真の勇者は影に潜む
五:新たに始まる学院生活
「おめでとう、ラウル。」
家に帰宅し、夕食時に結果を報告。家族は喜んでくれた。
「頑張ったね。」
「流石、ラウル様です。首席合格とは。」
それぞれが声を掛けてくれる。思わず笑みが零れる。純粋な笑みだ。
その私の表情に驚いたのか、会話が途切れてしまった。
「どうしましたか?」
私は正直、嬉しかった。家族のお陰で入学試験を通れたと私は思っている。母の知識と知恵、父の剣術、エスラさんの魔力操術、 魔術。
これらの結果が大きかった。偶然とは思えないほど、試験内容と一致していたのだ。幸運だった。
確かに謙遜しなければ、私は自身の事を才能があると思う。だが、それは井の中の蛙のような意見だ。私は世界の全てを知っている訳では無い。今住んでいる都市のみしか知らない分際で多くを語るつもりは無い。
所詮、都市で最強レベルなのだ。それはそれで充分に素晴らしい才能とは言えるが、勇者の仲間となる使命がある私にはそれだけでは足りない。
さらにさらに成果を積み上げなければならない。但し、これは急すぎてもいけない。着実にしっかりと積み上げていく事が大切だ。事を急ぎすぎれば、ほぼ100%の確率で失敗すると思う。
失敗だけは許されない。
◇◆◇◆◇
【STATUS】
Name:ラウル・アヴルドシェイン
Gender:Male
Age:4
Job:Student
Level:19371
EP:172,829,173,916
HP:19471/19471
MP:749179/749179
Protection:Nothing
Item:
クリューラレス魔術学院学生証明書 ×1
片手剣 ×2
中級ポーション ×10
連絡石 ×1
Skill:
<Special Skill>
超適正/Level:Max
成長促進/Level:Max
<Common Skill>
Nothing
◇◆◇◆◇
翌日。私はクリューラレス魔術学院へ向かった。今日から授業が始まる訳だが、私としては飛び級制度のあるこの学院で飛び級をしようとするつもりは無い。
あくまでも私がしたいのは魔術を極めることであり、この学院を出たという経歴が欲しい訳では無い。別に経歴などどうでも良いのだ。
「ようこそ、クリューラレス魔術学院へ。」
クリューラレス魔術学院の敷地に入った私に話し掛けてきたのは、オーガリック教授だった。
「どうぞ、こちらへ。」
偶然通り掛かったのだが都合が良い。このまま後に付いていこう。本人を探し回る為にこの広い学院内を歩き回る気にはなれない。
「はい。」
私がオーガリックに付いて行った先は、とある教室だった。
「この学院では、学びたい分野に応じて、授業が分かれます。また、この学校の授業システムは、弟子入りと同じです。この学校にいる誰かに教えを乞うて下さい。」
ここまでの斬新なスタイルとは思ってもみなかった。この学院では、教授はいるが半分が名誉教授でもう半分は、この学院で研究をする教授である。
────教師がいないのである。
私は学院中を回ることにした。私が学びたいと思う分野は簡単に表せる。全てだ。この学院にある技術を全て盗む気でいる。例え、恨まれようとも<導く者>の為ならば。
だが、誰に弟子入りするのか。この学院には制服が無いため、誰がどの研究をしているのかをまず知る必要がある。それを調べる為に図書館を訪れた。
「すみません、この学院で実施されている研究が載ったリストはありますか?」
「はい、ありますよ。」
司書さんはそう答えた。これで万事解決だ。私は研究リストを見せてもらった。
◇◆◆◆◇
【Study List】
<Magic Science>
◆魔法科学の生活応用技術
アウスタート・リグレット教授
◆戦闘における魔法科学の実用性
スライン・クスーランプ教授
◆近未来に対応した魔法科学発展技術
ロメオ・カーメルン教授
<Magic Development>
◆竜の血を利用した新魔法開発
リリオット・ナズラーゼ教授
◆軍隊に対応した新魔法開発
アルベルタス・ルルット教授
◆魔法複合技術開発
ミラン・カトラーゼン教授
<Magic Tool Study>
◆古代魔道具の研究
ミリオネア・トルップセン教授
◆希少魔道具の普及化研究
レイモルド・リリッベル教授
……………………
………………
…………
……
ただ、多い。司書さんに聞いた話だと、紙に纏めると数が多い為、専用魔道具を利用しているらしい。何なんだ、この学院……。
選ぶのも大変なので片っ端から弟子入りする。まずは<魔法科学>だ。研究テーマは<魔法科学の生活応用技術>でアウスタート・リグレット教授だそうだ。大学みたいだな。弟子入りはしないけど。
◇◆◇◆◇
「あなたは……今年の入学生ですか?」
リグレット教授は、出会い頭にそう聞いてきた。
「そうです。私はリグレット教授の研究について学びたいのですが……宜しいでしょうか?」
誤魔化しても仕方が無いので単刀直入に聞いた。返事は簡素だった。
「分かりました。では、こちらへ。」
ひ弱そうな男の教授。私はその後ろ姿を見る。年齢は40歳程度だ。この世界での平均寿命は何歳なのだろう。80歳もいくのかな……。
「ここが私の研究室です。研究テーマは知っていますか?」
「ええ、リグレット教授の<魔法科学の生活応用技術>ですね。」
「That's Right!私はここで昼夜、魔法科学を利用した生活技術の応用化に取り組んでいます。それで授業ですが……まずは私の研究内容についてお教えしましょう。」
リグレット教授は、私に<魔法科学の生活応用技術>について語った。この研究の大願は、ありふれた魔法技術を<生活魔法>という括りで一般化し、生活における危険業務や重労働などを魔法により可能に、そして楽にする事だ。
とても生活に密着した良い考え方だと思う。そして、重要なのは魔法発動時における魔力の消費量削減と安全な魔法である事だ。生活に使う魔法の為に死傷者が出ては、生きる事もままならない。
そうした事態を避ける為に魔法の安定化と魔力消費量削減に励んでいるのだ。
私は改めてこの研究に携わる事に決めた。
家に帰宅し、夕食時に結果を報告。家族は喜んでくれた。
「頑張ったね。」
「流石、ラウル様です。首席合格とは。」
それぞれが声を掛けてくれる。思わず笑みが零れる。純粋な笑みだ。
その私の表情に驚いたのか、会話が途切れてしまった。
「どうしましたか?」
私は正直、嬉しかった。家族のお陰で入学試験を通れたと私は思っている。母の知識と知恵、父の剣術、エスラさんの魔力操術、 魔術。
これらの結果が大きかった。偶然とは思えないほど、試験内容と一致していたのだ。幸運だった。
確かに謙遜しなければ、私は自身の事を才能があると思う。だが、それは井の中の蛙のような意見だ。私は世界の全てを知っている訳では無い。今住んでいる都市のみしか知らない分際で多くを語るつもりは無い。
所詮、都市で最強レベルなのだ。それはそれで充分に素晴らしい才能とは言えるが、勇者の仲間となる使命がある私にはそれだけでは足りない。
さらにさらに成果を積み上げなければならない。但し、これは急すぎてもいけない。着実にしっかりと積み上げていく事が大切だ。事を急ぎすぎれば、ほぼ100%の確率で失敗すると思う。
失敗だけは許されない。
◇◆◇◆◇
【STATUS】
Name:ラウル・アヴルドシェイン
Gender:Male
Age:4
Job:Student
Level:19371
EP:172,829,173,916
HP:19471/19471
MP:749179/749179
Protection:Nothing
Item:
クリューラレス魔術学院学生証明書 ×1
片手剣 ×2
中級ポーション ×10
連絡石 ×1
Skill:
<Special Skill>
超適正/Level:Max
成長促進/Level:Max
<Common Skill>
Nothing
◇◆◇◆◇
翌日。私はクリューラレス魔術学院へ向かった。今日から授業が始まる訳だが、私としては飛び級制度のあるこの学院で飛び級をしようとするつもりは無い。
あくまでも私がしたいのは魔術を極めることであり、この学院を出たという経歴が欲しい訳では無い。別に経歴などどうでも良いのだ。
「ようこそ、クリューラレス魔術学院へ。」
クリューラレス魔術学院の敷地に入った私に話し掛けてきたのは、オーガリック教授だった。
「どうぞ、こちらへ。」
偶然通り掛かったのだが都合が良い。このまま後に付いていこう。本人を探し回る為にこの広い学院内を歩き回る気にはなれない。
「はい。」
私がオーガリックに付いて行った先は、とある教室だった。
「この学院では、学びたい分野に応じて、授業が分かれます。また、この学校の授業システムは、弟子入りと同じです。この学校にいる誰かに教えを乞うて下さい。」
ここまでの斬新なスタイルとは思ってもみなかった。この学院では、教授はいるが半分が名誉教授でもう半分は、この学院で研究をする教授である。
────教師がいないのである。
私は学院中を回ることにした。私が学びたいと思う分野は簡単に表せる。全てだ。この学院にある技術を全て盗む気でいる。例え、恨まれようとも<導く者>の為ならば。
だが、誰に弟子入りするのか。この学院には制服が無いため、誰がどの研究をしているのかをまず知る必要がある。それを調べる為に図書館を訪れた。
「すみません、この学院で実施されている研究が載ったリストはありますか?」
「はい、ありますよ。」
司書さんはそう答えた。これで万事解決だ。私は研究リストを見せてもらった。
◇◆◆◆◇
【Study List】
<Magic Science>
◆魔法科学の生活応用技術
アウスタート・リグレット教授
◆戦闘における魔法科学の実用性
スライン・クスーランプ教授
◆近未来に対応した魔法科学発展技術
ロメオ・カーメルン教授
<Magic Development>
◆竜の血を利用した新魔法開発
リリオット・ナズラーゼ教授
◆軍隊に対応した新魔法開発
アルベルタス・ルルット教授
◆魔法複合技術開発
ミラン・カトラーゼン教授
<Magic Tool Study>
◆古代魔道具の研究
ミリオネア・トルップセン教授
◆希少魔道具の普及化研究
レイモルド・リリッベル教授
……………………
………………
…………
……
ただ、多い。司書さんに聞いた話だと、紙に纏めると数が多い為、専用魔道具を利用しているらしい。何なんだ、この学院……。
選ぶのも大変なので片っ端から弟子入りする。まずは<魔法科学>だ。研究テーマは<魔法科学の生活応用技術>でアウスタート・リグレット教授だそうだ。大学みたいだな。弟子入りはしないけど。
◇◆◇◆◇
「あなたは……今年の入学生ですか?」
リグレット教授は、出会い頭にそう聞いてきた。
「そうです。私はリグレット教授の研究について学びたいのですが……宜しいでしょうか?」
誤魔化しても仕方が無いので単刀直入に聞いた。返事は簡素だった。
「分かりました。では、こちらへ。」
ひ弱そうな男の教授。私はその後ろ姿を見る。年齢は40歳程度だ。この世界での平均寿命は何歳なのだろう。80歳もいくのかな……。
「ここが私の研究室です。研究テーマは知っていますか?」
「ええ、リグレット教授の<魔法科学の生活応用技術>ですね。」
「That's Right!私はここで昼夜、魔法科学を利用した生活技術の応用化に取り組んでいます。それで授業ですが……まずは私の研究内容についてお教えしましょう。」
リグレット教授は、私に<魔法科学の生活応用技術>について語った。この研究の大願は、ありふれた魔法技術を<生活魔法>という括りで一般化し、生活における危険業務や重労働などを魔法により可能に、そして楽にする事だ。
とても生活に密着した良い考え方だと思う。そして、重要なのは魔法発動時における魔力の消費量削減と安全な魔法である事だ。生活に使う魔法の為に死傷者が出ては、生きる事もままならない。
そうした事態を避ける為に魔法の安定化と魔力消費量削減に励んでいるのだ。
私は改めてこの研究に携わる事に決めた。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
4
-
-
310
-
-
353
-
-
755
-
-
70810
-
-
3087
-
-
147
-
-
2
-
-
1
コメント