幽霊探偵零子さん!私を殺したのは誰?

漆黒の饅頭

序章 親愛とは何かを疑う手紙

親愛なる■■様
 お久しぶりです。暦の上では春ですが、A県の春は、まだ雪が残り、春らしい暖かさは感じられません。そちらはどうでしょうか?お身体にはくれぐれも気をつけて。
 ところで、この度手紙を送ったのは、あなたにお伝えしなければいけないことがあるからです。
 実は、私はあなたにそれほど好感を覚えているわけではございません。いきなり何を言い出すのだろうとお思いになると思います。単刀直入に申しますと、私はあなたを恨んでおります。いいえ、恨んでいると言ってしまうと、あなたが私に何か悪いことをしたようになりますね。あなたは私に何もしていません。しかし、私はあなたが大嫌いです。あなたの存在そのものが憎いのです。
 この手紙を読み、あなたはきっと、アホ面下げて、立ち尽くしているのでしょう。想像するだけで滑稽です。
 あなたも、言われるだけ言われておいて、黙ってはいられないと思います。そこで私から提案です。きたるあなたの誕生日、私とあなたで殺し合いをしませんか?私は大嫌いなあなたを殺せる、あなたはムカつく私を殺せる、いい条件だと思うのですが。場所は思い出の公園で、夜の9時なんていかがでしょう?凶器は指定しません。9時になったらよーいドンで殺し初めましょう。わかってると思いますが、助っ人を連れてきたり、警察に報告してはいけません。もっとも、警察は信じないでしょうが。逃げたら、あなたの大切な人を殺します。冗談だと思うなら、試しに逃げてみてください。私は嘘はつかないと、あなたも知ってるはずです。
 素敵なお返事待ってます。
あなたの宿敵より

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