僕と彼女の物語
約束
4月3日
僕はちなちゃんとデートすることになっていた。
「しゅう君お待たせ」
振り向くとちなちゃんがいた。
可愛らしいワンピースに黒ニーソの服装だった。
ぶっちゃけかなりかわいい。
「おはよう、ちなちゃん」
「うん。おはよう」
「じゃあ、行こうか…」
「うん」
今日、僕達は水族館に行くことになっていた。
集合した駅から地下鉄に乗り、水族館まで移動する。
「今日はゆいちゃん付いてきてないんだね」
「うん。絶対に来るなって言っておいたから…」
…………………………間が持たない…
ヤバイよこれさっきから何も話してないじゃん、こないだのデートの時はいろいろとありすぎてネタが尽きなかったけど今回は特に話すことがない…
どうしよう、何か話さないと…
「しゅう君って意外と話さないんだね」
「まあね…」
「ふふふ…」
「何か、おかしかった?」
「いや、別に何もおかしくないよ、ただちょっとね」
「え?何?ちょっと」
「次で降りないと、早く行こ、」
ちなちゃんがそう言い、僕の手を引き電車から降りる。
「ねえ、さっきの…」
「いいから早く行こ」
ちなちゃんが顔を赤くしながら走り出す。
僕もそのあとを追いかける。
その後僕達は水族館の中を見て回った。
いろいろな魚を見て昼ごはんを食べる時間になった。
「はい、しゅう君の分」
ちなちゃんが僕に弁当箱を差し出してきた。
「作ってくれたの?」
「うん。食べてみて」
「じゃあ、いただきます」
僕は弁当箱を開けて唐揚げを1ついただく。
「うん。かなり美味しいよ」
「本当?嬉しい」
ちなちゃんが笑顔で答える。
「じゃあ、しゅう君、はいこれも食べて」
ちなちゃんがそう言いながら卵焼きを差し出してくる。
ちょっいきなりハードル高くないですか?
断るわけにはいかないのでちなちゃんが差し出した卵焼きをいただく。
「うん。これも美味しい」
「よかった、じゃあ次はしゅう君の番ね」
「え?」
「ちゃんとお返しはしてもらうから、早く」
ちなちゃんが催促してくる。
僕は唐揚げを1つ取りちなちゃんの口に運ぶ。
「ありがと」
ちなちゃんが嬉しそうにそう言う。
その後、弁当を食べ終え、僕達は再び水族館の中を見て回った。
水族館を全て見て回り僕達は帰りの電車に乗った。
帰りの電車では今日みた魚やちなちゃんの弁当の感想などを話していたので朝みたいにネタ切れにならずに済んだ。
僕達は駅に着き駅でしばらく話して解散することになった。
「じゃあまたね」
「ねえ、しゅう君、こないだの約束覚えてない?」
ちなちゃんが顔を真っ赤にしながら尋ねる。
覚えてないわけないじゃないですか。
「覚えて…るよ」
「じゃあ、早くしてよ。私ずっといつしてくれるか楽しみにしてたんだから」
「わかった」
ちょっと恥ずかしいけど僕はちなちゃんを抱きしめた。
ちなちゃんも顔を赤くしながら僕を抱きしめる。
しばらくその状態でいたが、さすがにちなちゃんも恥ずかしくなってきたみたいだった。
「ありがと、ちゃんと約束を守ってくれて、じゃあ次はキス…してね…」
ちなちゃんが顔を真っ赤にしながら言う。
「え?」
「冗談だよ。じゃあね、今日は楽しかったよ」
ちなちゃんが僕にそう言いながら慌てて立ち去って行く。
絶対冗談じゃなかったよな…
「じゃあ、またね」
「うん」
ちなちゃんと別れたあと僕は家に帰った。
「ただいま〜」
「あっ、しゅうお帰り」
母がわざわざ玄関まで出迎えに来てくれる。
なんか嫌な予感が…
「聞いたわよ、しゅう、駅前で彼女とハグしてたんだって…」
「何でそれを?」
「近所の山田さんが見たって」
また山田か!
僕は心の中で山田に文句を言う。
ちなみに僕は山田がどんな人か知らない…
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