コラボ─チート無しクラス転移・厨二病が率いる異世界ライフ

Akisan

5話:霧のち廃墟

「スッゴい怖いところだね」
マドリが怯えたように声をだす

それもそうだろう
見事に滅びきった廃墟にいるのだから



数時間前、いきなり話をしてたら
霧が周りを包み
気が付くとこんな廃墟にいた
光希もミツキも原もいないため
とりあえずこの廃墟から出ようと言うことになった

「それにしてもこの廃墟群広くね?
どんな規模だよ、工場かなんかだったのかよ?」
そう、話すのはミキオだ

「確かに長いけど、道はあるから
出口はあると思うんだよね」
しかし、実際はわからない
風景が変わらないため
もはや、進んでいるのかさえ不明だ

「あ、ワンちゃんだ」
マドリが指を差している方向を見ると
白い毛に黒ぶちの犬が廃墟と廃墟の間にいた
『ワン!』
一吠えすると奥へ行ってしまう
「待てー!」 
「あ、ちょ!マドリ!はぐれるな!」
マドリが犬を追いかけて行くのを
ミキオが追いかけて止めようとする
そして、二人とも廃墟の陰に消えていってしまった

「えぇ、お二人さんマジですか?」

急いで追いかけるがすぐに見失ってしまう

「ミキオー!マドリー!」
返事はない
『ワンッ!』
「お前は呼んでない!」
まさかの犬が返事をした
ん?犬?
「あれ?何でここにいるの!?」
その犬は確かにさっきミキオ達が
追いかけていった犬だった

そして、走り去る犬
「待ってよ!」
その犬を追いかけることにした
そして、廃墟と廃墟の間を犬を追いかけること約10分
不自然に光が差し込んでいる場所についた

『ワン!』
犬が鳴くと
『どうしたの?』
と、幼い声が聞こえた
かなりの昔に人がいなくなったと思われる
この廃墟群に人─かなり幼い子がいることに驚いた

「君は誰?ここに住んでるの?」
と、声をかけるとこちらを振り向き
『お姉ちゃんをどこかで見ませんでしたか?』
「お姉ちゃん!?まだ人がいるのか!?」
『迷子になってしまって
  お姉ちゃんを見つけないと』

「こっちだよ!きっと!」
「マドリ!もう諦めろよ!サイトーの所に戻ろう」
マドリとミキオの声がした
まだ犬を探しているのか…
「あ!ほらいたよ!ワンちゃん~!」
マドリが犬に突進するが、かわされてしまい
地面に倒れ込んでしまう、効果音は≪びたーん≫
だろうか、等と考えていると
「あ、ほらいたよ!」
マドリが僕に気づいたらしく指をさして
ミキオに言う
「それは、さっきも聞…うわッ!サイトー!」
うわッてなんだよお化け見たような声しやがって

そこで名案を思い付く
「はい、お姉ちゃん」
と、マドリを指差し女の子に伝えると
女の子はおろか犬すら見つからない
「誰と話してるの?」
マドリが変な目で僕を見ている
「あれ?おかしいな、さっきまでここに女の子が」
今では足跡さえもない
「えー?なにそれお化けでも見てたんじゃないの?」
と、マドリが言うと震えだした
「自分で言っといてビビってんじゃねぇよ…」
ホントに苦手なんだなぁ

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