僕と彼女の物語
初デート
3月21日
僕は部屋で服を選んでいた。
今日はちなみさんとの初デートなのだ。
「これが、いいかな?いや、やっぱりこっちの方が…」
鏡と向かい合いそんなやりとりをしていると既に7時半だった。
「え?もう30分も服選んでたの…やばい、急がないと…」
僕は慌てて服を選ぶ。
それから30分後…
僕はようやく服を選び終わり朝食を食べる。
8時半くらいに家をでて集合場所の駅に向かおうと思っていたからちょうどいい感じの時間かな、と思いながら玄関にむかう。
「じゃあ、お母さん行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
「あれ、みゆ何処か行くの?」
「うん。ちょっと買い物に行ってくる。お兄ちゃんも出かけるの」
「まあね、行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
僕は玄関の扉を開き家を出る。
「じゃあお兄ちゃん私こっちだから。」
妹のみゆがそういい手を振りながら去って行く。
「気をつけろよ〜」
「お兄ちゃんもね〜」
みゆと別れて僕は急いで集合場所にむかう。
9時ごろに僕は集合場所である駅に到着した。
「あれ、しゅう君?はやいね…」
「ちなみさんこそはやいね」
ちなみに集合時間は10時だった…
「はやいけど行こうか…」
「うん。そうしよ」
僕はちなみさんと一緒に歩き出す。
僕達はまず駅の近くにあるボーリング場に向かった。
「そういえばちなみさんスカートだけど大丈夫?」
ちなみさんは短めのスカートに黒のタイツを履いていた。
「まあ、タイツも履いてるし大丈夫よ」
そういいながらちなみさんはボールを持ち助走をつけてボールを投げる。
ちょっスカート少しめくれてるんですけど…タイツからピンク色がもれてます。
幸い朝早くてあまり人がいなかったのでだれにも見られることはなかったがちなみさんが投げる度に気まずくなってしまった。
そりゃ、僕だって見たいですもん。
「楽しかったね〜」
「うん、そうだね。ごちそうさまでした。」
「ごちそうさまって…何も食べてないでしょ」
どうやら本人は気づいてないようだ。
「次は何したい?」
「うーん、カラオケとかどう?この下にあるし、しゅう君の歌聴きたいな」
「じゃあ行こうか」
僕は笑いながら答えたが内心凄く焦っていた。
僕は歌は下手な方ではない…だが歌える歌がアニソンぐらいしかないのだ…
昔、男子の友達と4人でぴょんぴょん歌ってたら後から来た奴に引かれたこともある…
それ以降人前でアニソンはあまり歌いたくなかった…
やばい、どうしよう、つんだかも…
そうこう考えてるうちにカラオケが始まってしまった…
「ちなみさん先歌っていいよ…」
「えっしゅう君先歌いなよ」
「じゃあ、じゃんけんで決めようか」
僕がちなみさんに提案する。
「わかった。じゃあいくよじゃ〜んけん」
「「ポン」」
負けてしまった。
やばい何歌おう…
「点数低かった方が罰ゲームで相手の願いを1つだけ聞くってのはどう?」
ちなみさんが提案してくる。
僕には断ることはできなかった…
罰ゲームがかかってる以上僕も本気で歌おう。
とりあえず僕は一番得意なアニソンを歌った。
まだまともな曲だったので何とか助かった。
結果は89.2まあまあだろう。
「しゅう君歌上手いんだね。じゃあ次は私が歌うね」
ちなみさんが曲を入れる。
アニソンではない普通のアイドルグループの歌だった。
結果は94.3だった…
「ちなみさん歌上手すぎでしょ!」
「そうかな?まあ、とりあえず罰ゲームね」
「わかったよ、何すればいいの?」
「私のことちなみさんって呼ぶのやめてよね…」
「じゃあ何て呼べばいいの?」
「しゅう君が考えてよ…」
ちなみさんが少し照れ臭そうに言う。
「じゃあ、ちなちゃんでどう?」
僕は一度呼んでみたいと思っていた呼び名を言う。
「うん、それがいい。今度からそう呼んで」
「わかった」
僕達はその後カラオケを終えて町をうろつく。
「ご飯食べに行こうか?」
「うん」
「何食べたい?」
「うーん、オムライスとかどう?近くに美味しいお店知ってるんだ」
「じゃあそこに行こうか」
僕達はちなちゃんの知ってるオムライス屋行き、オムライスを食べた。
ちなちゃんの言う通りかなり美味しかった。
昼食を食べ終わった僕達は買い物をしにショッピングセンターにむかう。
「まず、どの店に行きたい?」
「この小物屋に行きたい」
「わかったじゃあ行こうか」
僕達は小物屋にむかう。
「ねえ、しゅう君、手繋いでいい?」
ちなちゃんが少し恥ずかしそうに言う。
「うん、いいよ」
僕はちなちゃんの手を握る。
2人とも少し顔を赤くしながら歩いていた。
「あれ?お兄ちゃん…」
「え?みゆ?」
ちなちゃんが行きたがってた小物屋の前で妹と鉢合わせてしまった。
妹の横には妹と同じくらいの歳の男の子が立ってこっちを見つめていた。
「もしかしてお兄ちゃん…」
「もしかしてみゆ…」
「「デートしてるの?」」
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