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Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜

ニムル

陣取りゲームの始まりですか?

 街の中央部に向かえば向かうほど、軍と狼や蛇達が戦った痕跡や硝煙の匂いが色濃く残っていた。

 狼と蛇の集まるところに、シルティスと一緒に闇魔法と殲滅魔法を投げ込んで、組織の人たちにはそこにいる人たちを避難してもらう。

 さすがに俺たちの大掛かりな魔法を食らってはみんな死んでしまうので、慎重に威力が弱く、かつ確実に奴らだけを仕留めることが出来る魔法を選んで使っていく。

 時にはサイコキネシスなんかで奴らを全て浮かせて攻撃なんてこともしたが、あれは正直狙いがうまく定まらないので確実性がなく、取って付けたような能力では、やはりどうにもならないことがあるのだということを激しく実感する。

 人間サイドでは己の身は己が守るというような感じで、武芸者だったり軍人だったりが戦っているらしいが、それが上手くいっているのは千葉県の夢の国辺りの地域だけだそうだ。

「おいシルティス、バルトラのいる所ってどこ?」

「え? あぁ、多分アキバ? とかいうとこの近くだったと思うわ」

「そうか、わかった」

 途中の服屋ですっかり着替えを終えたシルティスは、今現在はいつものワンピースではなく、黒いTシャツにデニム生地のジャケット、黒いフリルのついたスカートに赤いヒールという、そこら辺にいそうな女子の格好でリボンのゴムで髪の毛をツインテールにまとめていた。

 正直空を飛ぶ度にバサバサと音を立てるので邪魔そうだなとも思ったが、その点だけ考えればロングも変わらない。

 むしろこの勢いで飛んでいて未だにしっかりとシルティスの髪の毛をまとめているゴムに賞賛の声を送った方がいいと思うくらいだ。

「さて、今回も結構多いわね、1000匹くらい?」

「そんなにいるか? まあいいけど」

 そう言って敵の集まるところに降りようとすると、シルティスの動きが止まる。

「どうしーー」

「下がって!」

「は?」

「『至高神と大魔王の戦火ゾロアスター』」

 何かの詠唱のような声がはるか頭上から響き、空からまるで太陽のような青い火の玉が落ちてくる。

「罪の意識が無かろうと、俺のスキルはお前らが犯した罪を見逃さない」

 轟音とともに降り落ちる蒼炎の太陽が視界を覆う。

「ゴートの坊や、殲滅範囲は考えて使いなさいってあれほど言ってるでしょうが!」

「あいあいたいちょー、わかったわかった」

「……ヤン兄か?」

「おう、久々だな。遅い目覚めじゃねェか。腕なまってんじゃァねェだろうな?」

 乗っている氷の塊ごと降りてきたヤン兄が俺にそう聞いてきた。

『くっ、屈辱だぜ、新たな命として呼び起こされたと思ったら、こいつの乗り物要員とはな!』

 ヤン兄の乗っていた足元の氷の塊が不意に話し出す。

「おう、悪かったな7号。んで、8号と9号、10号の場所はお互いにわかってるか?」

『当たり前だ、俺たちイースベルを舐めるなよ。俺達が確かに先代たちの劣化であることは認めるが、昨日は先代たちより充実してんだ。舐めたくち聞いてんじゃねぇぞ小僧』

「イースベル? なんで?」

 ふと疑問に思ったので聞いてしまったが、まぁ、恐らくは西の魔王が新たに作りだしたイースベルだろう。

「エルンとゴミ魔王が2人で作ってた」

「おう、それはさすがに予想外だったわ、仲良し姉妹に戻ってんのかあいつら」

 しかし、あの時のメンツがこれだけ生きているとなると、もしや俺がいなくてもエスメラルダは倒せたということなのだろうか。

「エスメラルダはどうした?」

「ミツアキ達が元の世界に連れ帰ッたぞ」

「てことはあの戦いはどうにかなったのか」

「ん、ああ、なんとかしたのは俺たちじャァねェけどな」

「は? じゃあ誰だよ?」

 そう言うとヤン兄は得意げにこう言い放った。

「帝国領北の魔王とその使い手の神月玉兎、そして破壊公爵クラウネル・ディスニアってェ、そうそうたるメンツだッたぜ」

「なんであんたが得意げなの、坊や……」

「おっと、今はそんな場合じゃねぇ、バルトラがゲートを作ってる間に俺たちは真打の撃破をご指名されてんだッ、とッとと行くぞオラ」

「無理やりオラついたなぁ」

「るっせェよ」

 にやけ顔で次の目的地へと保を進め出すヤン兄の姿に、何故か深い安心感を覚えた。




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 神性たちの力を借りてじわじわと結界の可動域を広げていき、バルトラ達はついに東京都全域、埼玉県全域、千葉県全域、山梨県東部、群馬県南部、栃木県南部、茨城県南部を取り戻すことに成功した。

 しかし結界内部に残った化け物たちは未だに住民達に大して絶大な被害を与えており、結果として結界は1部の人間を閉じこめた、化け物たちにとって格好の区切られた餌場となった。

 しかも、結界内部に何故か蛇や狼たちが湧き続け、どうにも手がつけられないという状況に陥った。

 しかし、その状況をたった2人の人物が好転に導いたのだ。

『火の一閃』『城の魔王』

 現地人にそう呼ばれた2人の男が今、バルトラ・アッシャーの前でどっしりと座って構えた。

「さぁ、3周目の皆さん。アホな巨人と陣取り合戦と行きましょうや」

 かつてない地球の危機に集まるのは、他の世界、他の周回で世界を救ってきた猛者たち。

 その筆頭である黒い剣をたずさえた男が、大きく笑みを浮かべてそう言った。

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