コラボ─チート無しクラス転移・厨二病が率いる異世界ライフ

Akisan

9話:再開と災害VS鉄人形

霧に包まれ、謎の声を聞いた後
気が付くと最初にいた所へ戻ってきた
なぜわかったのかそれは
─黒秋が作ったクレーターがいくつもあったからだ

「遠くからだとここすぐに見つかるよねぇ~」
光希が呟くと
「うちの時限爆弾がごめんなさいね
でも、役立って何よりだ」
原が苦笑いをしている
「多分、ミキオたちもここへ
戻って来るんじゃないかな?」

確かに、特に目印のない草原において
このクレーターは大いに役に立つだろう
「んじゃ、それまでゆっくりするか
まだ、疲労がぬけてないんだよ」
原が大の字になり草原に転がる

うららかな日差しと吹き抜ける風が
原の意識を遠く彼方へと飛ばし
すぐに寝息を立てた

「原ちゃんもう寝たんだぁ…」
一人VS魔物100以上の戦いにおいて
鬼神のような力を見せた少年は
無警戒に地面に転がって寝ている

そのようすは戦いの時とは違う
年相応の少年の顔だった

「速いところミキオ達とも合流したいんだよね
怪我してなきゃ良いんだけど…」
ミツキが心配を口にすると
「いやぁ、気にしなくて良いと思うよ?
サイトーも付いてるし、それにミキオもなかなか
強そうだもん」
光希が言うと
「その能天気さ少し羨ましいよ」
ため息混じりにミツキがいうと
「あはは、誉めてるの?それ」
等と話していると

「──何かが来る」
原が唐突に言った
「あ、原ちゃんおはよ~どうしたの急に」
言い終わるが速いか
「走れ!始まる!」
原が指差した方へミツキと光希が走っていくと
さっきまでいた場所にもともとあったかのように
霧がかかっている
まるで入道雲が地面に落ちてきたかのようだ

「あんな規模で何が始まるって言うの?」
光希が震えた声でポツリとこぼす

「なんだって良いさサイトーが居ないなら
俺が叩き切る、俺だってやれるさ」
原が刀を二振り作り出し身構える

「来るぞ…鉄人形ゴーレムが」
握る手に力が籠る
それは恐怖故かはたまた好奇心故か

大地が裂け大きく揺れる
大きな存在を残したまま
霧が晴れていく

「あれが鉄人形ゴーレム?なんて規模だよ」
そのサイズは見上げるほどであり
少し距離があるがそれでもわかるほどに大きい

「ミキオ達はまだ?」
ミツキが焦った声で言うが
それに返事できる人は居ないようだ

「ミツキに光希、気を付けろよ」
と、言うとすぐに鉄人形ゴーレムへと走っていく

原は焦っていた──秋が居ないことに
原自身の力─パワーでは正直、秋には勝てやしない
しかし、確実に秋よりはスピードがあり
総合力では互角だと思っているが秋が居ないだけで勝てないと思う・・・・・・・・・・・・・・・
何故か
劣等感を感じる
「俺だってやれるんだよ!」

原が敵へ走りだしてから数秒後

「原ちゃんってすごい物語的だよね」
ミツキが呟く
「どう言うこと~?」
光希が聞くと
「わからなくて良いんだよ、それで良いの」
光希には分からなかったが
その言葉にただただ疑問を浮かべるだけだった

走ってくる原を見て鉄人形ゴーレム
足元から30体程の小さいゴーレムが産み出される
その高さは約2メートル程度
「邪魔だてめぇら!」
原の刀が一条の閃光を残し刀を振るうと
その度に何体かのゴーレムが屑鉄と化し空を舞う
その間数秒、スピード変わらず
鉄人形ゴーレムへと突っ込んでいく

それを見てさらに、ゴーレムが右腕を振り下ろす
「その巨体でなんて速さだよ!」
ギリギリで横に回避する

そのまま振り下ろした右腕を登っていく
鉄人形ゴーレムの頭を確認すると跳躍
刀を構え頭へと振り下ろす

ガキィンと、甲高い音を立てて接触するが
刀が弾かれてしまう
「くそっ、硬ぇな」
更に力を込めてニの太刀を紡ぐが
同様に弾かれてしまう

「うおおおおおおおッ!」
弾かれた刀を力任せに戻し太刀筋など気にせず
力任せに叩き続けた

重力に従い落ちていく体
その間も攻撃を続けるが傷一つ付かない

そして、地面に衝突、肺に衝撃が走り
空気が全部吐き出される
さらに、鉄人形ゴーレムが踏み潰そうと足を出す

「原ちゃん!逃げて!」
展開を見ていた光希が叫ぶが
たった数秒の攻撃だったが原の戦意は
既に失われていた

───あぁ、やっぱり俺じゃダメなんだな
鉄人形ゴーレムの足が後4メートルまで迫る

───あの時と同じじゃないか
あと3メートル

───だから、ここからは
2メートル



「お前に任せるぞ!秋ッ!!」


叫んだ瞬間体に確かな浮遊感を感じた
どうやらミキオの鎖に釣られたようだ

原の目には風を切り鉄人形ゴーレムへと飛び
その胴体へ圧倒的な力で風を纏った拳を
叩き込んだ秋の姿があった

「原ちゃんも無茶したな」
ミキオが原を見てニヤリと笑った

「何か、悔しくてな」
原が秋を見て申し訳なさそうに言う

「もう少し、早く着いてたら良かったんだけどね」
秋が近くへ来て原を労う

近くに来た秋を見て少し驚き
鉄人形ゴーレムを見るとさっきの攻撃の威力に
耐えきれなかったのか 地面に倒れている

「はぁ、何かもう規格外だわやる気なくすぜ」
ため息混じりに原が呟く

「感動の再開のところ悪いけど
敵さんはまだまだやる気っぽいよ」
ミツキが言う
鉄人形ゴーレムを見ると立ち上がり
既に戦闘体勢を取っている

「こりゃあ、大仕事になりそうだな」
ミキオが原から鎖を剥がし巻き取り
鉄人形ゴーレムを正面に捉えて言うと

「まぁ、やれるんじゃないかな」
秋が原を立たせてから右腕と右目を解放
させながら言う

「今度は刃が通ると良いんだけどな」
再び二振りの刀を作り出す

皆が鉄人形ゴーレムを見据えて
「「「ぶっ倒す!」」」




はい、どうもAkiです
恐らく次で最後にVSゴーレムが
終わるのではないかと思います

キズミズミさんの
≪チート無しクラス転移─Be chained─≫

そして、僕の
≪クラス全員で異世界転移!?
厨ニ病が率いる異世界ライフ≫
もぜひ読んでみてください!

最後まで頑張っていくので応援お願いします!



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