AAクラスのモンスター生徒は最強達ばかり

みさにゃんにゃん

3話 AAクラスの人達

謎の決闘観戦から解放されて各々校舎へと入る、普通なら中庭か校門付近にクラス表という物が貼られているはずなのだが、この世界⋯この学校に入ってすぐ確認したがそんなものは確認されなかった。

それにあとから近くにいた先輩に聞くと、どうやらクラスを決めるのは魔力の強さで決まるらしい。
なんともまたファンタジーチックな感じですね。

そしてあっちこっちから先輩達が私たち新入生に話しかけて


「新入生ちゃんだね? 学生証を見せてもらってもいいかな?」

「わかりました。」

言われるがまま私は先輩に自分の学生証を渡した。

「リヒト・リリィ・ハートシュタインさんですね。
では、あなたの魔力を数値化したいのでこの数値記録機を軽くでいいので握ってね。」

そんなことをしないといけないのか、でもあまり目立ちたくないからただ持つという感じでいいか。

そして私は数値記録機をなんの力も加えずただ持つ、それだけの事をした。
それにこれ握力計に似てると思うのは私だけだろうか。

「はい、では確認するから見せてね。」

さて、これで私のクラスが分かるんだ、そうひと安心して先輩に数値記録機を返し結果を待っていると、先輩は驚いて耳としっぽをニュっと出した。

「(あ、この人獣人族の猫種だったんだ⋯)」

「え、えっと リヒト⋯さん。」

「何でしょう。」

なんだか、とても嫌な予感がする。
お願い最強クラスだなんて言わないでください、目立ちたくないんです。
あまり頭も良くないんです、生前学生だった時は学年中間くらいだからそこそこ普通の成績です。
BかCあたりでお願いします。

「学生証の魔力数値の記録によるとあなたの数値は平均を上回っているの。」

はい

「だから、この場合あなたのクラスはAAクラスとなるわ。」

「AAクラス?」

「Aクラスの上級と言ってもいいかしら?
AAクラスになれる子は本当1握りくらいしかいないって言うけどまさか、これでAAクラスになる子が
3人目・ ・ ・になるなんてね。」

3人目? まさか⋯。

「それじゃあAAクラスの教室はそこの階段を上がって2階左の一番奥よ」

「ありがとうございます。」

先輩と離れ、私は言われた場所へと向かった。
まあ、行かないと行けないし。
足取り思いが一歩一歩階段を上がり左へ曲がり奥の教室についた。

「⋯ついた。」

入る前からなんか、禍々しい空気を感じる。
そして、ゆっくりゆっくりとドアを開けると、さっきの二人が睨み合って立っていた。

その後継をしばし見ていたら二人は私に気づいた。
だけど私は関わりたくないと思いドアを閉めた。

「ちょっと、何閉めてんのっ!」

勢いよく先程の女の子は扉を開いた。

「いえ、なんか危ないと思ったので閉めました。」

「危ないって何? 」

「先程、問答無用で先輩を。」

すると女の子はキョトンとしたあとに吹き出し大笑いをしだした。
何か変なことを言ったかな?

「アレは、アイツが気に食わなかっただけ、目の前のクソ野郎もね。」

「俺だってお前のこと気に食わねぇよ。」

「あの、お二人は仲がよろしい⋯くないですよね。
わかってました!」

すごい⋯思い切り睨まれたよ左右から、こんなの初めて。

それにこれから100年間この二人と一緒に勉強していくのか、長い100年になりそう。


「ところで貴方名前は?」

「え? 私ですか?」

「ほかに誰がいるのよ」

あともう1人あなたの真横にいますよ。

「私の名前はベアトリーチェ・ヴァレンティナよ、よろしく。
えっと、リヒト・リリィ・ハートシュタインちゃん⋯で合ってる?」

「え? あはい」

あれ? 私今名乗ったっけ?
ううん、名乗ってない、それにベアトリーチェさんなんか私の頭上を見ているけどそこに何かあるのかな?

「あの、私の頭の上になにかあります?」

「いや、気にしなくていいわよ、それに同級生だし敬語じゃなくてもいいし。」

「わかりま⋯⋯わかった。」

今一瞬睨まれた気が⋯

「俺の名前はリズリッド・D・ウォーカーだ 種族は獣族狼種だ。」

「誰もアンタの挨拶は聞いてないわよ、クソ犬」

「あぁん?」

そしてまた2人は睨み合い、殺気を出している。
それにもしかしたらこのクラスはこの3人かもしれないし。

3人? それはそれでなんか虚しいし、すぐ目立ちそう。

そして、この喧嘩を今すぐに仲裁すべきか、しないべきか⋯。
そう考えていると複数人の人の声が聞こえた。

「AAクラスってここであってるぅー?」

「あれ、なんであの二人は喧嘩してんだ?」

「お前ら転生・ ・しても仲悪ぃのな」


振り返ると男子二人と女子1人の3人組が立っていた。
それに今、「転生」って聞こえたような⋯

そして、私に気づいた3人は異様に慌ててさっきの転生のことをすごい誤魔化していた。

そう言えば今この場にいるのって私含めて6人⋯
5人のうち1人ならさほど目立たないしきっと私とは関わらないと思⋯

「ねえねえ、名前なんて言うの? アタシは金剛まりか⋯今の名前はマリカ・エアルドレット」

「え?」

どういうことか聞こうとした途端マリカさんは4人にいっせいに隅っこに連れていかれた。

「マリカ! 何言ってんの!? 私たち以外ここは純粋なクソ魔族が生きている世界なんだから!」

「そうだ! あの女子はただの魔族だ!」

「俺達がクラス転生召喚したって事を絶対に言う⋯な。」

その声は余りにも大きく聞いていけない単語も聞こえた。
この場合「私も転生したの」と言えばいいのか、迷う。

「ああ、えっと! リヒト⋯ 今の会話聞こえた?」

呼び捨てになっちゃった、関わる気満々だ⋯。
まあ、聞こえちゃってたからコクリと頷くわけで。

そして5人は諦めてため息をして私に全てを話してくれた。

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