、教室のドアの開く音がした。
教室全体の視線は当然その音がする方へと向けられる。
何人かは、クスクスと笑っている。きっと顔なじみなのだろう。
俺も視線をドアの方へと向けた。そこにはまるでクマのようなやつが立っていた。身長は180cmはあると思われる。注目すべきはそれだけではない。優に100kgは超えているんじゃないかと思われるほどの体格があった。
そいつは教室に入り先生に申し訳なさそうに、
「おはようございます。」
と一言、空いている席目指して一直線に早足で辿り着こうとした。しかし、そうもいかない。先生が
「なんで遅れたんだ?」
優しそうな声で問いかける。
それに対して
「すいません。寝坊しました。」
と答えた。
しかし、そう答えている反面、彼の手には某有名ハンバーガー店の紙袋が握られていた。きっと、朝飯にするつもりなのだろう。もし、それを買わなかったら間に合っていたんじゃないか、と俺は思った。少し面白いやつだなと思った。
それから、彼が席に着き、先生が持ってきていたプリントを配布し、軽い自己紹介があり、という流れで朝礼は終わった。
ドアを開けると見慣れた顔、見慣れない顔があちらこちらに散らばっている。まず、自分の席に着く。周りはポツポツ空いている。周りの席の人はまだ来ていないようだ。それから、中の良い奴らが集まっている所へ行った。何か話しているようだった。
「おはよー!また一緒やんねー!」
「おはー。また一緒かー。」
と冗談交じりで言ってきた。冗談なのか本気なのかはさておき、去年までと変わらないやり取りに安心感が出てきた。
朝礼まであと5分というところで、どんどん教室の人口密度が増えてきた。教室に人が入ってくるたびに、そちらを向き誰が来たのか見る。やはり、知っている顔、知らない顔があった。
そこで先生が入ってきた。担任の先生なのだろう。名簿らしきものと、プリントの束を持っていた。その先生は一度だけ絡んだことがあった人だった。
 
去年の暮れのことである。俺は、部活をしていた。バレーボール部だった。入るきっかけはごく普通で、先輩に憧れたからである。部活見学の時、丁度、他県の高校との練習試合をしていた。俺は、中学生までは部活をしておらず、高校に入ったら部活に入ってなにかしようと思っていた。そんなふうに思っていた最中にその試合を見た。相手校は県内ではトップクラスの高校だった。そんな高校を相手に、その憧れた先輩は軽々とスパイクを決め得点を重ねていた。そんな先輩に憧れて入った高校1年生の4月。そこまでは良かった....
話がズレたが元に戻ろう。朝礼が始まり、ざっと周りを見たところ教室内の席はほとんど埋まっいた。しかし、ひとつだけ席が空いていた。必ずクラスには一人や、二人はいるだろう。そういつも、朝礼のチャイムがなってから教室に入ってくるやつ。やはりこういう奴がいてこそ学校にいるという感覚を味わえる....
ん?あれ....?
今、少し学校を楽しんでた?
まあいいや。
たまにはこういうことを思っても。
これが当初の俺だった。やはりひねくれていたのだろう。
そして案の定、朝礼のチャイムもなり終わり、朝の挨拶も終わったところで、教室のドアの開く音がした。
教室全体の視線は当然その音がする方へと向けられる。
何人かは、クスクスと笑っている。きっと顔なじみなのだろう。
俺も視線をドアの方へと向けた。そこにはまるでクマのようなやつが立っていた。身長は180cmはあると思われる。注目すべきはそれだけではない。優に100kgは超えているんじゃないかと思われるほどの体格があった。
そいつは教室に入り先生に申し訳なさそうに、
「おはようございます。」
と一言、空いている席目指して一直線に早足で辿り着こうとした。しかし、そうもいかない。先生が
「なんで遅れたんだ?」
優しそうな声で問いかける。
それに対して
「すいません。寝坊しました。」
と答えた。
しかし、そう答えている反面、彼の手には某有名ハンバーガー店の紙袋が握られていた。きっと、朝飯にするつもりなのだろう。もし、それを買わなかったら間に合っていたんじゃないか、と俺は思った。少し面白いやつだなと思った。
それから、彼が席に着き、先生が持ってきていたプリントを配布し、軽い自己紹介があり、という流れで朝礼は終わった。
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