転生したら魔王軍に連れていかれました
竜の祠:中編 黒竜と大罪悪魔再び
黒竜だ!黒竜だ!竜と龍の差ってイマイチ分かってないんですよね〜蛇の様な奴と四足歩行か二足歩行の差かな?
俺は今黒竜と睨み合っている。竜鱗装甲と肉体硬化、それに身体強化と疾風迅雷、魔眼に神眼とまさに完全な状態である。竜鱗装甲とは体の一部を竜の鱗で纏うことができるのだ。なので攻撃が当たる瞬間などに発動しようと思っている。何故かって?常時発動すると見た目キモいから......
《人間風情が我に勝てると思うなよ?》
いや、思ってません...
《これでもくらうといいわ!》
そうして赤黒い火球が襲ってくる。
「お言葉に甘えて喰らいますね?」
そして発動するわ、毎度おなじみ暴食ノ悪魔
『ほほう、面白い力を持っているな』
さすが邪竜様ご存知のようで...
『スキルを獲得«獄炎火球»』
《ふははははは!使ってくればいいわ!我には火など効かんがな!》
うん、知ってた…どうしたものか
黒竜は馬鹿にするように高笑いをする。
《来なければこっちから行くぞ!》
刹那、黒竜は炎を纏うと言うより一部炎を纏い。まるで火の玉のようになり後に回る。すると、炎をを纏っている禍々しい爪で切りかかってくる。とっさに剣で防ぐ。
《む!?我の竜爪を受け止めるとは、剣鬼持ちか!だが、あまいわ!》
黒竜が力を加えた瞬間、剣は押し負けガリッと腹を切られる。
「ふーッ...ふーッ」
苦しい。なんでこんなに苦しいのかわからない程に。
《なぜ切り裂けなかったのかわ知らんが、我に傷を入れられただけでも、火傷と猛毒に襲われるのだ!どうだ?苦しかろう?》
「こいつ...」
急いで治癒魔法をかける。
ルエ、治癒魔法の常時発動を頼む
『わかりました!無理は禁物ですよ!マスター』
わかっている!
黒竜はその巨体とは裏腹に目で追えない程の速さで動いては竜爪で攻撃してくる。だんだんと血がなくなっていき意識が朦朧としてくる。
《どした、人間よ?まだまだこれからではないか?》
これからもクソもお前には適わないさ......
《失笑、これ程にも弱いとわな...貴様を育てた師とそして力を授けた悪魔も弱いのではないか?クハハハハハッ》
この言葉、たったこの一言でレンは怒った。いや、激怒したのだ。自分を育ててくれたレスティを馬鹿にされてしまう程弱く、自分を信じ力を貸してくれたベルが馬鹿にされてしまう程にも弱い自分に対して。そして、そのレスティとベルを馬鹿にした黒竜に。ただそれだけと思うかもしれないが、ただのそれだけでもレンは許せなかったのだ。
「て、てめぇ...」
力を振り絞り立ち上がる。
《む!?》
「今、なんつったァァァ!!」
『称号を獲得:«怒り狂う者»』
『スキルを獲得:«狂気化»』
今のレンは理性を失い怒りに身を任せている。目は白目を向いており。怒りの炎纏っている。
『マスター!気をしっかり持ってください!』
《お主!何をそんなに怒っておる!我は何も気にしとらんぞ!!》
ルエにベルゼビュートが声かけるがレンには入ってこない。
《怒りに溺れ理性を失ったのか、哀れな奴よ》
黒竜は呆れ果ててしまっていた。
「ウオォォォォ!!」
まるで雄叫びの様な咆哮をあげる。
《貴様が何をしようと我には効かんぞ、それをわからせてやる》
そして、黒竜は超硬化と超猛攻を発動する。レンの攻撃をすべて受けるが効かず、たった一撃で吹っ飛ぶ。
《つまらんな、自分をコントロールできないなど...》
遠くを見透かす様な目でレンを見る。
《ふふふッ面白くなってますね♪》
その声はルエでもなく、ベルでもないましてや黒竜でもなく、レスティでもない。
《お主は、憤怒の罪の......》
《そう!サタンちゃんです♪》
そう、怒りに溺れたレンを見てやってきた悪魔、憤怒の罪サタンであった。
「ふーッ...ふーッ...」
レンは相変わらず理性を失っている。
《完全にいってますね〜♪》
サタンは面白そうにしている。
《面白がらずにどうにかしてくれぬか?》
《ふふふッいいですよ?私も彼の怒りを気に入ったからきたのですよ!誰かの為に怒るなんて素敵じゃないですか〜?》
《わかったから!さっさとせんか!》
ベルは早くレンを怒りの渦から救いたく気が気でならないのだ。どうして悪魔である自分がそう思ってるのかわからない程に。
《しょうがないですね〜ちょっと寝ててください♪》
その言葉の瞬間サタンは具現化し、レンの腹を殴る。
《それでは、私の力を授けますね!》
『称号を獲得:憤怒の悪魔』
『悪魔の受け入れによりスキルを獲得:«憤怒ノ悪魔»』
《これで大丈夫ですよ?》
《うむ、たすかったぞ...》
ベルはホッとした。
「う、あれ?俺は一体...」
そして、レンは目覚める。
《はじめまして♪》
うわ、びっくりした!ベルちゃん?じゃないな?誰だ?
《私はですね〜サタンちゃんですよ〜》
なるほどなるほど.........って、ええ?ど、どして!
《あは♪いい反応ですね!あなたが怒りに溺れたので助けました!》
それは、どうも...お手数をお掛けしまして。
《別にいいんですよ?いいものを見せてもらったので!》
あ、なんかやばそう...
《コラコラ!私をおいて楽しむな!》
これはベルちゃんどうも...
めちゃくちゃ怒っているようだ。
《全く心配かけよって!ほれ!黒竜との戦いだ!我らはここら辺で失礼する!》
あ!そうだったな!頑張るからな!
《応援してますね〜♪》
すっかり忘れていた。
《む?ほれ!さっさと続きをするぞ!》
「そうだったな!」
何故か力も湧いてくるし今ならいけるかもしれない。
『マスター!マスターは憤怒の力を得ましたので自身の中の怒りと空気中の魔力である魔素を蓄えることで爆発的な力を発揮しますよ!』
なるほど、そういうことか......
《ではいくぞ!》
こい...
瞬間後ろを取られる。だが、その更に後ろを回る。
《なに!?》
遅い...
後ろにいることを気づかれた刹那よりも早く前人未到を使う。そこに怒りのパワーも加わり切ることはできなくとも砕き切る。
《ヌオォォ!!き、貴様ー!!》
黒竜は怒る。
「左腕を代償にスキル作成...«竜殺し»」
そう、ボソッと呟く。そして左腕は超即再生により直る。
「おっさん、力を借りるぞ!星聖光滅斬!!」
黒竜に向かって放たれる星聖光滅斬否、竜殺しにより星聖竜滅斬となった斬撃に憤怒ノ悪魔の力が加わったものが黒竜を襲う。
《その攻撃...見事だ......》
そうして、決着がついた。
自分でも予想だにしないサタンの介入が来ました。
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