頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!

あまたつ

プロローグ 不幸な出会い

 俺は最近運が悪くなった。
 突然だ。本当に突然だ。
 いつ頃からだろうか。一ヶ月前位の初詣で大凶のおみくじを引いた時位からだな。流石に大凶で終わりたくはなかったから、二回引いたんだったな。まあ二回目も大凶だった訳だけど。
 んで、そのすぐ後だ。両親が海外出張とか言って家を出ていった。いつ帰ってくるかも分からない。よくラブコメとかであるあるな事だろうけど、実際なると結構つらい。家事とか一人でやらなきゃいけないしな。
 そして俺は彼女いない歴=年齢だ。全然嬉しくない。早く帰って来いよ!何やってんだよ!
 そんな俺、寺尾翔太てらおしょうた高校二年生は今まさに夕食(作るの面倒くさいのでカップラーメンだけど)を食べようとしていた。
「ズルズルズル」
 麺をすする音が響く。
 何だろう、無性に寂しくなってくる。彼女くらいつくっとくべきだったな。
 そんなことを考えながらカップラーメンを食べていた。
「タン、タン、タン」
 ん?今何か聞こえなかったか?
「タン、タン、タン」
 階段から人が降りてくるような音がした。
 おいおい強盗か?うちに盗むような高価な物は無いはずだぞ?あるとしたら俺の部屋にあるエロ本のコレクションくらいだな。
 いやいや!んなこと考えてる場合じゃないだろ!強盗だとしたら俺殺される可能性あるだろ!
 カップラーメンを片手に俺はリビングの出入口の扉で待ち構えた。強盗が階段降りきった瞬間にカップラーメンの汁ぶちまけてやる。
「タン、タン、タン…」
 怖い怖い怖い!なんなんだよまじで!本当についてない!
 音がだんだんと大きくなっていき、音が止んだ。
 その瞬間、俺は叫び声と共に持っていたカップラーメンをぶちまけた。
「うおらあああああああ!!」
 が、強盗は思っていたよりも小さく、カップラーメンの汁は強盗の頭上を越えていった。
 それと同時に、俺はその場に転んだ。
 な?!ここ一番でやらかした!死んだか?
 俺は死を覚悟した。
「な、何をするんですか翔太様!」
 ……ん?
 恐る恐る上を見上げると、そこには少女が一人立っていた。
 髪は黒髪でロング、顔は綺麗に整っており、誰が見ても美少女と言える顔立ちだ。身長は155㎝位で、胸は……ま、まあ美少女がそこにいた。
 いやいや!違う!問題は初対面のはずなのに俺の名前を知っていることだ!
 それに、翔太って…?

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